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うさぎはどこにいる

誰かは同じ輝きを見上げる人を遠く想い
誰かはその輝きを口実に想いをほのめかし
 
でも僕は
 
「月ってさ、近くで見たら水も空気もなくて
でこぼこで干からびててさ」と切り出して
 
「それにお日さまや誰かの力を借りなくちゃ
自分で光ることも出来なくてさ」と重ねて
 
更にそのまま続けようとしたら
きっと嫌われてしまって
 
本当に伝えたい気持ちはずっと
届かないんだろうなぁと
 
そんな事を上から見下ろすだけのでこぼこで
干からびたあいつに見透かされた気がして
 
「お前なんか比べ物にならないんだよ!」と
 
僕は鼻息も荒くひとりでイライラしながら
淡い光が照らす街を遠く眺めるだけだった


(肌寒くなってきた秋の宵に)


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