24. ショウづくり|"チェンジ" は何を優先する?
Moromi Works™️
1|チェンジの目的?
マーチングのショウは、ビジュアルとミュージックの2つの要素が組み合わさってできる。
- ビジュアル|視覚要素
- ミュージック|音楽要素
ショウとしてまとめる過程で、どうしても生じる問題がある。
「意図したように伝わらない / 伝わりにくい」
さまざまなことが考えられる。
- テーマがみえにくいから?
- コンセプトがゆれているから?
- 分かりにくいから?
- 複雑すぎるから?
- メンバーの技量にあっていないから?
- 体力が追いつかないから? etc…
こうした問題を改善し、
意図した方向にショウを修正し、
近づける作業が「チェンジ(変更)」だ。
2|チェンジのタイミング
本番直前は避けたい。
チェンジはメンバーにとっては、良い意味でも、悪い意味でもストレスとなる。
良い意味:リフレッシュした状態(新鮮さ)にすることができる。
悪い意味:チェンジ部分を意識しすぎる余りに、余裕がなくなり、ショウ全体のパフォーマンスが落ちることもある。
どのくらいにタイミングが良いか?
本番までに少なくとも2回のリハーサルがあるくらいの、時間的なゆとりがあるタイミングが望ましい。
身体や頭がチェンジのことを呼吸するように自然にパフォーマンスに取り入れられる状態で本番を迎えるためだ。
チェンジを入れて全体のパフォーマンスが落ちては本末転倒であるし、チェンジを入れた効果の見極めも難しくなる。
3|チェンジの見極め
チェンジの目的は「ショウを意図した方向に近づける」為に行われる。
チェンジを入れるからには何かしらの
"良くなった / 伝わりやすくなった"
という感触が持てるものでなくてはならない。
クリエイターとメンバーの双方で、共有できることが理想だ。
- 時間(時間をかける価値があるか)
- 体力(体力を費やす価値があるか)
- コスト(コストをかける価値があるか)
- 効果(効果的な変化は創れるか)
といった視点からチェンジをするかどうかを、総合的に判断をしなくてはならない。
どんなに良いアイデアがあったとしても、時期やタイミングによっては、チェンジを行うことは避けた方がいいこともある。
4|ファイナル前は腹を括る
私の場合、ファイナルの少なくとも3回前のリハーサル迄には、チェンジを試し/加え終えた状態にする。
それでも、どうしても気になるところがあり、ファイナル直前(残りリハーサルが2回未満)にチェンジを入れるかどうか迷う時もある。
その時は、次のように自問する。
"銀賞が金賞に上がる程の効果があるか?”
"スコアが10点上がる程の効果があるか?”
自問の結果 "GO"だとしても、さらに現場サイドやクリエイトチーム、メンバーに相談をして決める。
ファイナル直前のチェンジはそれくらい慎重に行われなければならない。
パフォーマンスするのはメンバーである。
メンバーが満足したパフォーマンスを保証するのも、ショウクリエイターの重要な責務だ。
"メンバーの満足感" を阻害してまでチェンジを敢行するのは、たとえショウディレクターという立場でも慎むものだと考えている。
そうならない為にも、シーズンスケジュールは「チェンジする時間」も予め予想し、余裕をもって立てると良い。
ショウづくり|"チェンジ" は何を優先する?
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[Moromi Works™️ ]
- Show Design and Coordinate
- Music Arrangement
- Drill DesignRehearsal Design
- Marching Consultant
沖縄県出身 / 東京在住
好きな食べもの:沖縄そば / タコライス
Blue Devilsでマーチ
多数団体にショウ制作や指導、大会審査員などの活動を行なっている。
Mail:moromi.works@gmail.com
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