Marcy's movie garage 人間ジェームズ・ボンドの新たな側面 『007 NO TIME TO DIE』
お久しぶりです。ゆとり世代の映画レビュー、ムビガレです。
久しぶりに、映画館まで映画を観に行きました。ずっと前から気になってた『007 NO TIME TO DIE』です。
コロナ禍などにより延期を余儀なくされたこの作品ですが、なんとか公開されました。
6代目ジェームズボンドのダニエルクレイグの最後の作品ということで期待度はクレイグのボンドの中でも過去最高のものだったと思います。
今回ばかりはネタバレなしで、観た感想だけ淡々と述べ(るつもりでいき)ます。
鑑賞後、感じたのは
・古参であればあるほど今回の映画に苦言を言いたくなるだろうということ
・007はダニエル・クレイグ主演で流れが変わっていたということ
・ダニエル・クレイグの007として観るとよく出来た作品だということ
です。
早い話が、ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは今までの5人とは若干パーソナリティーが異なり、作風も少し変わったボンドを作り上げてしまったということです。ショーン・コネリーのボンドから観ている方にとってはそれが耐え難いものなのではないのでしょうか。
起用されてすぐ、ダニエルクレイグは金髪で碧眼と言うことで否定的な意見が多く出てしまっておりました。そうした見た目問題を乗り越えて、彼は新たなボンドのパーソナリティを与えました。
6代目ジェームズ・ボンドは今までで1番男臭い感じがなく、その分人間臭さをどこまでも出してきているように感じます。派手なアクションは残しつつ、人間ジェームズ・ボンドとして葛藤する姿がダニエル・クレイグの演じた全作品を通して描かれ、そこに今までの作品には感じ取れなかったものを垣間見ました。
抽象的表現になりますが、僕はそれを「しっとり」という言葉で表してみました。
敵を容赦なく殺し、愛した女が死んでもなお任務を遂行する。そして敵味方問わず女を抱く。そうした比較的ドライな007ではありません。ダニエル・クレイグの007は愛や憎悪に苛まれつつ、葛藤し続けておりました。
見た目から今までの5名と違う、と言われ続けたダニエル・クレイグ。彼は15年間の5作品で中身も違うジェームズ・ボンドを作り上げ、完成させました。
その集大成が今回のNO TIME TO DIEだったように思います。