2023年スクリーンで観た映画をふりかえる
この記事は Feedforce Group Advent Calendar 2023 の 17日目の記事です。
昨日はフィードフォースコーポレートチーム金井さんの「復職して1年、ツラいとか大変よりも"楽しいとか嬉しい"という感覚に敏感になれた話」でした。
大変なことがあっても、楽しいことや嬉しいことに目を向けて前を向いて進むことって素敵ですね。アナグラムの先輩方も、金井さんと同じく育児と仕事のバランスを上手にとっている方が多い印象でしたので、同じような工夫をされているのかなぁとも感じました。
こんにちは。アナグラム株式会社で広告運用コンサルタントをしている里村と申します。
皆さんにとって2023年はどんな一年でしたでしょうか?
僕の2023年は過去最高に映画を観まくった一年で、Sサイズコーラをお供にスクリーンで映画を観た回数は40回を超えました。そんな映画を観まくった(普通の人よりはね)僕が、心に残った映画達を簡単な紹介を交えた感想と共に振り返っていきます。皆さんの興味を引く一本があれば幸いです。
筆を執ったときは全ての映画について書こうと考えてましたが、流石に長くなりすぎたので15本だけにしました。なお順番は時系列順、軽微なネタバレを含みます。
バビロン
「ラ・ラ・ランド」「セッション」の監督が手掛けた最新作。冒頭から物理的に汚いシーンがあるので閲覧注意。映画に翻弄された人たちの浮き沈みとハリウッドの変遷が魅力的な音楽に合わせてテンポよく描かれていた。エンディング前の映画館のシーンは自然と涙が流れてくる。映画が好きでよかったと改めて思えた一作。この作品を観たので、2023年は例年以上に映画館に行こうと決めた。
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
第95回アカデミー賞では7部門受賞の一作。マルチバースがテーマなので話のスケールは大きいが、内容はとある家族のお話なので難しくはない。映画に込められたメッセージも素朴なもので、観終わったあとはほんのり心が温かくなる作品だった。いろいろな映画へのオマージュと、映像表現のアイデアも楽しく最後まで画面にも飽きない。本作で助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンの演じ分けとカンフーが素晴らしく、この作品で一気に好きな俳優になった。
※創作におけるマルチバース:パラレルワールドのことを指すことが多い。複数の宇宙が存在することを前提にして、異なる世界のキャラクターや、バックグラウンドが異なる同名人物などを一つの作品に登場させることで意外なコラボレーションや世界観の構築を実現できる。マルチバースを扱った直近の作品で有名なものは「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」
グリッドマンユニバース
”ウルトラマン”の円谷プロ ✕ ”プロメア”のTRIGGERで制作された「SSSS. GRIDMAN」「SSSS.DYNAZENON 」のクロスオーバー映画。特撮アニメ映画とでも呼ぶべき作品で男の子の”好き”が詰まっている。主に「SSSS. GRIDMAN」の後日譚の時間軸が舞台。マルチバースという舞台装置をふんだんに活かし、過去のアニメシリーズの存在自体を伏線にしたシナリオ構成は見事の一言。TVシリーズで回収されていなかった要素が回収されたり、ファンサービスも盛り沢山。アニメ2作品で24話+本作と適度な長さのシリーズなので長期休みでの一気見もおすすめ。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
マーベル・シネマティック・ユニバースの中でも人気シリーズのガーディアンズ・オブ・ギャラクシー三部作の完結作。三部作は途中でダレると言われがちだが、ジェームズ・ガン監督は見事にシリーズを描ききってくれました。王道スペースファンタジーとしての冒険の楽しさを詰め込んだシナリオ、登場人物達の新たな一面もみせてくれる丁寧な人物描写、しっかり憎める悪役、どの要素も外さなかったのが素晴らしい。エンディング前のシーンはニヤニヤと涙が止まらなかった。ありがとうジェームズ・ガン。DCも盛り上げてくれ。
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
