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まれおのチャンピオンズカップファイナル千葉2025〜Revenge for Modern〜


はじめに

 みなさんどうも、まれおです。

 先日、2/8.2/9に開催されたプレイヤーズコンベンション千葉2025で行われたチャンピオンズカップファイナルSeason3 Round2に参加してきました。

 今回noteで書きたいことはこの3点です。

・ファイナルに向けてどんな心構えだったのか。
・調整過程
・千葉での思い出日記

※使ったデッキの構築思想やサイドボーディングなど
は別途記事を出す予定です。


 是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。
 感想をいただけるともっと嬉しいです。
 それではよろしくお願いします。

「因縁」のモダンへ挑む

 今回のチャンピオンズカップファイナル(以下ファイナル)のフォーマットはモダン。
 僕にとってモダンは「因縁」のあるフォーマットである。「因縁」とはモダンで行われた予選やトーナメントで2度、大きな挫折を経験していることだ。

 2度の大きな挫折とは。
 
 ①唯一ファイナルに出れなかったフォーマット

 今回の千葉で開催される分を除いて全7回開催されたファイナル。

 僕は7回中6回出場しているが、唯一出場できなかったフォーマットがモダン。エリア予選はほぼ毎週出場したし、ラスチャンも出た。時間とお金を注ぎ込んだが出場することができなかった。

 当時はモダンにかける情熱があまりなかったことを覚えている。カスケードやラクドススキャムを使っていたが、どちらも当時環境の強いデッキというだけで選んでいて、中々好きになることがなく、練習にも身が入らなかった。
 エリア予選を全て敗北した後、ラスチャンのために練習したイゼットマークタイドはデッキのことを好きになり、たくさん練習したが、時既に遅し。ラスチャンではバブルマッチまで行くも苦手なヨーグモスに敗北。ファイナルの出場は叶わなかった。
 正直この時はエリア予選に出続けていれば抜けるぐらいの実力はあるだろ、という気持ちがあり、天狗になっていたところもあったと思う。当時はかなり悔しかったが、今思うと対して練習もしてないのに勝てるわけもない。必要な挫折だったと思う。
 朝早くに名古屋から宮崎に行って0-2し、空港でチキン南蛮を食べてそのまま飛行機に乗って大阪まで行き、次の日の予選も0-2してすぐに帰ったことも今となってはいい思い出だ。

 ②PTチェインをかけたバブルマッチに5回負けた

 一昨年出場したPT《指輪物語》では1日目ドラフト3-0、モダン3-2、そして2日目のドラフト3-0と2日目のドラフトラウンドが終わった段階で9-2、全体での順位も3位とかなり上位に位置することができていた。
 残りのモダンラウンド5回戦の内、あと1つ勝てばプロツアーの権利を2回分得ることができ、あと2回勝てば世界選手権の権利、そして3回勝てばなんとプロツアーのTOP8に入ることのできるラインだ。

こんな瞬間もあったのにね

 しかし、ここから怒涛の5連敗。しかも1ゲームも取ることができず、0-10というスコアを叩き出してしまった。後一つ勝てば2回分のプロツアーの権利を得れるというバブルマッチを5回敗北してPTのチェインを逃してしまったのだ。 当時のことはよく覚えている。もちろん悔しかったが、ここまでこれたのも運がよかったからだしな、と漠然と思っていた。逃したものはかなり大きかったが、今の自分はこんなものだと自分に言い聞かせた。

 上の2つの経験から、モダンというフォーマットに対する苦手意識が一昨年からあり、今回のファイナルのための店舗予選やエリア予選ももしかしたら抜けられないかもしれないという不安が心の片隅にあった。

 結果として無事に店舗予選とエリア予選も抜けることができ、ファイナルに出場できることになったが、店舗予選やエリア予選の先にあるファイナル。店舗やエリアといった各予選よりもレベルの高いプレイヤーの密度は高くなっているはず。その中で勝ちきるためにはどうモダンに向き合って調整するか考える必要がある。

 今後もどこかで競技的にモダンをプレイする時がくる。その時同じように苦手意識を抱えたままではきっと勝ちきることはできないだろう。

 今回のファイナルはモダンで勝つことのできなかった過去を払拭するためにも、自分自身を納得のいく状態にもっていき、今回のモダン環境のファイナルで勝つこと、そしていつも通りプロツアーの権利獲得を目標にして練習に取り組むことを決めた。

