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万次郎と私。#17


免許更新に行った3月某日。
運転免許試験場の警備のおじさまの指示どおりエンジン止めて駐輪場までバイクを押して行き、なんとか停車する。

日差しのあったかい昼下がり、ヘルメットを取ったら汗がすごい。こちとら汗で爽やかさが演出できない40超えですよ。急いでバッグから手ぬぐいを引っ張り出して拭う。

あまり長時間停車するのに慣れていないけど、ヘルメットをロックする用とバイク後輪をロックする用のチェーンを引っ張り出してガチャガチャ。

受付を済ませて、あとは言われるがまま、番号順にブースを回る。書類記入して、もらった更新ハガキ出して、印紙代を払って、いざ第一関門。

視力検査部屋の入口。
「コンタクトしてますか?あーしてますね。カラーコンタクトは嵌めてませんね?あー嵌めてませんね」
何も答えないうちに恰幅のいいおじさまにガッと判断されて椅子に招かれる。ギョロ目だからわかりやすいのか…?
中学からの筋金入りド近眼かつ乱視持ちの私、ここは緊張する。打って変わって細身の繊細そうな学者風おじさまの指示通り片目ずつ右左答えて3問目くらい。
「では再検査ねあっち行って〜」

ギャオス…最後カンで答えたのがダメだったのだな(当たり前だろ)…!
隣の小狭い部屋で、順番待ちの紳士2名の後に続く。
私の番が来て、立ったまま片目を隠すあの棒(あれなんて言うの?)を持たされる。今回は動きがコミカルな、背が低めのハイテンション短髪おじさま。
「コレは?はいコレ。はいコレは?」
段々見えづらくなるマーク。
「み…ぎ…?」
自信がなくなる私。
「本当に…?ほんとぉにみぎかな…?よく見て…?よぉぉぉーーーーく見て…?」
「アッひだり…?」
「ハーーーーイそう左!はぁいオッケー!!」
間髪入れずに印鑑的なやつ押す検査官のおじさま。
「ギリギリねー?ハーーイ次撮影ね!」

ちゃんと度の合ったコンタクト買います…と反省しながら撮影部屋へ。

撮影担当はお上品なマダムが担当。
その眼鏡お似合いですね、などと無駄口を叩く間もなく椅子に座り、撮影寸前。
「あの…左右の髪の毛、もう少しキレイに…?」
にこやかにジェスチャー交えて優しく言ってくれたマダム。
左右ね。
さゆ…見えてるとこ全部やないかい!!!!

あぁすみませんすみませんと口走りながら、髪を撫で付ける私。なりふり構わない中年で誠にすみません…。

よおおしあとは講習!
コレが3時間と長く(しかも「寝てたら真面目に受けてないと見なして免許更新させないよ?」という講師のおじさまのにこやかな脅し文句で開始)、欠伸を般若ヅラで噛み殺しながらクリア、ようやく新しい免許を受け取って帰路に着くのだった。

あったかい日とはいえ、3月の日暮れは早い。
あまり暗くなる前に倉庫へ行かねば。
ひと仕事終えた気分(大袈裟)で、ルンルンで万次郎を走らせる。

そしてこの日は、今までで一番スムーズにバイクの格納ができたのでした。
今までが今までだけに…(白目)。

次回、近所に行くのに大渋滞かつ坂道発進強化訓練タイム突入の巻。クラッチむずいんよ…。

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