【産後うつ記録】子育てサロンへ行くことは決して簡単ではなかった

長期出張へ夫が行く前に、どうしてもしなくてはいけないことがありました。
それは、夫がいない間「顔を合わせて会話できる大人」をさがすこと。

というのも、この時点わたしはその町に住んでまだやっと2年。
産前に仕事はしていましたが、少し離れた場所で働いていたため、近所に知り合いはいませんでした。
朝夕に夫と過ごす時間だけが、唯一大人とまともに会話できる時間。
この貴重な時間を失ってしまうと、一日中言葉離さぬ赤ちゃん相手の生活です。
それは辛すぎる。


少し話は変わりますが、わたしはお一人様気質です。
学生時代からカフェで1人でお茶をしたりするようになり、一人暮らしを始めてからは蕎麦屋から回転寿司まで、一人で楽しんできました。
ドライブをするのも好きだし、山にも一人で登り、カメラを抱えて一人で写真を撮りに出かけたり…

とにかく、一人を「孤独」とは思わないし、むしろカーステレオに合わせて歌い狂ってもいい、道順を勝手に変えてもいい、トイレも自由で最高!と思う事すらあります。

もちろんその間は、必要な場合(お店の人だとか)を除いて会話はしません。
でも、ちっとも辛いとか寂しいとか、そういうのはないのです。
むしろ、たまに一人になりたくてわざわざ一人になるために出かけるくらいです。


そのはずが、娘の赤ちゃん時期の孤独感と言ったら!!


赤ちゃんが常に一緒にいるのだから、決して一人ではない。
けれど、この世の中で、この子と二人、取り残されてしまったような気持ち。

とにかくこの子を守る、という使命だけがわたしの存在価値のようで、「わたし」が失われたような不安。

二人きりでいれば、赤ちゃんに向けてずっとアンテナを張りっぱなし。スマホを開けば育児情報の検索、育児記録の入力。そしてスマホばかり見ていたことに気づき、罪悪感。罪なき罪悪感と向き合う時の孤独。

大好きだったおしゃれもせず、お化粧するのも悪いことのように思えて、そのくせSNSの綺麗なお母さんを見ては自己嫌悪。


なんなんだ!
お母さんになったからって、なんでわたしはこんなにボロボロになっちゃってるの?

夫は変わらず仕事をして、社会の中で自分の活躍の場を確保しておいて、かつ家でも「イクメン」をして感謝されている。
いやいや、夫も我慢している。もっと残業したいけれど、19時に帰宅してくれているじゃないか。
彼もがんばっているのだし、わたしは休業で家にいるのだからもっとがんばらなくっちゃ!
でも、でももういっぱいいっぱいなのに!わたしのキャパが狭すぎる?ダメ母?


わーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!

こう言ったモヤモヤは、当時は夫にもいうことができていませんでした。
それでも、やっぱり大人とつじつまの合う会話をできることは、とても貴重で大切な気分転換。
「大人」の確保は、急務でした。


そこでわたしがしたのは、地域の子育てサロンを探すことでした。
自治体が運営しているサロン、小児科が運営しているサロン、個人経営のサロン。

いろいろあるなかで、選んだのは小児科が運営しているサロンでした。
理由は簡単で、家から近い事。
まだ土地勘がなかったので、すぐ近所しかわからなかったのと、娘を車に乗せる自信がなかったためです。


行くと決めた日、朝夫を送り出してから何ヶ月ぶりに「きちんと」化粧をしました。
娘は泣きましたが、「すぐに終わるからね」と声をかけながら化粧をしました。
胸がドキドキしましたが、「ちょっと泣いても大丈夫」「すぐ終わるから大丈夫」と自分に言い聞かせて。

服も授乳がしやすい事最優先だったのを、「出かけている間はしないから」と好きな服をきました。
娘のおむつや着替えをリュックに詰め、ベビースリングに娘を入れ、「やっぱやめようかな」と「やっぱり行く」の葛藤を出発するまでに100回は繰り返し、やっと家を出ました。


ワンオペ育児を少しでも楽にすべく子どもと子育てサロンへ行く。たったそれだけのことが、とんでもなく高いハードルに思えていたのでした。

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