禁止改定後のモダン

 2024年12月16日、モダンで禁止改定が発表された。

禁止は大体予想通り 解除は予想してなかった

 《一つの指輪》《色めき立つ猛竜》の禁止は予想していた通り。《湧き出る源、ジェガンサ》が禁止になるとは思っておらず、他の禁止解除はあまり予想はしていなかった。
 エリア予選で自分が使っていたボロスエネルギーが弱体化。また、他に指輪を使っていたデッキも構築の変更を求められることになった。禁止解除されたカードも強力なものが多く、モダンの環境も大きく変わることになるだろうと思っていた。

色んなデッキを使ってみる

 禁止改定によって訪れた新環境。
 ファイナルでは「霊気走破」を使用することができないため、ここからは環境が変わらない。せっかくなので様々なデッキを試すことにした。
 モダンの経験が少ない以上、様々なデッキに触っておいた方がいいのは間違いない。

 ディミーア眼魔

最初期

 前環境から《一つの指輪》を使用していなかったが環境に存在していたデッキ。《忌まわしき眼魔》や《超能力蛙》といった軽くて強力なクリーチャーを《発掘》で墓地から場に出し、軽いカウンターや除去でバックアップするデッキだ。

 MOリーグ4-1×2、3-2×1とまずまずな結果で悪くないかもと思い、MOチャレンジに挑戦してみるものの、結果は3-4でボコボコ。ボコられた結果、このデッキの良くないところがよく見えた。

⇩良くないと思ったところ
①サイド後の墓地対に対しこちら側のプランがほぼ変えれない
②各種カードが噛み合いを要求する(墓地に何もない時の発掘が弱い、各種カウンターが相手のプレイするカードを必ずカウンターできるわけではない等)

 デッキ自体の感触が悪いわけではなかったが、上に挙げた点がかなりネックになりそうな気がした。
 《発掘》で《忌まわしき眼魔》を早いターンに場に出す動きは強いものの、プレイでどうにかできる範囲を超える展開が他のデッキと比べて多そうだなと思った。
 好きなデッキタイプではあるが、ファイナルに持ち込むには安定性が欲しいという理由で早めに諦めることにした。

 グリクシスリアニメイト

見た目は強そう

《信仰なき物あさり》の解禁によって強化されたリアニメイトデッキ。
 《残虐の執政官》を《頑強》で早いターンにリアニメイトする動きは非常に強力ではあるが、《信仰なき物あさり》の使い方が難しく、普通に使っていくと手札が減っていくだけ。
 《信仰なきものあさり》や《超能力蛙》で墓地に捨てるカードの選択、フェッチランドからどの土地を持ってくるかよく考えなくてはいけなかったり、サイド後の墓地対策を乗り越えなくてはならない点など、様々な要素で安定感が感じられず、1リーグ回して諦めることに。

 ボロスエネルギー

王者

 《色めき立つ猛竜》と《一つの指輪》が禁止されたことにより、デッキの弱体化が図られた…ように見えていたデッキ。弱体化したと思いきや、禁止後もMOチャレンジで結果を残し続けていた。結果を残し続けている理由を探るためにボロスエネルギーをプレイしてみると自分の想像よりもあまり弱体化されていなかったことに気づく。

禁止されたカードがあるにも関わらず、デッキの強さが落ちていない理由として考えられたのは2点

①元々周りのデッキが《一つの指輪》でエネルギーに対抗していたこと
②エネルギーの最終的到達地点である《火の怒りのタイタン、フレージ》(以下《フレージ》)に規制がかからなかったこと

 ①に関しては《色めき立つ猛竜》や《一つの指輪》など多くのエネルギーに採用されていたカードが禁止になったが、エネルギーから《一つの指輪》が消えたということは他のデッキからも《一つの指輪》が消えているということだ。
 《色めき立つ猛竜》以外にも強力なクリーチャーを備えているエネルギー。それらに対抗するために入っていた《一つの指輪》が他のデッキは採用できなくなった。エネルギーだけでなく、他のデッキが失ったもの方が大きかったため、結局差は覆らなかったということだ。
 ②に関してはエネルギーというデッキはアグロやミッドレンジのように振る舞いながらもロングレンジのゲームに対応できている。その大きな要因となっている《フレージ》に規制がかからなかったことにより、《色めき立つ猛竜》や《一つの指輪》を失っても、最終的なフィニッシュ手段が変わっていない。
 
