Marcy's movie garage 俺最強伝説『イエスタデイ』

どうもどうも。
ゆとり世代の映画レビュー、ムビガレでございます。

今回は音楽系の映画をレビューします。
面白いテーマながら、そこまで話題とはならなかった『イエスタデイ』という映画。
いつもながらネタバレありなので、ご注意を。

端的に言えば、ビートルズが存在しない世界線に入ってしまった学校の先生が、自分だけが知ってるビートルズの曲を自分の曲として売り出しプロのミュージシャンとなる。という俺最強という話。
日本にも似たような話でかわぐちかいじ原作の『僕はビートルズ』という物語があるが、あちらはタイムスリップものでこちらはパラレルワールドもの。大筋は同じでもテイストが異なっている。

この話のほとんどは「俺TUEEEE」で成り立っていると言っても過言ではないのだが、その中に夢や欲望と人間関係の噛み合わなさがつらつら描かれていたり、自分の理想のために素の自分を殺さなければならない描写があり、そこが多少生々しかった。

結局は「俺TUEEEE」で終わらない結末になるのだが、個人的にはまあ、妥当な結末だよな、、と納得した。
この結末に落ち着けたのはリリージェームス演じる主人公の幼なじみとパラレルワールドの中にいたビートルズを知っている2人の存在のおかげだと思った。これがもし主人公が有名なミュージシャンになって大成功するという話だったら大顰蹙を買っていたと思うし、僕も酷評していたと思う。
それだけビートルズが影響力を持っているということだし、実際のところ主人公は最強でもなんでも無い。

とはいえ、これが自分だったらと思う。自分も同じようなことをしていただろう。この映画の世界では、ビートルズだけでなくコカコーラ、オアシス、ハリーポッターが存在しない。
この世界に居たら自分はドントルックバックインアンガーを自分のものにしていただろう。
万が一そうしたとしても、オアシスほどは売れるわけがないだろうし、上手くいって英語の歌を歌う日本の路上シンガー止まりだろうが、自分の中の下心があらぬ妄想をかきたてた。