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マーチングスクールのアイデアがカタチになりました!【 ひものFIRE】=オンラインひものナイト= イベントレポート(前編)

2020年10月に “ 鳥取駅前中心市街地の「新しい暮らし」と「新しい働き方」を実現すること “ を目的として設立されたMARCHING bldg.(マーチングビル)。その活動の一環として、鳥取の若手社会人が学んだり、新たな活動のスタートを支援する「オンラインプログラム」を8月に開講しました!

今回は「 ひものFIRE=オンラインひものナイト=」と題して、境港市の大海株式会社で干物の営業マンとして活躍しておられる「ひものお兄さん」こと横山勇一さんをお呼びし、全国各地とリモートで繋がりながら、美味しい干物を堪能するイベントを行いました!

教えて!ひものお兄さん!

本日のイベント会場は、マーチングビルの屋上。
ねじりはちまき姿の横山さんがコンロの前に座って火を焚く中、県内外の干物ファンたちが、オンラインスペースにぞくぞくと集まってきました。

中川:今日は「オンラインひものナイト」ということで、境港市の「大海株式会社」で干物の営業を行っておられる横山さんが、「ひものお兄さん」として焼き方を指南してくださいます。

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横山:どうも、ひものお兄さんです。今から焼く商品の説明ですが、今日はハタハタを持ってきました。これは自社で作っている製品で、凍った状態の物なんですけど、干物って、実は解凍しなくてもそのまま焼けるんですよ。今日は、僕が一番気に入っているIWATANIさんのカセットコンロ「炉ばた焼器 炙りや」を使います。家で焼く時は、フライパンに魚焼きシートを敷いて、中火で15分ぐらいを目安に、両面を焼くのがおすすめです。焼き加減は好みなので、生にならない程度で焼いてもらったら良いかな、と思います。

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横山:今日は野外で、普段とは違う条件なんですよね。風が強いので、今は最大火力で焼いているんですが、普通だったら中火で片面5分ずつぐらい焼いてもらえれば大丈夫です。ホットプレートの場合でも、フライパンと全く一緒です。魚焼きシートやクッキングシートを敷いてもらって、中火で焼いてもらえたらオッケーです。ちなみに今、魚の身を押しながら焼いているんですけど、少し押すと焼き目がつくんで、そこは上手に調整してもられば良いかな、と思います。

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(ありえないぐらいの力で押さなければ、ギューッと押しても大丈夫)


中川:鳥取のハタハタにはどういった特徴があるんですか?

横山:ハタハタは、9月から始まる底引きで獲れる魚なんですけど、一般的には秋田のものが有名です。秋田のハタハタは、主に卵を持っている個体を漁獲して食べるんですが、鳥取のハタハタとは違って、めちゃくちゃサイズが大きいんですよ。秋田の方では、その卵を「ブリコ」と呼んでいて、しょっつる鍋に入れたりだとか、塩焼きにもするそうです。

横山:それに対して、鳥取のハタハタは産卵に参加しない個体なんです。秋田のハタハタと鳥取のハタハタでは、まず産卵場所が違うので、同じように漁獲するんですけど、卵を持っている個体とそうじゃない個体で全然違うんですよ。でも卵を持っていない分、鳥取のハタハタは身に脂が多いので、干物にした時に美味しいと思います。

中川:なるほど。確かに、鳥取に来てからハタハタの脂が多いことにびっくりしました。今回は大体、ハタハタの入ったセットを買っていただいていると思うので、焼いてもらったらわかるかな、と思います。

横山:だいぶ焼けてきましたね。箸の先で身を押すと、脂がギュッと出てくるんですけど、これが「旨味」です。これくらい焼けたら、あとは好みですね。今、両面で10分かかっていないと思うんですけど、焦げ目をしっかりつけたければ、もうちょっと強い火で焼いて仕上げていけばいいし、そんなに焦げ目が重要じゃなければ、もう食べられるかな、という感じですね。

中川:今回お試しセットを送っている場合、ハタハタ以外の干物も入っていたかと思うんですけど、他の魚を焼く時の特徴というのは、何かあるんでしょうか。

横山:そうですね。カレイにしてもアジにしても、大体同じような感じです。干物を焼く時間の目安が15分ぐらいなんですけど、実際に焼いてみて、「まだ足りないな」と思えばちょっと焼いて、逆に「もうだいぶ焼けてる」って思えば、15分まで切り上げてもらって……という感じです。ハタハタは体が細長いので、他の干物に比べて焼き上がるのが早いかもしれないです。……はい、できあがりました!

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(お話をしているうちに、ハタハタが1匹焼けました。)

中川:おお、すごい!ちなみにアジって、開いた側……背中っていうんですかね。あれは、どっちの面から焼きはじめるんですか?

横山:あれも好みなんですけど、僕は背中から焼いています。調理器具によるというか、グリルを使う時なんか、また変わってきたりするんですけど。フライパンやコンロで焼く時は、皮の方から焼いて、完全に焦げさせるんじゃなくて、ある程度火を通す感じでひっくり返します。お腹側の方を焼いたらもう一回ひっくり返して、皮面をパリッとさせるようにすると、大体美味しい感じになります。

中川:なるほど。それがグリルの場合だと、焼き方はどういうふうに変わるんでしょうか。

横山:グリルは、上からも下からも火があたるので、個人的には皮を下にして焼くのがおすすめです。どの調理器具でも、とりあえず先に皮の方を焼いてしまえば問題ないかな、と思います。

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(慣れた手つきでどんどん干物を焼いていく横山さん)

イワシが道路を泳ぐ!?