 つまり環境デッキが軒並みデッキパワーが下がっているため、エネルギーが弱体化されても相対的に強いままであったということである。
 実際にMOリーグで回してみた結果、大きく勝ち越すことはないものの、4-1と3-2を連打する形になり、デッキの安定性を感じさせた。

 マルドゥベイルマーク

モダン神からリストを拝借

 ボロスエネルギーに黒をタッチして《溌剌の牧羊犬、フィリア》(以下《フィリア》)と《ベイルマークの大主》(以下《ベイルマーク》)を多く取ったデッキ。インスタント除去が少ないエネルギー同型に対して、《フィリア》+《ベイルマーク》のコンボでスケール勝ちをしたり、相手の場に出た《フレージ》を《致命的な一押し》で触りやすくしているなど色を足すことでミラーマッチに有利な構成になっている。

 モダン神決定戦を見て回してみた結果、モダン環境全体のことを考えるとなんとも言えないデッキだなという評価に。

 エネルギー同型には強いが、それ以外のデッキに弱くなっていると感じた。序盤にプレイする《ベイルマーク》が弱い。墓地を増やして《フレージ》に繋がりやすくなるのは魅力的なものの、基本的に《フィリア》とのセットで使わないと他のデッキに対して遅すぎる。2マナのソーサリーアクションで墓地のカード1枚回収しているだけでは今のモダンでは1ターン捨てていることに等しい。5マナでプレイできれば強力なタイミングもあるが、ロングレンジのゲームでトップで引いてプレイする時以外は2マナでプレイして墓地回収に留まることも多く感じた。

 また、土地周りのトラブルも大きく、ショックインのダメージが大きいこと、フェッチランドで持ってくる土地の選択によって裏目があったり、ケアできるようでケアできない展開が多かった。

 ボロスエネルギーの良さは他のデッキと比べて安定感があること。そこを捨ててデッキのスケールを強化するぐらいなら他のデッキを使った方が良さそうだな、と感じ、3リーグぐらい回して別のデッキを回すことに。

 エルドラージランプ

リストが良くなかった可能性もあるが…

 MOチャレンジの結果やリーグで対戦した時に強そうだなと感じたところから回してみることに。

 結果としては2リーグ目の途中でドロップ。デッキを弱いとは思わなかったが、ランプして重いところを叩きつけて勝つ、というデッキの方向性が最近の自分のプレイスタイルに合わないことを感じた。また、MO上でエルドラージランプが流行り始めていることもあり、青いデッキに当たるたび《記憶への放逐》を打たれすぎて、メタられる速度の速さも感じた。
 こういったデッキを満足に回せないことは今後どこかで壁になる可能性があるので、どこか時間がある時に触っておきたいな、とは思った。

 回したデッキは上の5つだが、研磨基地は世のリストからもトーナメントの結果からも対戦しても強そうなことは感じていた。しかし、とりあえず回してみるか、で回しても難しくて勝てず、選択肢から外してしまいそうな気がしたので、他のデッキを回して感触がよくなかったら研磨基地を使う選択を取って本気で練習しようと思うようになった。

 1週間ぐらい前までギリギリ研磨基地を使う選択も考えていたが、最終的に僕はボロスエネルギーを使うことに決めた。
 モダンの色んなデッキを回して感じたのは現環境でTier1〜2と呼ばれるデッキはどれも強力なことは間違いないということ。
 しかし各デッキごとに少しづつ弱点のようなものあると感じていた。

①組み合わせることにより強さを発揮するカードが多いデッキ
→ディミーア眼魔やリアニメイト系
②デッキが強いが故に他のデッキに過剰な対策カードをサイドに取られるようになっているデッキ→研磨基地
③ミラーの対戦が不毛そうなデッキ→エルドラージ系


 これらのデッキと比べるとボロスエネルギーに入っているカードは単体のカードパワーが高く、くっつきを必要とするカードが少ない。
 特定の条件化でしか真価を発揮しづらいカードが少なく、非常に安定した構成をしている。
 そして対戦相手側からしたら明確な対策となるサイドボードカードが少ない。
 基本的には除去を増やしたりすることでしか対応できないが、どれだけ除去で対応しようと最終的には《フレージ》が控えているのだ。

