Marcy's movie garage 『仮面病棟』とストーリー展開
ゆとり世代の映画レビュー、毎度お馴染みムビガレでございます。
久しぶりの更新となる今回は知念実希人先生原作の『仮面病棟』について。
今回からはなるべくネタバレしないようにしますので、気になる方も読んでいってください、、
週一度の当直を引き受けた若き外科医が、病院職員、入院患者とともに、ピエロの装いをしたコンビニ強盗の立てこもりに巻き込まれる。さらにピエロが発砲した女性の治療を頼まれる。果たしてこの立てこもりピエロの正体とねらいとは…?
サクッとあらすじを書くならこのようなもの。主人公が新しい環境で不条理な事態に巻き込まれる、というオーソドックス的展開。
この話は医師として勤務経験のある知念先生だからこそ書けた話だと思う。それなのに知識のひけらかしが全くない。観ていて嫌な感じは全くないし、ストーリー展開も上手く作り込まれている。
キャスティングもアイドルに頼りきりのものではなかった。脇役に江口のりこ、高嶋政伸といったクセ感否めない(これは褒め言葉のつもり)俳優を起用したのは好感が持てる。
ただ、
映画化よりも、ドラマでやってほしかった作品だと強く感じた。
2時間程度に収めるが故、スパスパと展開が進んだ印象があった。
正直なところ、フジテレビの「オトナの土ドラ枠(土曜深夜23時40分)」あたりで少しストーリーを引き伸ばして6〜7回程度に分けて映像化してほしいところだった。
大抵のミステリ小説は、ゆっくり読ませることに着目して作られている。そのために、その中に潜む細部(ミステリ小説の場合はこれがヒントになることが非常に多い!)や情景の描写をわかりやすく活字にする必要がある。
それらを実写化する際はそういった読むスピードと観るスピードの差を意識しなければならないのでは、と一視聴者ながら思った。読む速さは人それぞれだが、観る速さは一定だ(最近倍速で映画を観る輩が多いとはいえども)。
もちろんそれは難しいことなのでさっき僕が述べたように、少し引き伸ばしたり、数回に分けたりすると物語の奥深さが演出できるのだと思う。
フジテレビさん、知念先生。オトナの土ドラ枠での仮面病棟、僕は観てみたいです…!