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シリーズ『食事摂取基準』#45(個人と集団)

集団で使う指標

個人に対して、集団の使い方は次のようにまとめられています。

引用 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

もちろん「目的」は同じですが、最も注目すべきは「栄養素の不足の評価に推奨量を使わない」という点です。(指標欄にない)

m.これは、集団では分布や割合で考えるため。例えば、推定平均必要量8mg・推奨量10mgの栄養素があったとして、摂取量が8.1~9.9mgの人を全員「不足」と判断すると、あまりに多くの人を不足にしてしまう。(その人たちは推定平均必要量を超えているのだから、足りている人もいるはずなのに。)なので、集団の不足を判断するときに、推奨量は使えない。

推奨量は、推定平均必要量から換算係数を用いて算出される指標であり、ほとんどの人(97~98%の確率)で足りている値でした。この「足りている確率」イコール「じゃあ下回っているから不足だね」ではない、という理解が、整理すべきポイントです(^^

関連する問題

32回155番 
日本人の食事摂取基準に基づいた集団の食事改善計画に関する記述である。
(3)栄養素の摂取不足を防ぐために、推奨量(RDA)を下回って摂取している者の割合をできるだけ少なくするよう改善する。
答え × 集団で推奨量は使わない

31回154番 
地域住民(成人)の栄養アセスメントに、食事摂取基準を活用する方法である。
(3)栄養素摂取量の不足の評価には、推奨量を下回る者の割合を求める。
答え × 集団で推奨量は使わない

28回164番 
集団における食事摂取量データを日本人の食事摂取基準を用いて評価した。評価の目的と指標の組合せである。
(3)栄養素の摂取不足の評価 --- 推奨量(RDA)を下回る者の割合
答え × 集団で推奨量は使わない

25回160番
集団における栄養素等摂取量の評価に関する記述である。
(2) 「日本人の食事摂取基準」による栄養素摂取量の評価には、推奨量を用いる。
答え × 集団で推奨量は使わない

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

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