 ①軽くて強いカードが単体でゲームを組み立ててくれるため、他のデッキに比べて安定性が高い。
 ②エネルギーに対する明確なサイドカードがないため、サイド後も特段不利になるような展開が少ない。

 以上の2点が他のデッキより魅力的に見えた。

 もちろん元々回していたデッキということもあり、魅力的に見えるバイアスがかかっていたとは思うが、やりこめばやりこむほどエッジが出るデッキなのは以前の経験からわかっていたので、今回のモダンに対する苦手意識を払拭する挑戦にもちょうどいいデッキだと思った。
 研磨基地に対するプランがはっきりしなかったら研磨基地を使う可能性が高かったが、キープ基準、マリガン判断、サイドボードも納得がいった。
 そして何よりこのデッキを使うことが楽しかった。 
 モダンに対する苦手意識がある中でプレイしていることが楽しく思えるデッキは僕にとって貴重だった。
 簡単に勝つこともあればじっくりと戦って勝つこともあり、逆に負ける時はなぜ負けたか分かりやすいところも好きになった。
 使っていくうちにだんだんデッキが馴染んでくる感じが調整していて楽しかった。
 色々理由を上げたが、これが1番の決め手だったかもしれない。

 ボロスエネルギーに決めた後は大体毎日MOリーグを1リーグ分ぐらい回したり、ボロスエネルギーはもちろんgoldfishで色んなデッキリストをたくさん見たり、自分の感じたことをメモして誰も聞いていなくても石黒軍団にアウトプットしたりした。

独り言おじさん

 アウトプットをたくさんしたことはよかった。頭の中で組み立てていたことを文章にしてみると考えが整理される。整理された考えを見返してみると、この考えはこのままで良さそうだなと思うこともあれば、思ってたこととちょっとズレてるから修正が必要だなと感じることもある。
 文章にすることで考えを俯瞰的に見れるようになったことは大きい。今後もアウトプットを続けていこうと思った。


 その他実戦的な部分は名古屋の人が集まった調整会にちょろっと参加してせごうさんに研磨基地を回してもらって感触を確かめたり、MOを使って石黒さんとボロスミラーの練習したり、めいくんにちょろっとエルドラージ回してもらったりした。

最終的に使ったリスト

 実際にファイナルで使ったリストはこちら

まれボロ

メインボード
2《平地/ Plains》
1《山/ Mountain》
3 《栄光の闘技場/Arena of Glory》
3《優雅な談話室/ Elegant Parlor》
3 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
4 《干潟の湿地/Marsh Flats》
3 《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《オセロットの群れ/ Ocelot Pride》
4 《魂の導き手/Guide of Souls》
4 《ナカティルの最下層民、アジャニ/Ajani, Nacatl Pariah》
2 《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer》
4 《火の怒りのタイタン、フレージ/Phlage, Titan of Fire's Fury》
3 《歴戦の紅蓮術師/Seasoned Pyromancer》
4 《電気放出/Galvanic Discharge》
2 《スレイベンの魔除け/Thraben Charm》
1 《虹色の終焉/Prismatic Ending》
4 《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》
3《ゴブリンの砲撃/ Goblin Bombardment》
2 《静牢/Static Prison》

サイドボード
1 《スレイベンの魔除け/Thraben Charm》
2 《摩耗//損耗/Wear // Tear》
3 《石のような静寂/Stony Silence》
1 《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
1 《耳の痛い静寂/Deafening Silence》
3 《黒曜石の焦がし口/Obsidian Charmaw》
1 《スカルドの決戦/Showdown of the Skalds》
1《虹色の終焉/ Prismatic Ending》
1 《外科的摘出/Surgical Extraction》
1 《稲妻/Lightning Bolt》

 このnote内でデッキについても解説するつもりだったが、他の書いていることと合わせるとかなりのボリュームになりそうだったので、デッキの解説については別のnoteで投稿予定。いつもだとここで終わってしまい、次の投稿は大分先になってしまったりするが、今回は頑張って投稿しようと思っている。興味のある人は気長に待っていてほしい。(信用はないと思うが)

 自分の中では納得のいくリストが組めたと思っている。

ここからは千葉での日記を投稿していく。

2/7 CCF Day0

 ファイナルの開始時間は朝10時。
 愛知県から千葉県に移動するには4時間ほどかかる。

 流石に朝移動は厳しいため、金曜日は仕事を午後休にして早めに千葉へ行く予定だったが、ちょっと残って仕事をしたり、家に帰って準備をしていたりしたら千葉に着いたのは20時過ぎ。

