【誰が勇者を殺したか】 - 勇者をつむぐ物語 -
魔王を倒した勇者一行。
王都に帰還したのは仲間の3人だけだった。
高潔の剣聖
性悪の聖女
偉才の賢者
なぜ勇者は死んだのか。その質問に答えるときの3人は歯切れがわるい。
様々な疑惑はあるけれど、誰もウソをいってないようだ。それなのに真実がみえてこない。
◇◇◇
才能に恵まれた剣聖、聖女、賢者をまとめる勇者は、なんの才能もなく、ただ努力をするだけの普通の人でした。
その努力が異常だったのです。
休むこともなく、体力の限界まで動いて気絶するように眠る。毎日そこまで自分を追いこめるのはどうしてなんだろう。
勇者と深く関わった人たちの記憶を丁寧に紡いでいく。その中である疑念が生まれる。
「勇者は本当に死んだのか」
◇◇
ファンタジー × ミステリ となっているけれど、ミステリ要素は弱めとなっています。
よくある話、よくある設定、よくある展開。昔むかし、読んだことのあるような物語なのですが、丁寧に構成された優しい物語となっています。
本を閉じるとき、幸せな気持ちで微笑んでいるでしょう。
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KADOKAWA:2023.9.29
文庫本:264ページ