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交換日

最後にした約束を果たす日。
お互いが相手から預かっているものを
交換返却する日。
交換日。と命名。

その日が遂にやってきた。

果たして彼は覚えていてくれるだろうか。

交換日の当日、
指定の時間に
交換場所に
近づくと頭が真っ白になる。

恐る恐る近寄ると、
指定のドアノブに紙袋がかかっている。

彼からの紙袋と引き換えに、
私が持参した紙袋を
代わりにドアノブにひっかける。

彼の準備した紙袋の中には、
分厚い手紙とプレゼントなどがぎっしり。

直ぐに手紙を読まずにはいられない。
とめられない衝動にかられる。

手紙を読む前から涙がとまらない。
あふれでてくる。

涙で前が見えないほど。
手紙すら読めない。

まっすぐ歩けない。
このままでは最寄りの駅までも帰れない。

一旦近くのお手洗いに避難し
涙をとめなくては。

個室に入り呼吸を整える。

ふと気になることを思い出す。
私がトイレに駆け込むときに、
用務員の人が歩いていたっ。

はっ!!
もしかしてドアノブの紙袋を
回収されないだろうか。
急に冷静になると涙の代わりに
心配がとまらない。

涙を拭いて近くまで戻ることにした。

ドアノブに近づくと、
私がかけた状態で紙袋はかかっていた。





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