第06話:ジブラルタルとセウタ
今日は、地理のお話です。まず地図を見てください。ここどこかわかりますか?
えっと、ここはスペインの南、北アフリカのモロッコの北に位置するジブラルタル海峡です。 今回お話するのは、ジブラルタル海峡の入口にある湾口都市「ジブラルタル」と「セウタ」についてになります。
まずは「ジブラルタル」のご紹介。 下の地図では醜いですが、画面の真ん中に赤線がありますよね。その下がジブラルタルになります。ちなみにジブラルタルの面積は、6.8km^2 で東京ドーム145 個分の広さの都市になります。狭いですね。ちなみに人口は3.4 万人で、東京都の千代田区と同じくらいの人口になります。人口密度すごいですね。で、ここ、スペイン領土っぽく見えますが、実は「イギリス領」です。
次に「セウタ」。 下の地図では見にくくて申し訳ないですが、赤線より右の半島がセウタになります。ちなみにセウタは18.5km^2 で、東京ドーム394 個分の広さになります。こちらもジブラルタルまではいかないものの狭いですね。そして人口は8.5 万人で、東京都の狛江市と同じくらいの人口になります。 こちらもモロッコ領土っぽく見えますが、実は「スペイン領」です。
でも、普通に考えると、ジブラルタルはスペイン領で、セウタはモロッコ領に思えるじゃないですか? なぜこのようになったか歴史的な話は今回は置いておいて、今回は「地政学」的な視点でお話をしますね!
地政学における「海」というものは、他国への「大量の荷物」や「軍艦」のアクセスを可能にするものと捉えられていて、海でつながっていれば国境を接しているのと「同じ」とみなすケースが多いです(例:日本の隣国は、海でつながっている中国・ロシア・アメリカ・イギリス等々)。そのため、地中海から外洋にでる出口になるジブラルタル海峡は、地政学上最重要ポイントであるチョークポイントの1つとして数えられているのです。
ただ水上輸送の欠点は「船」を動かす「船員」の食料等を搭載しなければいけないことです。 つまり「船員の食料」を大量に積み込めば「多くの荷物」を運ぶことができず、逆に「船員の食料」を減らしてしまえば「多くの荷物」を運べますが「遠く」にはいけません。結局「荷物」をたくさん運ぶには、随時「船員」の食料を搬入する「補給」が大切になってくるわけです。
では、もう一度地図を見て下さい。 地中海諸国に海から物資を届けるためには「ジブラルタル海峡」を通る必要がありますが、 ジブラルタル海峡付近は東北沖みたいに崖によって形成される海岸線で、 補給基地になる港を建てることは「困難」になります。 つまり地理的な条件で「ジブラルタル」と「セウタ」は海上輸送上の要所になり、どの国も欲しがる港だったというわけです。
ちなみに歴史的な視点でみると、フランスが作りイギリスが安値で買いたたいたスエズ運河が開通するとジブラルタルとセウタは海上輸送のさらなる要所になになったのです。なぜならアフリカ南端の喜望峰を通る事なく、ヨーロッパから地中海、スエズ運河を経由してインド方面へアクセスできるようになったのですから‥‥。
ということで、 この2つの港はますます価値が上がり、人がたくさん住む世界有数の「湾口都市」として発展し今に至るという訳です。
ちなみにスペインは「ジブラルタル」をヨーロッパに残った「最後の植民地」と呼び、イギリスに強く返還を求めています。しかし「イギリス」はこれを拒否しています。そりゃそうですよね。どうみても要所中の要所だし、金を産む金の卵にしかみえないですもの。
またモロッコは「セウタ」の返還をスペインに強くもとめていますが、 「スペイン」はこれを拒否しています。そりゃそうですよね、ジブラルタルが返ってこないんじゃ、海上輸送の要所セウタをモロッコに返せるわけないないですものねw
とういことで今日の結論。世界中にある「ヤヤコシイ」土地は「だいたい」イギリスが絡んでます。歴史を調べてみるとわかりますが、ほんと酷い国なんですイギリス。これで紳士の国とか自称しちゃうんだから、私もその厚顔さを見習いたいですw。
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