ハーフの人って何語で考えてるの??
こんにちは。Marcelです。日本生まれ、日本育ちの日本とA国のハーフです。今はA国の大学に通っています。
私は日本で19年間育ちましたが、親が教育熱心なおかげで、父母の国の言語を両方とも同じ位のレベルで流暢に話すことができます。ですが学校はずっと日本の公立に小学校から大学1年生まで通っていたので、「ハーフ」はなかなか珍しい存在。その中でも両言語同じ位話せる人はさらに少ないので、上記の質問は本当に頻繁に聞かれました。「怒るときは何語?」とか、「びっくりしたときはどっちが先に出る?」とかもありました。中学生時代に若干とがっていた時期は、毎回毎回面倒だなぁと思っていましたが、周りの方からすると素朴な疑問なんだなーと思って、正直に答えるようにしています。
実は、A国に渡ってからも、現地で育った友達に同じような質問をされます。万国共通な疑問なんですね。
では、実際のところ答えは何でしょうか。
場合による、です。
相当つまらない答えですね。ちゃんとこれには理論があるので、チャンネルはそのまま。説明させてください。
頭の中での考え方(脳内言語)というのは、人それぞれで、大体2タイプに分かれるそうです。ナレーターのような存在が頭の中で自分の考えている文章を読み上げている人(internal monologue)と、もっと抽象的な単語や概念がふわふわと浮かんでいる人。僕は後者です。なので、どういった単語が浮かんできているかなーというのを結構長い間自分で観察していました。
決め手は、その言語での思考活動への「慣れ」です。
日常会話の場合:日本で育つ間、家の中では英語、外では日本語、というのが主流だったので、どちらの言語でも日常会話はしていました。なので、その時に話している言語で、頭の中でも考えています。
他に興味深いのは、片方にしか慣れていない時です。具体例を二つ挙げます。
1.数学
日本でずっと日本語で学習していた分、勉強(特に数学)は日本語脳になってしまっています。二次方程式を解くときに(a xの二乗 足す b x 足す c) という風に考えています。海外大学の受験のための試験勉強の時も、現在大学の授業を受けるときも、いったん日本語で頭の中で計算して、英語に訳します。これでもあまり問題はありませんが、翻訳に時間がかかるというのと、稀に言語の違いによる特有のミスをするときがあります。例えば、分数。日本では、2/3は (3ぶんの2)という風に、分母→分子、つまり下から上の方向です。英語の場合は、(2 over 3)という風に、numerator →denominator, 上から下の方向に読みます。この違いのおかげで、何度か分数を誤って書いたり誤って説明したことがあります。恥ずかしいですが、もっと英語で数学を考えるのに慣れていくしかありません。
2.喧嘩
現在8か月ほど付き合っている彼女がいるのですが、喧嘩、というか「お互いを理解するための議論」というものがよくあります。彼女もバイリンガルなのですが、彼女は喧嘩するときだけ、何故かフル英語になります。フル英語で捲し立てられると、僕も自然に英語で返すようになります。今までで一番長く時間を過ごしている彼女なので、英語でけんかする回数も多く、そのまま自然に喧嘩するときは英語で考えるようになったと思います。日本語話者の人と議論になったときに、何故か英語で考えて日本語に訳すのに苦労していた時に、この変化に気づきました。ちょっと変ですね。
つまりは、その活動をするのにどの言語が一番慣れているか、によって脳内言語は変わります。日常会話はどちらも同じ位、数学は日本語が慣れているから日本語で考え、喧嘩は英語が慣れているから英語で考える、という感じです。
どうでしょうか。納得できますか?僕は長年考えてきてやっと答えにたどり着いたので、ちょっと嬉しいです。これからはまた同じ質問をされたら、このnoteのリンクを送りつけようと思います。
他のマルチリンガルの方はどうお考えですか?ぜひ意見を知りたいです。
それでは、試験勉強に戻ります。
Ciao!
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