中川:横山さんは、鳥取市にお生まれで、高校までは鳥取で過ごされていたんですよね。

横山:はい。その後は、広島の方で魚の勉強をする大学に通っていました。魚しか考えていなかったので、大学院まで行って、魚の生態学をやっていたんですけど、どうしても魚に関わりたいっていうことで、土木の会社の環境調査部門で働きはじめました。

中川:なるほど。実際に、生物に触れる調査をするようなお仕事もされていた、ということですが、そこから何故、干物に行ったんですか?

横山:最初は、もっと幅広く鳥取県内の食材を扱っている会社に入社したんですけど、やっぱり「魚がいいな」と思って。知らないうちに、境港の方に足が向いてしまっていて、そんな時、取引先の方から「そんなに魚が好きならうちに来いよ」と言っていただいたんです。それで、今の仕事をするようになりました。

大海の干物、美味しさの秘密はここにあります!
(引用元:大海株式会社・加工食品)

中川:境港の干物の良い所や特徴というのは、具体的にどんなところがありますか?

横山:僕は生まれが鳥取市で、昔から東部の干物はよく食べていましたが、境港の干物は鮮度があきらかに違いますね。干物の原料になる魚の鮮度が抜群なんです。

中川:境港は元々、水揚げ量が多いですもんね。

横山:はい、全然規模感が違います。ハタハタなんて、一度境港で水揚げしたものを東部の方に持っていくんですよ。

中川:そうなんですね。全国の「主要漁港水揚げランキング」でも、境港は毎年ベストテンに入っていますよね。

横山:年々、順位は下がっていってるんですが、今でもイワシが大量に水揚げされた日なんかは、道路にたくさんイワシが落ちていますよ。漁師さんが詰め込みすぎるから、トラックからあふれちゃって、イワシが道路を泳ぐんです。

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(画像引用:大海株式会社

中川:すごい。境港は何度か行っていますけど、イワシが道路を泳いでいる日に遭遇したことはないですね。ちなみに、今日焼いてくださっているハタハタにも、やっぱり「旬」ってあるんですか?

横山:そうですね。ハタハタは「水揚げされる時期が旬」という感じです。漁獲するシーズンが限られている、ということもありますが、鳥取のハタハタはポテンシャルが高いので、年中脂がのってるイメージです。なので、厳密に言うと、ハタハタの場合は「旬」っていうのは難しいかもしれないですね。「いつでもうまい!」という感じなので。

中川:横山さんの会社は漁港のすぐ近くにあるので、獲れたての魚を大量に加工されているそうです。鮮度を落とさないよう、急速冷凍して保存するので「年間を通じて鳥取の干物を定期的に楽しめる」という環境をつくっておられるんですよね。

横山:はい。どの魚も、一番美味しい時期にガーッと仕入れて、ガーッと作るんですよ。うちの会社は規模が大きい方なんで、アジなんかでも年中手に入るよう、スケジュールを組んでやっています。だから、いつでも欲しい時に、美味しい時期の良いものが手に入るんです。

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(画像引用:大海株式会社

石見:ハタハタの干物は初めて食べましたが、美味しいですね。頭から全部食べました。

横山:ありがとうございます。

中川:東京で一度、エビとカニを食べる夜、という企画で「エビカニナイト」というイベントを行ったんですが、鳥取のカニを大量に持っていくのは難しかったので、ハタハタとかも用意したんです。そうしたらハタハタの方がリアクションが良くて、「これはどこで買えるんですか」みたいなこともたくさん聞かれました。

横山:ハタハタは「大海食品ネットショップ」で買えますよ!

西宮:ハタハタもアジも焼けました!美味しく頂いてます!!

横山:ありがとうございます!

木谷:こちらでも干物が焼けて、すでに一匹食べちゃいました。ハタハタとアジ、美味しかったです。塩味がよかったです。

横山:ああ、それ一番うれしいですね。もう一個送っちゃおうかな!

中川:リモート組も、続々と焼いて食べておられる感じですね。

横山:いや、これめっちゃ面白いですね。

中川:チャットでみんなが報告してくれるのが楽しいですよね。

横山:本当に最高ですね。報告してくれた人、みんな1個ずつ送っちゃおうかな、みたいな。

石見:カレイ食べてます。確かに、塩味がちょうどよくて、フレッシュな気がしますね。鮮度がいいのかな、と思いながらいただいています。東京ではカレイの干物もあまり見かけない気がします。

中川:ハタハタもそうですけど、鳥取県民は結構カレイを食べますよね。

横山:そうですね。鳥取の東部はハタハタやエテガレイ、アカガレイというような、沖合の水深が深いエリアで獲れる魚の率が高いんですけど、境港はアジ、サバ、イワシなどの、水深があまり深くない「中層域」の魚が多いです。

中川:それは、漁港が違うためでしょうか。

横山:漁港というか、獲る「棚」っていうんですけど、魚の住むポイントの深さが違うんです。ハタハタは海底の方にいるので、もはや深海魚なんですよ。

中川:なるほど。鳥取はカニを獲る関係で、底の方の魚も一緒に獲ってくる、という流れもありますよね。

横山:はい。ハタハタ、ノドグロ、エテガレイなんかは、みんな同じ時期の底引きなんですけど、ズワイガニ漁が解禁になる11月初旬のあたりは「魚を獲ってる場合じゃない」というので、まったく獲らなくなるんです。9月は底引きが始まったばかりの時期なので、いま作っている商品はめちゃめちゃフレッシュでとても美味しいですよ。

中川:なるほど。獲ってすぐの魚も干物にしているから、よりフレッシュなんですね。

(続きは以下へどうぞ)


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