産後うつ記録:新生児母の洗礼と、実家の事情で心が砕けた
✳︎これは娘を出産したあと2年半も産後うつに悩んだわたしの、回復までの体験談です。前回の話はこちらです。
里帰り出産だったので、産院からは実家に退院しました。
実家は田舎で、庭も建物もやたらに大きく、ちょうどその庭を整備しているところでした。
実家近くに住んでいるわたしの姉夫婦が、敷地内に別宅を建てるためです。
連日工事車両がやってきては、ガラガラガタガタ。
朝は8時ごろから、夕は6時ごろまでそれが続いていました。
また、実家もリフォームしており、お風呂も含めて建物の半分は入れない状況でした。
そして、実は、わたしはそれを知らずに里帰りしました。
里帰りはこちらから打診したものの、両親からはおいでおいで!と二つ返事。
勝手に、落ち着いて産褥期を過ごせる、と思い込んだわたしも悪いとはいえ、朝からの騒音。
産前からすでに、ここで赤ちゃん育てられる?と悩みました。
しかし実家側で分娩予約もしてありますから、自宅に帰ることもできません。
結局、やっぱりというか、当然というか、かなりの騒音下での育児はかなり過酷でした。
授乳し、抱っこして「寝た」と思うと、大きな音。
布団に下ろしても、30分も落ち着いて寝かせてあげられない日々。
一日中、ひたすら授乳か抱っこの毎日が続きました。
加えて、初めての赤ちゃんで、わたしの方も長時間抱っこすることもまだ苦手。
程なくして、手首が痛くて抱けなくなり、リストバンドを注文しました。
今思えば、夜は比較的寝る赤ちゃんでした。
しかし、毎日複数回、他人に起こされる生活なんて経験がありません。
泣き声どころか、ハシュハシュと呼吸が変わると起きてしまうほど神経を研ぎ澄ましていました。
呼吸が変わる
飛び起きる
オムツを変える
授乳する
オムツを変える
抱っこする
抱っこする
抱っこする
赤ちゃんが寝る
布団に下ろす
赤ちゃんが泣く
抱っこする
抱っこする
抱っこする…
赤ちゃんなんてそんなもんだよ。ましてや新生児だし。
と、2人目を産んだ今は動じませんが、新米母はこの繰り返しにパニックになりました。
こんなに寝なくて大丈夫?
母乳が足りないの?ミルク飲ませたのに?
どこか痛いの?おかしいの?
初めて育児をする人が大抵抱く不安を、ビシビシ感じ、ネットに相談する日々でした。
そして、ネットには良くも悪くも、極端な情報があふれています。
これが悪い、あれがダメだ…
と、娘が寝た後も夜な夜な暗い部屋で悶々とすごしていました。
産院の時点で、自分の母性や赤ちゃんとの付き合い方に不安を抱えていたわたし。実家に帰って落ち着くことはなく、さらにうまくいかない困難な育児に自信喪失を重ねていたのでした。
それはわたしに問題があったのではなく、新生児あるあると、実家の事情による困難でした。
しかし、寝不足や緊張感で冷静に考える余裕もなく、できない出来ない、分からないわからないと、どんどん自分を追い込んでしまいました。
その結果、娘を可愛いと感じることか、ほとんどなくなっていってしまったのでした。
思えば、生まれてすぐから可愛いという気持ちより緊張感が先に立って、娘に向かい合ってこれなかったわたし。実家で生活をするうちに、その原因の一つともいえるものが見えてきました。
次回は里帰り出産するために必要だった準備について書いていきます。
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