テラスハウスの筧美和子はすごかった
気に入ったものがあるとつい周りにゴリ押ししてしまうのが、私の悪い癖。
「あの番組でこういうことがあって〜」と延々と話した後、相手の目は大抵死んでいるし、反応も「ふーん…」で終わる。力で敵わない相手でもゴリ押しの鬱陶しさならK.O.できるかもしれない。
中でもよくやってしまうのは、恋愛リアリティショーの話。寝る時はバチェラーかテラスハウスを毎晩垂れ流しながら寝ている。
この前はテラスハウスの話をしつこくしてしまった。この番組はパリピが見るものであり、自分のような根暗が見るものではないと思い込んでいたので、1番流行っていた頃はリアルタイムで見ておらず、バチェラーにハマった後で他に面白いものはないかと行き着いたのがテラスハウスだった。自らの偏見により、人より100万年遅れてハマることになった。
テラスハウスは湘南編、東京編、ハワイ編など色々なシーズンがあるのだが、私が好きなのは湘南編のピンポイントなところで、筧美和子や大樹、洋さんという人たちが出ている頃のところ。これはテラスハウスファン共通というか、鉄板なチョイスのはず。
引くことができる女、それが筧美和子
彼女に対してはこれを見るまで特に何の感情も持っていなかったけど、気づいたら筧師匠と呼びたくなっていた。これぞ最強の女。すごい。拍手。何がそんなにすごかったかというと、好きな男性へのアプローチの仕方が天才的だった。
彼女が好きだったのはルームメイトの大樹くん。
他に彼の元カノや、筧美和子のことを好きだという男の子もいたので、家の中で4角関係のような状態だった。
そんな面倒な状態を避けたいのは当然のことで、彼女自身も「ほんとは好きになりたくない」と言っていたし、大樹くんもその構図ゆえに筧美和子に対しスイッチが入らないという感じだった。
アプローチというと自分が好かれるために取る行動というイメージだが、彼女はよく尽くしていた。彼の試合があれば同日に自分のオーディションがあっても終わり次第マッハで駆けつけるし、減量してたらお弁当を作ってあげる、勉強してたら側で見守っている。「何かしてあげたい」という気持ちがよく伝わっていた。
でも不思議なのが、邪魔じゃないのだ。私は人にじろじろ見られてるのが嫌いなのだけど、筧美和子にじっと見られても絶対不快にならないと思う。残念ながらそんな状況には生涯ならないだろうけど。
結果的に彼女は大樹くんに2度?振られていたのだが、次第に2人は特別な関係になっていって、振ったとか振られたとかはもはや問題でなくなっていた。友達でもなく恋人でもないのに欠かせない存在というのが絶妙だった。
大樹くんがテラスハウスを去る時は、筧美和子の手を強く握り、泣きながら感謝していた。他のメンバーが気を利かせて2人きりにしてあげたのだけど、それでもハグではなく握手というのがまたよかった。この手の番組はよくやらせとか言われてるけど、あのシーンが偽物だったら泣く。
この次の日に筧美和子もテラスハウスを卒業するのだけど、なんとこのことは大樹くんだけには秘密にしていた。なぜか?なぜだと思う?!(←うざいw)
それは、大樹くんを見送りたいからだった。
彼はある時「自分の卒業の時はこのメンバーに見送ってほしい」と語っていて、そこに筧美和子も含まれていた。彼女はその願望に応えるために言わなかったのだ。言ってしまうと恩着せがましさが出てしまうことを懸念したのではないだろうか。
先ほど、「筧美和子が大樹くんを好きで、だから何かしてあげたいというのがよく伝わった」ということを書いた。
しかし!!好きだからこそ「しない」。これができたら最強だ。
付き合いたい、好きって言いたい、大事な話は伝えたい…好きな人には何かを「したい」と思ってしまいがち。ましてやこの時彼女はまだ20歳ぐらいで若かった。その年齢でこの対応ができたら、もう先生と呼ぶしかない。
ちなみに、筧美和子ばかりがすごいと思っていたが大樹選手もプロだった。振る時に「あなたのことは友達として見ています」と言いたいところを、彼はこう表現した。
「みーこは、テラスハウスのみーこだよ。」
こんな振られ方したら余計好きになるわ。優しすぎる。振られて後ろに倒れそうになるところに、クッションを何枚も敷いてくれてる感じ。これなら痛くない。格闘家だったから、相手が大怪我しないやり方をわかってる。そうか、これプロ同士の試合だったんか…
洋さんの話もしたかったけど、既に1800文字に到達している。また次回にしておこう。湘南編は、語り始めるとキリがないのだ。