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地球一周の船旅を終えて、横浜から大阪までヒッチハイク〜前編〜

2006年10月、100日間をかけたPEACE BOAT地球一周の船旅を終え、無事横浜港に還って来ました。

船内で苦楽を共にした仲間とは、三ヶ月前までは他人だったと思えないほどの深い絆が出来上がりました。

まだ旅の感覚が抜けないまま、その夜は同士達と飲みに行きました。

この時はお金もなく、泊まるところも決まっていなくても、言葉が通じるだけでどこか安心できました。

結局飲んだ後はネットカフェで一睡し、翌朝目覚めて外へ出ると、これから出勤であろうサラリーマンの群れに出会いました。

そういえば、海外でこんな通勤の風景は見なかったなと思い、何だか異様に感じたのを覚えています。

その後、横浜ピースボートセンターに顔を出し、それぞれ解散することになったのですが、私は関西方面のピースボート仲間とも会いたくて大阪を目指すことにしました。

沖縄までの帰りの交通費等も考えるとなるべく節約したかったので、ヒッチハイクで横浜〜大阪まで行こうと思い、情報収集を始めました。

友人から得た情報に寄ると、用賀駅付近に高速道路に上がるインターチェンジがあり、その手前にマックがあると。

そのマックでドライブスルーをする車は大抵高速に乗るから、そこでヒッチハイクをし、まずは高速に乗る。

そして、海老名サービスエリアまで行ければそこには長距離トラックがわんさかいるので、そこで関西ナンバーのトラックを捕まえれば大阪方面まで行きやすいとの事でした。

その情報を頼りに、私は用賀駅に行きマックまではすんなりとたどり着くことができました。

ヒッチハイクは初めてでしたが、地球一周を終えて色々旅をしてきた私にとって、そこまでハードルの高い事だとは思っていませんでした。

しかしいざ声をかけ始めると、次々と断られてしまいました。

ある車は「狭いから…」

またある車は「汚いから…」

と事あるごとに理由をつけて断られました。

案外乗せてくれないものなんだなと思い、声をかけること3時間、やっと一台の車が了承してくれました。

その車は社用車で、おそらく仕事中だろうと思われる30代くらいの男性が乗っていました。

初めは驚いていましたが、二つ返事で了承してくれ、

「どこまでいきたいの?」

「目的地は大阪方面なんですが…」

「さすがにそこまでは行かないな〜笑」

「でしたら海老名サービスエリアまではどうですか?」

「海老名だったら通るよ!じゃ乗りな。」

てな具合で乗せていただきました。


「でもさ、何でこんな事やってるの?」

ストレートに疑問をぶつけられ、私はPEACE BOATというクルーズに参加し、昨日日本に着いたという状況をありのまま伝えました。

すると、

「すごいね!面白そう!何か土産話聞かせてよ〜」

と、予想以上に興味を持ってくれました。

私は、海外での印象的だった出来事を2〜3コ話したところであっという間に海老名サービスエリアに着いてしまいました。

時間にすると1時間弱といったところでしょうか。

私はお礼を言い車を降りると、その方も運転席から降りて千円札を差し出して来ました。

「面白い話聞かせてもらったから、これでご飯でも食べてよ。」

「いやいや!もらえませんよ!乗せてもらった上にさらにお金なんて!」

「いいからいいから。本当良い話聞けて刺激もらえたからさ。」

そう言うと私に千円札を握らせ去って行きました。

私は感謝しながらそれを受け取り、日本も優しさで溢れているな〜と実感しながら次のヒッチハイクに向かうのでした。


ご拝読ありがとうございました!

次回は海老名サービスエリアから関西方面までヒッチハイクした話をnoteしたいと思います!




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