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【今週の1問】より「作る人」に近い選択肢を考える問題(38回157番/給食)

給食業務を外部委託している保育所が自ら実施すべき業務である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)栄養基準を作成すること。
(2)調理従事者に対して、定期的に検便を実施すること。
(3)毎回、検食を実施すること。
(4)喫食状況を把握すること。
(5)嗜好調査を実施すること。

答え 2
「調理従事者に対して、定期的に検便を実施すること」は、受託側が実施する。

保育所における給食の調理業務は、旧厚生省が平成10年に発表した「保育所における調理業務の委託について」に書かれています。(これがルールブックです。)

この中に、「施設の行う業務について」「受託業者について」の項目があり、カンタンに言うと、ここに書いてあることの把握が、今回の問題の質問内容です。

施設の行う業務について
施設は次に掲げる業務を自ら実施すること。
ア 受託事業者に対して、一の基本的な考え方の趣旨を踏まえ、保育所における給食の重要性を認識させること。
イ 入所児童の栄養基準及び献立の作成基準を受託業者に明示するとともに、献立表が当該基準どおり作成されているか事前に確認すること。
ウ 献立表に示された食事内容の調理等について、必要な事項を現場作業責任者に指示を与えること。
エ 毎回、検食を行うこと。
オ 受託業者が実施した給食業務従事者の健康診断及び検便の実施状況並びに結果を確認すること。
カ 調理業務の衛生的取扱い、購入材料その他契約の履行状況を確認すること。
キ 随時児童の嗜好調査の実施及び喫食状況の把握を行うとともに、栄養基準を満たしていることを確認すること。
ク 適正な発育や健康の保持増進の観点から、入所児童及び保護者に対する栄養指導を積極的に進めるよう努めること。

受託業者について
受託業者は次に掲げる事項のすべてを満たすものであること。
ア 保育所における給食の趣旨を十分認識し、適正な給食材料を使用するとともに所要の栄養量が確保される調理を行うものであること。
イ 調理業務の運営実績や組織形態からみて、当該受託業務を継続的かつ安定的に遂行できる能力を有すると認められるものであること。
ウ 受託業務に関し、専門的な立場から必要な指導を行う栄養士が確保されているものであること。
エ 調理業務に従事する者の大半は、当該業務について相当の経験を有するものであること。
オ 調理業務従事者に対して、定期的に、衛生面及び技術面の教育又は訓練を実施するものであること。
カ 調理業務従事者に対して、定期的に、健康診断及び検便を実施するものであること。
キ 不当廉売行為等健全な商習慣に違反する行為を行わないものであること。

保育所における調理業務の委託について
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta9220&dataType=1&pageNo=1

知っているかどうかという内容ではありますが、考え方のコツとしては、選択肢の中で「より具体的に作る作業に近いものを見つける」がポイントです。

今回の場面設定は、保育所があり、給食を外部委託している、実際には給食会社(受託側)が作っている、という内容。また、登場する人物をあげると、喫食者(児童)、保育所の栄養士、給食会社の栄養士、給食会社の調理従事者です。

これらを踏まえて、選択肢を分類していくと、次のようになります。

喫食者(児童)に近いこと
(4)喫食状況を把握すること。
(5)嗜好調査を実施すること。
(よって保育所栄養士の担当)

喫食者(児童)に提供する給食自体に関すること
(1)栄養基準を作成すること。
(3)毎回、検食を実施すること。
(よって保育所栄養士の担当)

給食を作る人に関すること
(2)調理従事者に対して、定期的に検便を実施すること。
(よって給食会社の担当)

喫食者(児童)に近い内容や、給食の根本に関わる部分は、業務を委託する側(保育所)の担当。給食を実際に作る場面における衛生や技術は、受託する側(給食会社)の担当。この方向性を軸に分類すると、判断しやすくなります。

とくに「嗜好調査」や「喫食状況」は、給食自体のフィードバックなので、一見給食会社の担当かと思いますが、「実際に作る作業からは遠い仕事だな」と思えればグッドです!

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

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