潜在意識の中にあるもの
ここ一年程、人の行動や人格形成の根底にある「潜在意識」に、特に興味を持っている。
ひとりっ子で大人の中で育ったせいか、幼い頃から、この人ってこういう理由でこういう行動をしているのかなーとか考えるのが好きなタイプで、こういうのに興味があるのはいまに始まった事ではないのだけど。
子供を産んでから、娘やその友達や兄弟など、人間が成長していく過程を、側から多く見させてもらう中で、そりゃ家族や兄弟など置かれた環境、ちょっとした声のかけられ方なんかによって、無意識にどんどん潜在意識は作られるわけだわ…と妙に腹落ちしてしまい、さらに興味が出た。
それからというもの、身近な大人に対してもますます想像して考えるのが面白くなったのだけど、ふと今年に入ってから、自分はどうなんだ?と思い立ち、自分の潜在意識を深掘りするようになった。
…と前置きが長くなってしまったが、書きたかったのは、自分の潜在意識にあるものとして、あまり認識していなかった事柄が、自分の判断基準に大きく影響を与えていると気づいたことについて。
この前電車に乗っていて、何故かふと、
(あ…あの時ドキュメンタリーで見たあのシーンが今の私の価値観を築いていたんだ)と思った。
そのドキュメンタリー番組は今から20年ほど前にNHKで放映されていたもので、当時私が憧れていた日本のファッションブランドとそのデザイナーにフォーカスを当てたものだった。
その中に、あるスタッフの方がデザイナーの要望に対し、「これは前の会社の時にやってくれなかったから、この仕様は出来ないと思います。」と伝えた。すると、デザイナーは顔色を変え、強い口調で「相手に聴きもしないで出来ないと言うことを二度言わないで」と言い放って、去っていく…というシーンがあった。
その後、このシーンの事をよく思い出すと言う事はなかったものの、そのデザイナーの方の考えに触れる機会はその後の生活で度々あった。
そしてある日、私は常識的にこうとか、普通はこうとか、では納得せず、納得しなきゃやりたくないし、逆に出来ないことはなぜ出来ないのか?他に方法はないか?と粘って考えるところがあるな…とぼんやり考えていた。
それで突然、あのシーンの考え方が私の潜在意識に染み込んでいる象徴のように感じた。
何が自分の意識を作っているか探っていく作業は、他にも思いがけないことを思い出したり、いつもやってるこういう事ってこの事と繋がってたのかもしれない…と気づいたりして、なかなかに楽しい。
自分の行動を支配しているのは他でもない自分で、自分が見たいように無意識に世界を見ているんだなー