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第55回:エルガー 〜希望と栄光の国〜

 今日は、私が一番好きといっても過言ではないエルガーの威風堂々についてのお話をします。

  初代準男爵サー・エドワード・ウィリアム・エルガーは、イングランドの作曲家であり、指揮者であり、音楽教師であり、ヴァイオリニストでした。 私は楽器の中でヴァイオリンが一番好きなのですが、エルガーの「愛の挨拶」はヴァイオリンで聞くと本当にしびれますね。


サー・エドワード・ウィリアム・エルガー(wikipediaより引用)

 さて、そんなエルガー。彼はモーツァルトみたいな「最初からの」天才ではなく、努力のすえ認められた作曲家でした。 エルガーの楽曲が初めて認められたのは、42 歳の時作曲した「エニグマ変奏曲」です。

  これはだれもが認める名曲で、特に「ニムロッド」は名曲の名曲たるエッセンスがすべて詰め込まれている楽曲です。

 あとは、私が好きな「愛の挨拶」、あとは「ヴァイオリン協奏曲」、「チェロ協奏曲」、「ゲロンティアスの夢」なんかが有名ですね。 そして忘れてはならないのは「威風堂々」。この曲は1907 年にエルガーによって作曲され、 全6 部構成(6 部のみエルガーが完成させられず、アンソニー・ペインが補筆)になりまして、「イギリスの第2 国歌」になりました。

 エルガーはこの曲を当時の王太子アルバート・エドワード(のちのエドワード7 世)に聞かせたところ、特に1 番を気に入り、 1 番の中間部に「歌詞を付けたら偉大な曲になるだろう」と、歌詞をつけるべきことをエルガーに指示をします。

 エルガーはこの提案を受けて、1902 年のエドワード7 世の戴冠式のための『戴冠式頌歌』の第6番、終曲「希望と栄光の国」にこの中間部の旋律を用いました(導入部「王が戴冠したまわんことを」("Crown the King")の最後にも使用してます)。

 歌詞はイギリスの詩人アーサー・クリストファー・ベンソンによるもので、大変な好評を博し「イギリスの第二国歌」として認知されるようになりました。 この中間部は「希望と栄光の国」と名付けられ、大みそかの年
越しや慶事に使われることになります。

 威風堂々は皆様も聞いた事のある曲だと思いますが、歌詞付きの威風堂々「希望と栄光の国」を聞いた方は少ないと思います。 イギリス人でもないのに心が踊り、涙がでると思いますので是非聞いてみてください。

 ちなみに日本の第二国歌は、「海ゆかば」です。これはこれで詩的で趣があります。

 アメリカの第二国歌は「星条旗よ永遠なれ」、フィンランドの第二国歌は「フィンランディア」、 ドイツは異論もありますが「ベートベンの第9 の4 楽章」が第二国歌として認知されていますね。

 特にベルリンの壁が崩壊したあとの記念講演の第九は圧巻で、私の中の一番の名演です。 指揮はバーンスタインです。是非聞いてみてください。

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