前作となるアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』は新たなスパイダーマンの誕生と成長を描きながらも、映像表現としても衝撃の一作だった。前作で凄まじかった映像表現は更に磨きがかかり、前作以上の多種多様なスパイダーマンやスパイダーマンが住む世界の描き分けは芸術的。2部作であることが公言されていたことから、シナリオがまとまるかが不安点だったが、ダブル主人公の形式にすることで、映画1本で一つの物語は結末を迎えることになり観やすかった。相変わらずスパイダーマン達は口数多いし喋りがはやいので、初回は吹替版で観るのがオススメ。
君たちはどう生きるか
ついに公開されたジブリの宮崎駿監督の新作。冒頭のシーンのアニメーションを大スクリーンで観れただけで、鑑賞料金のお釣りがくるなって思うぐらい感激した。ストーリーは丁寧な説明を誰もしない&(想像だけど)理解させようともしてないため、あんまり真剣に考察しないほうが映画全体を楽しめる(12/16公開のプロフェッショナルで解説がなされてました)。宮崎駿監督の過去作の要素もふんだんに盛り込まれてそれらを探すのもよい。賛否両論なのは理解できるけど、宮崎駿監督の新作がスクリーンでまた観れたってことだけで十分だなということが総括。
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
もはや説明不要のスパイ映画の大作、ミッション・インポッシブルシリーズの最新作。二部作となるお話の一作目が本作。どんなスタントも自身でこなす61歳トム・クルーズのアクションが存分に楽しめる。相変わらず生身の人間の限界に挑戦しており、どのシーンも緊迫感が高くて最高。敵役の真の姿が映画のシナリオ自体に影響を与えることで、シナリオ上の無理がなくハードなアクションシーンを構成される形になっていて、映画全体を通した仕掛けも素晴らしい。はやく続きが観たい。
バービー
バービー人形がまさかの実写映画化。アメリカ公開の際には同時公開となった「オッペンハイマー」まわりでちょっと話題になった。予想通り男女の社会的立場の違いなどがテーマではあったが、安易な二項対立にしなかった点がよかった。これだけの巨大IPを扱う期待を裏切らず、メッセージも詰まった作品を仕上げた脚本・監督陣の手腕には脱帽する。後半にダンスシーンがあるが、観終わってからは皮肉が存分に混じったシーンだったんじゃないかな~と感じている。
ジョン・ウィック コンセクエンス
伝説の暗殺者ジョン・ウィックのシリーズ最新作にして完結作。キアヌ・リーブス、ドニー・イェン、真田 広之等々の大スター達のアクションが堪能できる。もちろんアクションシーンの完成度は非常に高い。生身の限界を追い求めるミッション・インポッシブルシリーズのアクションとは違い、ゲーム的なアプローチでリアリティを突き詰めた各シーンは見応え抜群。シナリオ面でも箱庭の中の群像劇としての完成度が高く、どれだけ力があっても裏社会のルールとシステムから逃れることはできないジョン・ウィックを観ているのは辛い。
ザ・クリエイター/創造者
ハリウッド版ゴジラの監督、ギャレス・エドワーズの最新作。監督が日本が好きなこともあって各所に日本要素が詰め込まれている。AIが人間とかわらない知性を得た近未来で、AIは絶対に認めない西洋諸国 vs AIと共存の道を選んだ東洋諸国という対立構造の元でのお話。SF作品として細かい設定の説明がごちゃごちゃとあるタイプではないので、画面の作り込みや雰囲気を存分に楽しめる作品。ストーリーも王道展開でわかりやすく、登場人物も個性豊かで魅力的。人間の残酷さも際立つ本作ではあるが、犬と猿が一番偉い。
キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン
ビジネスマンみんな大好き「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオコンビの最新作。
石油の採掘権を手にし、莫大な富を得たアメリカ先住民のオセージ族の街を舞台にした連続殺人事件を描く作品。冒頭~ディカプリオの登場までの一連のシーンで一気に作品に引き込まれた。三時間半近くあるが、全く時間を感じさせないテンポ感で最後まで突っ走れる。作中のディカプリオみたいに全てが手遅れになる前に、ほんとに大切なものに気づきたい。ロバート・デ・ニーロは相変わらず素晴らしく、何もしてないのに”ヤバさ”が伝わる存在感にはあっぱれ。
ゴジラ-1.0
