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beretskyアドカレ2024 12/1 "NEBULOUS:fleet command 日本語化の流れで思ったいろいろと日本語化の手引き"

この記事はberetsky.netの2024年アドベントカレンダー用に作られています。

まずは、25日自演ではなくきちんと埋まってくれたことに感謝を。

まずNEBULOUS:fleet commandとは何か

beretskyにおいてよく話され、あまつさえ単独で権限として存在する上でかなりの上位位置に存在する謎のゲーム、"NEBULOUS:fleet command"。
これまで日本ではあまり有名ではなかったゲームをなぜここまで推しているのか、それの要因と説明にもつながる、そもそもこのゲームとは何かという話をします。

いきなりですが、このゲームを一言で表そうとすると「宇宙で戦う、クラフトオンラインストラテジーゲーム」になるでしょうか。
もうすこしキャッチコピーのように書くと「最強の艦隊を目指せ!君だけのオリジナル艦隊で世界中の人間と戦いを楽しもう!」あたりになるでしょう。

つまるところ、複数個あるゲームの説明の中でふたつ重要な点として
・宇宙空間における三次元戦闘

・自らが作り出した艦隊で
戦うことがキモになると考えます。

そしてこれがそのまま、"NEBULOUS:fleet command"とはなにかの答えになります。

前後左右に加え上下に自由に動ける艦艇と、あまりにも膨大な種類に及ぶ艦隊設計(この手のゲームではよくある"アセンブリ"、アセンと今後は呼称していきます。)による設計の妙を凝らして、全世界の様々な人間と戦える。
これがNEBULOUSとは何かの私なりの回答だと考えます。

もちろん、他にも要素はありますが、私がNEBULOUSに求めているものが何かについては主にこの二つに終始するでしょう。

そのうえで語る話になるのですが、個人的な思いとしてこのゲームはまだ人口に膾炙していない、その思いが非常に強い気持ちとして存在します。
詳しくは次の章で話ますが、この思いがタイトルにも入っている"日本語化の流れで思ったいろいろ"の最初の核となったところでしょう。
実際、NEBULOUSは全体的に各種SF創作からの引用やリスペクトにあふれていることを公式が名言していることもあり、その中でも(プレイヤーコミュニティを含め)日本のSF創作にはかなりの親近感があります。

なぜ、日本語化をしようと決意したか

ではなぜ、日本語化をしようと決意したか。
これは非常に簡単です。「プレイヤー層の増強」と「そもそもの認知/プレイ意欲の刺激」です。

前者に関しては、この手のインディーゲームによくある話の一つの「人口が少なく、過疎村状態でマルチを回すことによる弊害・・・蟲毒化」という人口が減ることにより人口が減る理由を作る最悪のループを差し止め、初めてプレイした人間がさっと入れ(現状ではマルチが開かれるまで20分近くロビー待機もざらにある)さっとマルチをプレイでき、理不尽な思いを比較的しないで済む環境が理想で、それに近づけるための手順の一つです。

後者は少し複雑で、これは日本に限らずいろんな国にある「英語のみのゲームに対する抵抗感、忌避感の払拭」がメインではあるものの、それ以外にもいくつかの目的があることです。

実際、明らかに英語のみのゲームは日本語が対応されているゲームより日本語圏人口は減っていますし、たとえ誰かに進めようとしても「日本語化がされたら」などの典型的な「断り文句」の種になりかねません。

さらに、このゲームにおいて話をややこしくしているのが、たとえ英語の壁を乗り越えても出てくる「英検じゃ絶対に出ない英語の軍事用語たち」があります。これらはたとえ現地のアメリカ人でもすぐにはわからない用語も含まれていて、ゲームの性質上切っても切り離せない以上学ぶしかない、がそれを英語で行ってもらうにはいささか難易度が高い、というのが私なりの結論です。

実際のところ、「Active radar homing seekerをmain seekerにして、validationにElectric optical seekerを付けたhybrid sise3 missileを作る」と言われたところで普通は通じないでしょう。これはゲーム内である程度一般的に作られるミサイルのシーカーの組み合わせですが、これらを日本語に置き換えると「アクティブレーダーホーミング誘導装置をメインの誘導装置として使用し、検証用として電気光学式誘導装置を組み込むサイズ3のハイブリットミサイルを作る」となり、ある程度の現代戦闘知識があれば理解できる段階まで難易度が下りてきます。

私は友人たちと共にこの難問たちに英語でプレイすることにより戦ってきました。友人は日本国内で不動の一位の地位をほぼ確実にし、私もプレイヤーコミュニティの中でも名前を覚えられる程度にはプレイしてきましたが、これまでこの段階にたどり着くまでにひたすら費やしてきた時間、特にこれをプレイで理解するまでに負けたり沈んできたりした艦艇を考えると、あまり万人に勧められる行為ではありません。

ですが、これらの難易度を一気に押し下げ、ある程度のコアなPCゲーマーならばできる、その難易度まで持っていく。そのための第一歩が日本語化なのです。

日本語化中に思ったこと

いまだ作業は継続されており、翻訳割合も決して高いものではありませんがある程度日本語化して思ったことの一つに、「膨大な文章と、自分でも理解していなかった複数のパラメータや機能、能力があります。

