129. 審査員（ジャッジ）という仕事｜井上隆介

Marching notes™️ byマーチング祭®︎/ 130notes

2025年1月8日 23:07

１｜審査員（ジャッジ）のお仕事

その日に参加したチームを公平にジャッジするのが仕事だ。
（当たり前のことを書いていますね）
ジャッジに仕事は大きく次の３つに分けられる。

（１）ジャッジコメントを残す
参加したチームへショーの中で
- 良かった点
- 改善点
などを細かく分析をし、その瞬間にコメントを残していく。

（２）スコアをつける
審査基準に基づいて、その会場で披露したショーやパフォーマンスについて点数をつけていく。

（３）ランキングをつける
スコアを元に順位をつけていく。

このように書くと簡単なように感じるだろうが、実はとても高い技術が求められる。

２｜ジャッジに求められる技術

コメントを残すにしても参加したチームへ敬意を持ち、どのように改善すればもっとショーが良くなるのか。単なるダメ出しになってはいけない。

スコア / ランキングに関しても審査基準をもとに、それぞれのジャッジが公平につける。
審査基準も、「難易度×達成度」という観点から見ている。

難しい譜面・ドリル・振り付けもやればいいわけではない。
逆に簡単な譜面、ドリル・振り付けの達成度を上げればいいわけでもない。
お互いを掛け合わせた「難易度×達成度」がスコアの基準となっている。
① 何を
② どのくらい
ショーとしてパフォーマンスできるようになっているかが重要なのだ。

３｜審査項目

マーチング祭では６つの項目に分かれて審査をしている。
- GE｜ジェネラルイフェクト
- VA｜ビジュアルアナリシス
- MA｜ミュージックアナリシス
- MPB｜ミュージックパーカッションバッテリー
- MPP｜ミュージックパーカッションピット
- CG｜カラーガード
それぞれに関して簡単に紹介したいと思う。

（１）GE｜ジェネラルイフェクト
ショー全体を見て音楽的・視覚的それぞれがいかにマッチングしており、どれだけ観客の心を突き動かしているか。

（２）VA｜ビジュアルアナリシス
視覚的にショー構成がどれだけ構築されているのか、そしてMMの技術・振り付けの達成度をどこまでのものなのか。

（３）MA｜ミュージックアナリシス
音楽的にショー構成がどれだけ構築されているのか、そしてそれぞれのセクションの達成度をどこまでのものなのか。

（４）MPB｜ミュージックパーカッション/バッテリー
バッテリーの音楽的技術内容とその達成度を、個々のプレイヤーやパート等のグループを対象に審査する。

（５）MPP｜ミュージックパーカッション/ピット
フロントピットの音楽的技術内容とその達成度を、個々のプレイヤーやパート等のグループを対象に審査する。

（６）CG｜カラーガード
カラーガードの振り付けの内容・達成度を、個々のプレイヤーやパート等のグループを対象に審査する。

このようにそれぞれのキャプションごとに審査内容が分かれており、細かく厳正なジャッジをマーチング祭りでは受けることができる。

３｜審査結果確認の緊張感

各々が出したスコアを集計し、リキャップ（成績表）を作成する。
そのリキャップを再度、ジャッジ側に確認をしていただき、全員の確認後、結果発表となる。
【2024横浜ファイナル奮闘記１５】にも記載をしているが、これがスムーズにいくかは大会進行にも関係する。
実は、得点を付けた後も緊張感のある時間を過ごしている。

４｜審査員としての仕事

ジャッジと言っても特段偉い訳では全くない。
参加してるチームやメンバーにどれだけ寄り添い、コメントを通して今後に繋がるアドバイスを伝え、敬意を表して点数をつける。

その他にも、マーチング祭®︎などで大会後に開かれるクリティークでは、チームのリーダーや指導者に直接アドバイスをしたり、指導法などについても伝えたりもする。

こうしたマーチングの大会を通して、出場するチームに目標を与えたり、目指す姿を示すことも求められる仕事でもあるのだ。
審査を通して、チームを育てたり、伸ばしたりしていることも自覚しなくてはならない。

これらが審査員としての仕事だ