シン・ゴジラ以来の日本ゴジラ新作はまさかの戦後の日本が舞台。セリフのくどさや、シーン間の引き継ぎが雑だったりと気になる部分はあったが、ゴジラの熱線発射シーンで+百万点だった。人間ドラマもテンポよくすすむが行間を読ませる箇所もあり緩急は◎。鑑賞1回目でラストシーンがただのハッピーエンドじゃないことに気付いて唸ってしまった。北米公開の評価も上々で、特に主人公に感情移入ができるという視点は、日本人だとなかなか出てこない感想で興味深い。
下記がアメリカの映画評論サイトのページ。
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
皆さんご存知「ゲゲゲの鬼太郎」の誕生秘話を描くアニメ映画。今年の邦画でベストな一本だった。(そんなに邦画は観てないんですけど)序盤~中盤はサスペンスホラーのテイストで話が進み、丁寧に伏線を回収しながら畳み掛けて後半まで走り切るシナリオ構成は見事。人のエグさを煮詰めに煮詰めてぶつけてくるので、PG-12作品(小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が必要)だけど、小学生が観たらトラウマになるかも。細かい描写もよく、冒頭の列車での水木の仕草とかはすごく好き。鬼太郎の持ち物達の由来も明かされて嬉しかった。前日譚ものらしく、ラストもシリーズに繋げキレイに閉幕。アニメファンが大好きな糸目の石田彰さんも出てくるよ。
ナポレオン
「ジョーカー」のホアキン・フェニックスがあの「ナポレオン」を演じた作品。観終わった直後はなんだか普通の作品だったという印象だったが、時間が立つにつれて、ナポレオンの姿を様々な側面から描いたことで、ナポレオンも時代と権力と女に翻弄されていたことを伝えたかったのかなとも感じた。豪華絢爛な戴冠式のシーンと、大迫力の合戦シーンは特に画面の作り込みがうまく、圧倒されるのでぜひスクリーンでの鑑賞をオススメ。観る前にフランス革命周辺の流れをおさらいしておくとより楽しめる。
WISH
ディズニースタジオ100周年記念作品。字幕版で鑑賞。「願い」とは人にとってどういう意味を持つのか?をテーマに、名曲の「星に願いを(When You Wish upon a Star)」をそのまま映像にした”ディズニー映画”。過去作のオマージュも多く含まれているので、ディズニーアニメーションが好きな人は何回でも楽しめそう。ただし目新しさという面では物足りない映画ではあったので、もうひと頑張りは欲しかった。
その他の2023年劇場鑑賞作品一覧
こちらも時系列順
すずめの戸締まり(2回目)
THE FIRST SLAM DUNK
アントマン&ワスプ クアントマニア
BLUE GAINAT
Winny
ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り
名探偵コナン 黒鉄の魚影
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE
トランスフォーマー/ビースト覚醒
ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
岸辺露伴 ルーヴルへ行く
ザ・フラッシュ
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮編
劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)
アリスとテレスのまぼろし工場
劇場版天元突破グレンラガン 螺巌編
イコライザー THE FINAL
オペレーション・フォーチュン
SISU
マーベルズ
007/スカイフォール
『首』
翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~
おわりに
ここまで読んで頂いた方は本当にありがとうございます。そしておつかれさまでした笑。カレンダーとメモ帳をみながらふりかえっていると、観たくて観に行けてない作品もまだまだあったなと思いますし、観た映画でも直後の感想とは少し違うものを感じる作品もありました。
映画の楽しみ方は人それぞれですが、感想なんて観る人のバックグラウンドや、観た時の状態によっていくらでも変わります。他人の感想に左右されず、自分が面白いと思う感情を素直に吐き出すことができるとより一層映画の魔法を楽しめると気付けたことがこの1年の収穫です。
さて、フィードフォースグループAdvent Calendar2023 明日18日目は、フィードフォースの堤さん。「個人的にオススメな本のえらび方について書きます」とのことです。本の選び方も個性が出るので楽しみですね!
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