 千葉駅に着く頃には移動の疲れが大きく感じられた。ホテルに行く前に晴れる屋千葉に寄ると、ラスチャン予選に出場していためいくんがtop8を決めていた。これは流石に絶対大丈夫ですね、と晴れる屋にいたあの人さんとホテルに向かった。(誤解があるといけないので同じホテルを別部屋でとってただけです)

 ホテルに着いた後、元々目をつけていた二郎系ラーメン屋、BooBoo太郎へ。運良くあまり並ぶこともなく、美味しく食べることができた。

超うまかった。

 ラーメンを食べたその足で晴れる屋千葉まで向かい、ラスチャンの決勝を戦っているめいくんを見に行くとちょうど負ける瞬間を目撃してしまう。残念だった。

 その後は同じホテルのせごうさんが千葉駅に21時45分に着くと言ったので迎えに。しかしせごうさんが電車を間違えて遥か彼方へ。とりあえずホテルに戻ってゴロゴロしてたらせごうさんがホテルに到着。その後、僕の部屋で最後に23時過ぎまでボロエネvs研磨基地プレイして解散。
 すぐベットに入るもファイナルに対するワクワク感と緊張感でなかなか寝付けず。いつもこんな感じだなぁと思いながら眠りに落ちたのであった。

2/8 CCF Day1

 目が覚めると5時過ぎ。部屋の寒さと緊張とワクワクで目が覚めた。全然寝れなかったが、不思議と目は冴えていた。そして自分が少し緊張していることを感じていた。ちょっとの時間を布団の中で過ごした後、6時頃からホテルを出て近くのジムへ。

 最近遠征の時、自分の通っているジムが近くにあるホテルを取るようにしている。1日置きにジムへ通っているルーティーンを崩したくないことと、普段からやっていることをやることで特別なイベントに対する緊張感をほぐすことを目的にしている。

 昔から僕はかけた時間や想いが大きければ大きいほど緊張をしてしまう嫌な癖があり、それに対する対策をずっと考えていたが、トーナメントの朝にジムへ行って筋トレを行うことで体に負荷をかけると頭が真っ白になって緊張がほぐれることに気づいた。鍛えることに集中することで緊張を忘れることができる。これは前回のCCFの時に気付いたことで、今後も続けようと思っている取り組みだ。

 1時間ほどジムでトレーニングをしてホテルに戻り、シャワーを浴びてせごうさんと会場へ。
 会場に来るといつもワクワクする。今回はどこまで行けるのか。
 純粋に楽しみな気持ちと上手くいくか不安な気持ちがせめぎ合っていた。  緊張と高揚感を抱えながらDay1へ。

結果は…

 6-2で初日抜け!
 2敗をしてしまったのは残念だが、まだプロツアーの権利もTOP8も手の届く範囲状態で2日目に進むことになった。
 
 ⭐︎初日の思い出

 トーナメントが始まる前のプレイヤーミーティング中にデッキの枚数を数えたら59枚しかなく、デッキの内容を確認すると《溢れかえる岸辺》が2枚しかないことに気づく。昨日入れたはずなのに!と思いながら、ミーティングが終わった瞬間ダッシュで販売ブースへ向かうとフィーチャーに呼ばれるアナウンスが。

初戦から前回王者jgさんと対戦

【MTG】Round1 Ogasawara Tomoaki VS Okamura Marei【チャンピオンズカップファイナル シーズン3 ラウンド2・モダン】

 カードを買って急いでフィーチャー席へ。動画を見ていただければわかると思うが、知らない間にカードを机の下に落としてしまっており、ジャッジの裁定待ちの時間がある。フィーチャーで迷惑かけてしまって大変申し訳なかった。せっかく呼んでもらったのに…皆さんもバタバタした時こそ落ち着くようにしましょう。(なお2日目もサイドボードを戻し忘れたりした)
 
