001-diary
【ようりの日記(全体に公開) 2018年1月31日22:17】
わたしはいま、10年続いたサービスを終了しようとしているメタバースで、ひとり夜空を見上げている。
枯れてゆく世界のただなかで、とけてゆく氷の城のバルコニーで、ここで出会った人すべてに思いを馳せて深呼吸している。
きっといつか終わりの訪れる世界だから、活況だったそのときから心に決めていたこと。
何年かが過ぎて、もし“世界”が魅力を失っても。
楽しく過ごしたフレンドがひとり、またひとりとログインしなくなっても。
わたしはここに残り、思い出の場所で世界の終焉を見とどけよう。
いよいよこの世界が終わるとき、そうしていたい。
そうしていようと。
回線が途切れるそのときに、ひとり夜空を見上げていたいと……
ずっとそう思ってきたんだ。
【カテゴリ ひとりごと】
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