読書会(2023/4/21)トピック・メモ
2. クローンたちの名前にある(大文字.)は名字の略なのか?
イニシャルのある登場人物
■第一部
キャシー・H、ジェニー・B、グレアム・K、レジー・D、スージー・K、アーサー・H、アレグザンダー・J、ピーター・N、キャロル・H、ロイ・J、ポリー・T、シルビー・C、マージ・K、モイラ・B、クリストファー・C、ミッジ・A、ピーター・J、クリストファー・H、ゲリー・B、ロブ・D、ハリー・C、シャロン・D、パトリシア・C、シャルロッテ・F
■第二部
シンシア・E(ヘールシャム)、ロイ・J(へ)、アリス・F(ヘ)、ゴードン・C(ヘ)、ジェームズ・B(ヘ)
■第三部
マイケル・H(p.253 へ?)、メグ・B(ヘ?)、トミー・D(ヘ:二十一章のマダムへの紹介時で初めてイニシャルがでる)、スザンナ・C(ヘ)
■イニシャルなし
ハナ、ルース、ローラ、…
イニシャルがあるのは「ヘールシャム」出身者のみ。
おそらく、イニシャルはクローンのナンバリングで、Aから順に振られる。Aはミッジひとり。多いのはB、C、Dあたり。最初の何人かのクローンは失敗してヘールシャム以外に送られた? 「優秀な」臓器を持つものは何度もクローンされるのか?
13. クローンたちに許されている行動の自由は、なぜ真の自由に繋がらなかった?
ある種の洗脳。「家畜」としての矜持。
43. クローン人間たちを管理するシステムのずさんさ(監視する役割を担う人の不在)
内臓のためだけに大量の提供者を何十年も「飼育」するコストよりも、社会の中で自給自足させるようなシステムの方が利にかなっていたのではないか?
15. なぜすべてのトレーニングを Hailsham で完成させずに、クローンたちに Cottage で過ごす期間を設ける?
コテージの意味に関連して不思議な点。
コテージに集まったヘールシャム以外の施設から来た提供者が、あまりにも人間的すぎる。
エミリ先生によれば、他の「ホーム」は目を覆うばかりに非人道的であるとのことだが、コテージでプルーストやジョイスを論じたりしているではないか。
あるいは、ヘールシャム以外のエミリ先生配下の施設(グレンモーゲン、ソーンダズ・トラスト)から集められたのかとも思うが、彼らもヘールシャムだけが特別であるとしつこく言っている。また、キャシーの弁の通りなら介護人として会った様々な提供者も、普通の人間としてコミュニケートしている。
この非人道的で「家畜にも苦痛のない生活を」運動をも潰すほどの制度のなかで、クローン人間を「人間」として育てたりするか? なんならロボトミーでもして感情を失わせた方がよほど人道的ではないか?
26. クローンたちに人種が割り当てられているか?(Ch. 26 で Kathy が Miss Emily のヘル パー?/使用人?の黒人 George を凝視したこと)
Ch.22?
クローンたちに人種が割り当てられているか?
そもそもクローン人間が臓器を提供する先は誰なのか?
よほど多様なクローンを育てておかなくては、拒絶反応で移植できない。ルースが言ったような下層階級が売血のようにクローン元になるのであれば、もっとマイノリティがいてもよさそうなものだが。
あるいは、「ポシブル」は「自分専用のクローン」を作るのではないか? だとすれば拒絶反応もなく高額の医療費を賄える階級だけの特権として運営できるが、少数ならずっと施設で「飼育」した方がよくて、介護人として自給自足させる必要はないのではないか?