 自分の中で印象的だったのはR8のジェスカイコンとのマッチアップ。vsコントロールは僕の好きなマッチなのでプレイしていてとても楽しかった。
 ライフもお互いギリギリになったり、トップ勝負になったり、セットランドゴーの時間が続いたり、僕の好きな「マジック」をしている感覚が強かった。
 3ゲーム目に《敏捷なこそ泥、ラガバン》で取った《知りたがりの学徒、タミヨウ》を《鏡割りの寓話》2章のルーティングで2枚引き、変身させて相手の場に戻すというとんでもないミスをしてしまい、崩れ落ちてしまったが、それでも振り返ると楽しいマッチだった。
 勝っても負けても楽しかったと言えるゲームをできることがなによりも嬉しかった。

 初日が終わった後は疲労もあり、すぐ帰ることも考えたが、せっかくの機会なのでご飯に行くことに。 

 愛知の東海あの人さん、せごうさん、ゾーンさんと関西のじーのさん、ホリさんと中華へ。ご飯を食べながら、CCF初日でみんながやらかした話をしたり、ガンダムウォーのやばさをじーのさんから聞いたりして楽しかった。自分がミスって負けた話を人にすると少し気持ちが軽くなって助かるなぁと思った。皆さんありがとうございました。(ホリさん準優勝&ワールドとプロツアーの権利おめでとうございます!)

 ご飯を食べた後はホテルへ帰宅。疲労と前日の睡眠不足もあり、一瞬で眠りについてしまった。

2/9 CCF Day2

 前日は中々眠れなかったが、よく寝れた気がする。でも起き抜けから疲労が抜け切ってない感覚が。それよりもDay2への挑戦に対するワクワクが勝っていた。
 ファイナルに向けての調整を始めたところから気がつけばDay2で、今日が終わったら終わり。始まる前は長く感じるけど始まってしまえば一瞬だなぁと思いながら会場に向かう。

 開幕から3勝することができればTOP8、プロツアーの権利が確定、2勝でも最後IDできればプロツアーの権利が獲得できそうなスタンディング。やれることはやろう。勝てたらいいなの精神で臨む。

 結果は…

 一勝届かず。20位で$800と《ティシャーナの潮縛り》を獲得することはできたものの、自分の目標としていたプロツアーの権利には届くことができなかった。
 勝てたらいいな、の気持ちでやっていたのは間違いないが、あと一勝でプロツアーの権利だったことを考えるとやっぱり悔しい。そんな気持ちで終えたファイナルだった。

終わりに

 このnoteを書いている間にもあと一つ勝てばを逃してプロツアーの権利を取れなかったことがボディブローのように効いてきている。権利を取れなかったことは本当に残念だが、よかったこともある。

 モダンへの苦手意識の払拭には成功したと思う。ファイナルに向けて調整を重ねる内にモダンをプレイすることは段々楽しくなっていったし、最終的には自分なりの理論で納得のいくデッキ選択や構築もできたと思う。

 なぜ昔はモダンで上手くいかなかったのか。今回本気でモダンに向き合うことで気付いたことは結局のところ「大した本気でやっていなかった」ということだったと思う。

 モダンは嫌いだから、苦手だから、勝てなくてもしょうがない。そんな言い訳をして向き合うことから逃げていたのだ。

 昔、モダンが苦手だという話をした時にめいくんに「特定のフォーマットが苦手というのがよくわからない」と言われたことがある。その時は苦手なものは苦手なんだからしょうがないだろ、と思ったが、今は少し考えが変わった。

 何か苦手なことがあるならば、きっとそれはそのままにしているから苦手なままなのだ。僕がモダンを苦手に思っていたのは勝てないことに向き合うことが嫌だったからだ。

 苦手なものに向き合うことは本当に苦しい。嫌な気持ちになる。だが、向き合い続け、ちゃんと正しい方向に向かっていけば乗り越えることができるはずだ。どんなことでも本気で向き合えばやってやれないことはない。
 
今回モダンに向き合ったことでマジックに対する取り組み方がまた1段階変わったような気がする。そんな風に思えたトーナメントだった。

 これからも僕は競技的にマジックを続けていく。きっとまた壁に当たることもある。でも乗り越えるために向き合い続ける。これから先もこのゲームで勝ちたい気持ちだけはきっと変わらない。

 次は現行の制度で最後のファイナル。年末にプレミアム予選を抜けることができたので、出場できることは決まっている。制度が変わったらプロツアーの権利を得ることは今より少し難しくなるだろう。
 最後ではないが、大きいチャンスはあと一回。
ここでプロツアーの権利を掴むべく、今後はスタンダードに自分のできる全力で取り組んでいくつもりだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回のnoteでお会いしましょう。


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