同じ単語なのに文脈によって正反対の意味になる言葉? 英語の contronym 15選

英語には、同じ単語なのに文脈によって正反対の意味になる言葉が存在するということをご存知でしょうか。
このような単語を “contronym(コントロニム)” と呼びます。
決して難しい言葉だけではなく、日常会話で頻繁に使われる単語も多く、例えば “original” “rent” “screen” などがそうです。
今回はそんな “contronym” を例文とともにご紹介します!

① bound

・ある場所へ向かっている
・束縛された、縛られた
電車の行き先の案内でよく聞く “bound”。「ある場所へ向かっている」の他に「縛られた(動けない)」の意味もあります。
【使用例】
This train is bound for Tokyo.
この電車は東京へ向かっています。

I’m bound to my room in Tokyo.
東京の部屋から出ることができません。

② clip
・切り取る
・留める
“nail clippers(爪切り)” のように「切り取る」という意味と、クリップでくっつけるイメージの「(つなぎ)留める」の意味を持ちます。
【使用例】
Could you clip this off?
これ切り取ってくれる?

Could you clip this to the wall?
これを壁に留めておいてくれる?
③ custom
・習慣、常例(普通)
・あつらえの(特別)
「習慣」「常例」という意味の “custom” ですが、日本語でも「カスタムメイド」というように、「あつらえの」「注文の」という特別なものを表現するときにも使います。
【使用例】
Wearing kimonos is a Japanese custom.
着物を着るのは日本人の習慣です。

I bought a custom Japanese kimono.
あつらえの着物を買いました。
④ dollop
・大量
・少量
ジャムやペンキなどの液体の量を表現するときに使う “dollop” は「大量」と「少量」どちらの意味でも使われます。「大量」は主にイギリス英語だと言われています。
【使用例】
Please give me a large dollop of jam.
たっぷりのジャムをください。

Please give me just a dollop, please.
ちょっとだけでいいです。
⑤ dust
・ちりを払う
・粉末を振りかける
名詞では「ちり」「粉末」の意味の “dust” は、動詞だと掃除などの際の「ちりを払う」意味の他に、「粉末を振りかける」という意味があります。
【使用例】
Could you dust the sugar off the table?
テーブルに落ちてる砂糖を払ってくれる?

Dust some sugar on top.
上に少し砂糖を振りかけて。
⑥ fast
・速い
・固定した
「速い」と覚えている方が多いかと思いますが、実は “fast” には「固定した」の意味も。ちなみに「断食する」の「ファスティング」も同じ単語です。
【使用例】
That bike is so fast!
あの自転車、本当に速い!

The bike was chained fast to the fence.
その自転車は柵にしっかり固定されていた。
⑦ fine
・素晴らしい
・十分な、許容範囲の
“How are you?” と聞かれて “I’m fine” と答えると、「普通です」「悪くはないです」のようなニュアンスになると聞いたことがある方もいるかもしれません。
“fine” は「素晴らしい」という意味と、「十分な」「許容範囲の」といった「悪くはない」意味もあります。
【使用例】
He was known for his fine works of art.
彼は素晴らしい芸術作品を作ることで知られていた。

He’ll be fine, don’t worry.
彼はきっと大丈夫、心配しないで。
⑧ off
・消えている、止まっている
・発動している
電気やガスなどが「オフ」になっている状態といえば、「消えている」「止まっている」状態のことを意味します。
しかし、アラームなどは同じ “off” を使って「発動している」状態を指します。
【使用例】
He turned the lights off.
彼は電気を消した。

The alarm went off.
アラームが鳴った。
⑨ original
・最初の、元祖の
・新たな、独創的な
日本語でもしばしば耳にする「オリジナル」という言葉。「元祖の」という意味を持つ一方で「新しい独創的な」の意味でも使われます。
【使用例】
This is the home of the original Miso Ramen.
ここが元祖味噌ラーメンの発祥地です。

They’re known for their new and original ramen flavors.
その店は新しくて独創的なラーメンの味で知られています。
⑩ overlook
・監視する
・見逃す、大目に見る
「上」の “over” と「見る」の “look” から成る “overlook” は、「監視する」と「見逃す」両方の意味を持ちます。
【使用例】
The manager overlooked hundreds of workers.
そのマネージャーは数百もの従業員を監視していた。

The manager decided to overlook the worker’s mistake.
マネージャーは従業員のミスを大目に見てやることにした。
⑪ rent
・借りる
・貸す
「レンタカー」などでおなじみの “rent” という言葉。「家賃」の意味でも使われます。
そんな “rent” は、「借りる」と「貸す」両方の意味で使うことが可能です。
【使用例】
I decide to rent a car in Hawaii.
私はハワイでレンタカーを借りることにしました。

We decided to rent out the car.
車を貸し出すことにしました。
⑫ scan
・詳しく調べる
・ざっと目を通す
“scan” はゆっくりじっくり「詳しく調べる」ことも、ちらっと読み通すだけのような「ざっと目を通す」ことも意味します。
【使用例】
He scanned the closet for any bugs.
彼はクローゼットに虫がいないか入念に調べた。

He quickly scanned the headlines of the newspaper.
彼はざっと新聞の見出しに目を通した。
⑬ screen
・上映する、見せる
・隠す
名詞の “screen” はパソコンなどの「スクリーン」を意味しますが、動詞になると映画などを「見せる」「上映する」の意味と、反対の「隠す」の意味の両方で使われます。
【使用例】
A classic film was screened at the movie theater.
映画館で名作の映画が上映された。

The movie theater was screened off from the public.
映画館は一般の人から隠された。
⑭ seed
・種を蒔く
・種を取り除く
「種」の意味の “seed” は動詞「種を蒔く」と「種を取り除く」のどちらの意味でも使われます。
【使用例】
I’m going to seed the field.
畑に種を蒔きます。

I’m going to seed the tomatoes.
トマトの種を取り除きます。
⑮ weather
・風化する、色あせる
・耐える、色あせない
“weather” は名詞「天気」の意味でご存知の方が多いと思います。
加えて、「風化する、色あせる」という意味も持ち、さらにその逆の「耐える、色あせない」意味でも使われます。
【使用例】
The ship has become weathered.
その船は色あせてしまった。

The ship weathered the storm.
その船は暴風雨に耐えた。
まとめ
いかがでしたか?
同じ単語なのに正反対の意味になるなんて不思議ですよね。
多くの場合は文脈でどちらの意味になるのかの判断はそう難しく無いと思いますが、複数の意味を持つということ自体を知らなければ、理解するのが難しいこともあるかもしれません。
知っている英単語の一つの意味だけにとらわれず、他の意味があるのかもしれないという柔軟な発想を持つと、英文読解の幅が広がるのではないでしょうか。
今回の記事がみなさんの英語学習に少しでも役に立てば幸いです。

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