エーラー式クラリネットはフォームが命
これまでエーラー式クラリネットを吹くにあたっての楽器の仕掛けとか、フィンガリングについて解説してきましたが、今回は構え方=フォームについてご説明したいと思います。
ここでいうフォームとは指の配置や角度のことをさしているのですが、エーラー式クラリネットはこのフォームが結構大事です。多分このネタ書いているエーラー吹きのブログをみたことがないので貴重な情報だと思います。
エーラー式は穴だらけ、それによって独特の抜けたサウンドになる
エーラー式クラリネットは、ボエム式より身長が低い(知ってました?)。
身長が低いのにピッチはボエムと同じです。このためエーラー式のトーンホールはボエム式よりも、多く且つ直径が大きいという特徴があります。実際のホールの数や、ホール直径ノギスで測ってみました!
上の写真の通り、エーラー式は指間隔が広く且つおさえるトーンホールの直径も大きい為、密着度のあげるべく指を寝かせて持ったほう良いです。指を寝かせるとフィンガリングしにくい為、更に上管と下管を少しずらします。
また、エーラーのサイドキーは左右「なで肩」で押しにくいという課題があります。これについては楽器を時計回りにまわしたり、逆さ回りにしたりというワザを使ってます。詳しくは↓の動画で解説します。
右小指の「滑らし」の妙技
エーラー式クラリネットの難所が、ファ(ド)のスプーンとラ♭(ミ♭)のスプーンの上下のを右小指による「滑らし」のところ。エーラー式の吹き始めの際は、このスプーンの段差につっかえてしまいました。
この「滑らし」をスムーズにするコツとして、右手は楽器の真横から指を添え、右小指はファ(ド)のスプーンを指の外側にあたるよう下から指をさします。こうすれば右薬指が動かずリードミス事故になりにくいです。
この右小指の妙技ができないと吹けないのがブラームス作曲、クラリネットソナタ1番の第一楽章と、クラリネット3重奏の第一楽章と、クラリネット五重奏曲の四楽章です。ブラームスはド・ミ♭が大好きなんですね。
最後にエーラー式クラリネット奏者で、ブラームスの3重奏の素晴らしい演奏映像をご紹介します。まぁ、なんて素敵なド-ミ♭なんでしょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?