新作楽曲のセキュリティはどうなっているのか

 今回の記事は音楽ネタだが、全く技術的・評論的な話ではない。きっかけはこの人のツイート。

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 リプライまで読んでわかったがこの「歌い手」とは自分のことではなく、教え子。この人はシンガーソングライターのボイストレーナーで、「教え子から相談された仮歌がヘタクソで困っている」。それも歌唱指導の一環だろうに(むしろ下手な仮歌のおかげで仕事が増えている)、自分はシンガーソングライターで歌える強者だからって随分よその作曲家に対してウエメセだなあ。だが、これだけならあくまで「ムカつくトレーナーの放言」だけで終わった。リプライによると、仮歌代行もしてるらしい。

 が、ちょっと待て。そもそも新作の仮歌をもらったボーカリストが、それを外部のトレーナーに持っていって相談するっていいのか。完全に情報漏洩じゃないか。

 クラシック楽曲や、既存曲カバーなら問題ない。だが、まだ世に出ていない新作音源を他人に聴かせてしまう行為は、セキュリティ的にアウトだ。
 作曲家本人に許可を取ってるならもちろん問題ない。だが、「あなたの仮歌は下手でよくわからないので、外部に相談します」なんて言えないだろう。そして、相談相手が「作曲もやってるトレーナー」というのがまずい。仮歌をもらって少ししてからレコーディング、1,2ヶ月後には世に出るとしても、ボカロ曲のネット公開だったらタイミング的に「本人より早く」盗作できてしまう。性善説でセキュリティは成り立たないのだが、音楽業界のセキュリティは一体どうなっているのか。

 随分と軽率な発言だったと思う。一つは傲慢・ウエメセ発言として。そして、シンガーソングライターの立場で「仮歌をもらったボーカリストから相談を受け、仮歌代行をしたり指導しています」と実名で公言してしまったこと。これだとのちに「盗作された!」と言いがかりをつけられても反論しにくくなってしまうよ。
 これは本来、増田とか5chに書くレベルの話だ。あるいは居酒屋での愚痴。Twitter舌禍は、あちこちにある。

 まとめとしては、作曲家の皆さんは、仮歌をボーカリストに渡す時に気をつけましょうね。こんな文句言われたり情報漏洩するくらいなら、もうボーカロイドでいいじゃん。