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写真家 市橋織江 x 幡野広志 トークイベント

10年に渡る気仙沼つばき会と気仙沼漁師カレンダーのプロジェクト
の舞台裏を綴られた「海を生きる」刊行記念イベントに参加しました。

カレンダーの写真撮影を担当された写真家の幡野さん(2021年版)と市橋さん(2022年版)、ライターの唐澤和也さんのほか飛び入りで途中からプロデューサーの竹内順平さんのお話を伺うことが出来ました。

写真撮影時のエピソードや気仙沼の土地柄ならではのお話、まるで外国語のように10%しか話の内容が分からない時も表情で伝えあったり、つばき会の女性達のラテンのような朗らかさと強さに驚かされたりとさまざまなお話が聞けました。

2014年から2024年まで10年に渡り日本の名だたる写真家がデザイナーと組んで毎年異なる10種のカレンダー製作をしたこと。その中でライターの唐澤さんだけはずっと変わらずインタビューをしストーリーを綴られたこと。プロデューサーの竹内さんのほがらかさや想いの伝わる数々のエピソードで会場はあたたかな雰囲気に。

−60℃の冷凍魚倉庫に入られてフィルムで撮影された市橋さん。
未明というか深夜2am集合で撮影に臨み漁船の上で食べた獲れたてイカが今まで食べた全イカの中で最高だったという幡野さん。

写真家としての撮り方やスタンスがフィルムのライカで撮られた市橋さんと、デジタルで撮られた幡野さんでは真逆だったり。1-2枚しか同じ場面は撮らないことが多い市橋さんに対し、撮れるだけ多く撮りセレクトで削ぎ落としていく幡野さん。

会場からは撮影時のアドバイスや写真というものについての根本的な質問も飛び交い、二人の写真家の考え方やフィルムや機材の意見交換なども思いがけず聞けたりも。

終始おだやかで心地よい空気感のトークイベントで参加できて本当に良かったです。

会場には各写真家とデザイナーが手がけられたカレンダー作品が置いてあり実際に手に取って見ることが出来たのも嬉しくありがたかったです。デザインも写真も一つとして同じカレンダーがないことが稀有ですし、
10年という長きに渡りプロジェクトが紡がれて来たことにも感銘を受けました。


そういえばかつて実家には父が若かりし頃、遠洋(延縄漁)で獲ったメカジキ(俗称カジキマグロ)のツノが壁に飾ってありました。

物語として父から聞かされてはいても実際の漁業現場は知らない私。写真家のお二人は実際に体感されて、その写真をカレンダーで見せて頂いたりお話を伺うことで、私もその様子を追体験できたかのようなひとときで個人的にはそれも嬉しかったです。

先にこの本を読んでいたらまた違った写真を撮っていたかもしれないと幡野さんが話されていたこの10年に渡るプロジェクトの舞台裏を綴られた唐澤さんの
「海と生きる」をこれから楽しみに読み進めていこうと思います。

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