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あなたのイニシャルなんですか?

私の作るものには、クロスステッチでイニシャルが刺繍してある事が多いです。
お洋服でも、小物でも、イニシャルが刺繍してある物って特別な感じ、しませんか?

言っちゃえば、これ、私のだから!って目印を付けている様なもの。世界でたった一つのもの。そりゃあ、愛着だってモリモリ選手権です。

私がイニシャルステッチが好きになったきっかけは、15年ほど前のこと。
大好きだったアンティークショップで見つけたワンピースが、自分と同じイニシャルでした。

私は、勝手に壮大な物語をワンピースに感じてしまいました。
顔もしらない【M.S】さん。
しかと、ニッポンで受け取りました!押忍!!そんな気持ちで連れて帰ってきて、改めて刺繍を見ながら思いました。

ステキやん。。。イニシャル。
たった1人の為のイニシャルが、長い長い旅をしました。何人の手に渡ったのかは分からないけど、旅の終点はまた【M.S】の所にたどり着きました。
ステキやん😭←感極まって何度もいいます。

それから私は、職人さんが名入れの刻印をするみたいに、一つ一つにイニシャル刺繍をするようになりました。

そのワンピースは、フランスからやって来た古いものでした。
ホームスパンリネンといって、各家庭で畑でフラックス(亜麻)を育てて繊維をとり、糸を紡いで織ったリネンで作られたものです。

このワンピースは立体裁断じゃないので、きっとかなり古いものと思われ、、海を渡ってドンブラコ。そうやって自分の手元にある。
不思議な気持ちで、ひと針ひと針刺繍された小さな× × × を眺めていました。

ちっちゃい刺繍を一つだけ、も好き



洗濯機が各家庭になかった時代のヨーロッパでは、共同洗濯場で洗濯機をするのが一般的でした。
そこで自分の洗濯ものと分かるように、イニシャルを刺繍したそうです。
洗濯も毎日ではありません。当然汚れます。地方によっては大きな釜でグツグツと煮沸洗いをしていた所もあったとか。
リネンはとても強い繊維です。しかもはじめはゴワゴワで硬い。高温で繰り返しの洗濯にも耐えられて、しかもどんどん肌になじんで柔らかくなる素材なのです。リネンらぶ。

M率が高い

イニシャルステッチにはもう1つ、役目がありました。
当時は布は、貴重な財産で、嫁入り道具でした。布を織ってイニシャルを刺繍して、寝具や衣類に仕立てて持たせたそうです。
それを母から子へ、そのまた子へ。大切に引き継いだリネンが今も残っている。なんてステキなんでしょう。

イニシャルクッションを抱っこしてお昼寝

私が刺繍した物も、どこかに旅して、もしかしたら日本を飛び出して、まだ見ぬ誰かが
「えーー!同じイニシャル?!OMG!」
なんてね。
そんな風になれたらシアワセだなぁ。

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ソラソラ✤ミカ
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