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余白のアートフェア福島広野 会場割り振りの覚え書き その5(パークギャラリー)

敢えてキーワードの無い場所に

 合宿の宿の話ばかり書いているのも良くないので、合宿の宿の前にあったパークギャラリーでの展示についてご説明します。

 こちらに配置されていたのは宮坂青さん、サワダモコさん、オガワミチさん、柏倉風馬さんでした。

 実はこちら、もともとはちゃんと意図があったんです。

 コンセプチュアルな作品群として舘星華さん、オガワミチさん、柏倉風馬さんのゾーン。また宮坂青さんはミクストメディアによるインスタレーションを希望されていたので、同じくミクストメディア(あるいはメディアアート)作品があるサワダモコさんと一緒にとなりました。

作品が瞬殺完売になった宮坂青さん

 その後、事前に広野町まで下見に行かれた舘さんが合宿の宿の脱衣場を希望されてそちらに移ってしまい、最終的にオガワミチさん、柏倉風馬さん、サワダモコさん、宮坂青さんの四人になりました。サワダモコさんは一般には「キャラクター絵画」のアーティストとして認知されている方なのですが、今回は敢えて「キャラクター絵画」の文脈ではない場所での展示を希望するということでこちらへ。

 結果として、明確なキーワードの無い展示空間になりました。

 会場ではサワダモコさんは柏倉風馬さんの「Flawless torso」シリーズの隣になってましたね。

柏倉風馬さんの「完璧な胴体」

 柏倉さんは今回一大勢力を形成した東北芸術工科大学出身アーティストの一人です。青木みのりさんの後輩だとうかがいました。

アクリル絵の具とキャンバスを用いて制作している。私の作品は身体が持つ不自由さや、不調にフォーカスする。ああしたい、こうしたいと思うのに身体がちっともいうことを聞いてくれない時、私たちはどうしようもない身体に出会う。私たちが思い描いた身体とは違った姿で私たちの前に立ちはだかる。私はそこに現れる美しさ、空虚さ、生々しさを描き出したい。

柏倉風馬アーティストステートメント

 「完璧な胴体」と名付けられたこのシリーズ、アーティスト・ステートメントにある「私たちが思い描いた身体」を表現しているのでしょうか。たしかにこんなクールで完璧なバランスの胴体、人間はなかなか持てません。

シンプルなのでどんな空間にも合う作品です

2024年ACT大賞受賞のオガワミチさんはツルッツルの表面が意表を突く 


 柏倉さんのお向かいにあったのはオガワミチさん作品。これ、アクリルに描かれているんですよ。なかなか写真で伝わらないんですが。実物はほんといい感じです。表面がツルッツルでね。一見するとキャンバスに描かれた普通の抽象画みたいですが、実は全然違うの。これは良いですよ。ミニマリストな洋室にインストールしたら唯一無二の空間になりそうで。

表面が反射しまくり!
こうなるんです
横から見たところ 

 2枚は売れてしまいましたが、まだまだお迎えいただけます。

サワダモコさんはクレーンゲームで場を支配

 会期中とにかく話題だったのが、サワダモコさんが持ち込んだクレーンゲーム。1回500円。腕に憶えがある猛者たちが次々に挑んでいたようです。ちなみに運営は写真撮り忘れていました。

 サワダモコさんについては既に書きました通り、今回は「キャラクター絵画」の文脈から外れた空間で展示したいというご要望があってパークギャラリーになりましたが、結果としてはとてもアットホームな場になっていて、私はとても良かったと思います。

 キャラクター絵画って、いわゆる「現代アート」の中でも非常に特殊な立ち位置にいると思うのですが、その独特な文脈から切り離してこの「田舎の公民館みたいな空間」で展示してみると、とてもニュートラルな感覚で作品を見ることが出来たと思ってます。

 サワダモコ作品、お値段的にもお手頃ですし今が底値だと思います。一般に知られていないだけで超有名コレクターの個人コレクションにも入っています。おすすめ!

瞬殺で完売! 宮坂青さん

 宮坂青さんは今回の余白のアートフェア、本当に気合が入っていました。何しろNYから戻ってその足で正月三が日を広野町で過ごし、毎日夜明けを撮影していたといいます。

 その広野町の夜明けからインスピレーションを得たのがこのシリーズ。「太陽は細部に宿る -The sun is in the details-」全13枚。即売れしてしまいました。

 宮坂青さんはものすごい勢いで活動しておられます。2月だけでも3か所で展示! 

 余白のアートフェア福島広野に出していただいた作品はもう無いですが、2/11-2/21のDEN GALLERYさんのアートマルシェは要チェックですね。

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