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ありがとう、見仏記。(1) 仏像マイブーム、再燃

note のクリエーターさんやフォロワーさんは、きっとそれぞれ『推し』や『沼』、自分の『好き』を持っている方々であろう。

私もそのひとりだが、『マイブーム』が自分の中に生まれる瞬間、沼にハマるその一歩目を、記憶に刻むようにしている。

例えば。

雲マイブーム。
友人の娘ちゃんが夏休みの自由研究テーマを探していると聞き、本屋で手にした雲の図鑑。

塊根植物マイブーム。
たまたま目にしたNHK『趣味の園芸』で、俳優・滝藤賢一さんがコーデックスと呼ばれる塊根植物を『これ、かっこイイぜ!』と熱く語っていた日曜の朝。

そして、仏像マイブーム。
奈良旅行を予定している友人から見せてもらった、安倍文殊院・善財童子のキュートな姿。

でも、仏像界の魅力を教えてくれた物がもう一つあった。

それが30年前、書店で何気なく手に取った『見仏記』だ。

みうらじゅん・いとうせいこう共著の「仏を見」る旅のエッセイ本で、当時サブカルブーム真っ只中を漂っていた私のハートは、わしづかみにされた。

それからというもの、仏像に関するちょっとポップな本を買い、知識を得ようと試みたが、所詮サブカルブームに乗っかった程度の好奇心だったため長続きせず、仏像熱は次第に冷めていった。

でも、あの時、種は確実に蒔かれていたのだ。

2023年晩秋。
仏像マイブームに再び火が付いた。
行きたい寺院、見たい仏像は枚挙に暇がなく、家の床が抜けるかと思うほど読みたい本に埋もれている。

ああ、至福の日々。
こんなにも心躍る時間をいただけたことを感謝したい。

ありがとう、見仏記


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