いくら覚悟を決めようと、英語読解力があろうと、そもそも英語である時点で途中で「存在をいったんなかったことにして持っていく」という行為は多発します。これは過去複数種類の言語を学んできた中で明らかにその傾向があるという自らの経験も含んだ話です。
これらの情報をしらないことによって、有利不利が分かれる程度にはシビアなゲームであるのがNEBULOUSで、その"知識"の量の差はやがて絶望的な練度差まで生みかねません。実際に何度か「知らない」初心者たちが艦艇を吹っ飛ばしているのを見てきたし、私もその時認知していないだけで何度も吹っ飛ばしています。

これはゲーム内のボイスについても同じことが言え、これはさらにひどくこの感覚があります。私はデフォルトの英語男性ボイスをなんども聞き逃したことがあるので、日本語化の中でもボイスの日本語化(弊ボイスMOD)は割と優先されて作られました。


結局、これらのことを考えると日本語化の完遂と早期の配布が最も日本語話者におけるNEBULOUSプレイ人口を増やすことにつながるというのが私の結論です。
もちろん、たとえ日本語化されているからと言ってそれ以上学ぶことをあまり考えない人間はこのゲームの学習曲線からはじき出され、負けつづけることになります。
しかし、やる気がある人間が本来の学習曲線にある壁以外に苦労を感じる、そのような状況をなるべく減らしたい。これは嘘偽りない本音です。

日本語化にあたっての注意事項

さて、長々と日本語化に対する思いを綴ってきましたがここからが本題の人もいるでしょう。実際、ここからが少し難しい話に入ってきます。

NEBULOUSはparadox社製のゲームのようにMOD一個入れるだけで簡単に導入!とはいきません。なぜならこのゲームはすでに英語でハードコーディングされており、ゲーム内の表示を切り替えるというより上から日本語の文章を覆うように配置するからです。そのため、MOD導入も少し複雑なものとなります。
音声MODとテキスト翻訳MODはそれぞれ分かれており、一個ずつ説明していきます。

日本語ボイスMOD(YukariVoiceMod)導入方法

これは比較的簡単な話になります。
steamのワークショップで、章題のMODを検索するか、以下のリンクから前提MODであるVoicepack Selectorと共にサブスクライブし、ゲームを起動。

ゲーム内のMOD管理画面からそのふたつを導入すると2か所、UIが追加されるのでそのUIでYukari voiceを選択するだけです。
詳しくはMOD配布ページの画像にありますが、文章で書くとオプションのオーディオ部分に拠点占領や残り時間を告げるアナウンスボイスが、各艦艇事にいくつかのボイスから選べる艦艇応答ボイスの中に艦艇ボイスが入っています。これを選択するだけです。

テキスト日本語化MOD導入方法

こちらが少し難しいです。最低限のPC操作の知識を要求します。
XUnity.Translatorという外部ソフトを導入します。インターネット検索で調べ、最新版ReiPacherをダウンロード、steamから飛べるNEBULOUSのディレクトリに設置してください。
さらに、Gothic-regular_u2019というファイルも導入していただきます。

https://ux.getuploader.com/XAT_Alternative_fonts/download/2

このURLで配布されているフォントを、同じくNEBULOUSディレクトリに設置してください。

SetupReiPatcherAndAutoTranslator.exeというexeをNEBULOUSディレクトリで実行、Nebulous (Patch and Run)というexeが生えてくるのでこれを実行してください、これで翻訳ファイルが生成されます。
通常のメインメニューが表示されたらいったん閉じてください。

すると、\AutoTranslatorというディレクトリが現れるため開き、その中のConfig.iniを以下の通り書き換えてください。

5-7行目
[General]
Language=ja
FromLanguage=en
25-26行目
[Behaviour]
MaxCharactersPerTranslation=0
37-38行目
OverrideFontTextMeshPro=Gothic-regular_u2019
FallbackFontTextMeshPro=Gothic-regular_u2019

書き換えた後またNebulous (Patch and Run)を起動、同じくメインメニューまでたどり着いたら落としてください。

\Translation\ja\Textというディレクトリが生まれるので、そこにある_AutoGeneratedTranslations.txtを私が今後公開するtxtに入れ替えていただきます(つまり、現状では日本語化は不可能に近いです。もうすこしお待ちいただくか、steamワークショップに存在する旧日本語化手順のガイドに置かれているファイルを使用ください。)

これで日本語化は完了です……が、最後に一つだけ問題があります。

ボイスMODとテキスト日本語化MODを併用したい場合

困ったことになりました。これらは一つの同じUnityのソフトを使い、UIを変更しています。そのおかげでこれら二つをただ同時に入れるとどちらか片方が機能しなくなります。

ですが、ご安心ください。解決策はあります。
以下のリンクからHarmony.zipを取得、/Nebulous_Data/Managedに上書きしてください。

https://ux.getuploader.com/maosNEBULOUS_JP/download/1

操作はこれだけです。これで日本語ボイスと日本語文章の両立が出来ます。


最後に

この記事とその内容のものを作るにあたって、NEBULOUS:fleet commandの公式discordサーバの方々、ボイスパックMODを作成し、さらに日本語化との衝突の解決策を示してくれたshadowlotus氏、各種MODの作り方をアップロードしてくれたTuna氏、テキスト日本語化MODの先駆者であり、ガイドとして出してくれていたtouringsamurai氏とそれを引き継ぎデータを残してくれたaverage34氏には格別の感謝を申し上げたいと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございます。よろしければぜひtwitterや私の個人サーバ、https://beretsky.net/の方で感想や意見などをいただけると幸いです。
また、私の知り合いが管理しているNEBULOUSの日本語話者向けサーバも、ご興味がございましたら是非参加していただけると幸いです。

ご覧いただき、ありがとうございました!

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