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男勝りな幼馴染が何故か急に乙女になりました

咲月:おりゃおりゃおりゃーっ…!!

ズコッ…


咲月:いいてっ…


キーンコーンカーンコーン


先生:はい…菅原遅刻

咲月:え!なんでよぉ…!!

先生:だって校門通ってないだろ…?

咲月:なんでなんで!転んでなかったら間に合ってた…!!

先生:うるせぇなぁ…間に合ったことにしとくから早く行け…笑

咲月:っしゃ…!先生ちょろーい笑

先生:おい…遅刻にするぞ笑

咲月:あー!ごめんなさーい!!

…………………………………………………………

〇〇:咲月の声教室まで聞こえてきたけど朝から何してたの?笑

咲月:え…まじっ…?!

先生:菅原さんどうしました…?

咲月:あ…なんでもないでーす!

先生:静かにしてくださいね…?

咲月:ごめんなさい…あははっ…

〇〇:ほんと声でかいなぁ…笑


隣の席のこの子は俺の幼馴染の菅原咲月

男勝りな性格でとにかくうるさい…

まぁ良く言うなら元気いっぱいって感じかな…?笑

基本的に何事にも全力で取り組むタイプだけど空回りしてるところをよく見る気がする…

そんな咲月も勉強には全力を出せないようで授業中は…


咲月:ねぇ…〇〇これ食べる?

〇〇:授業中だぞ?笑

咲月:だってつまんないしよく分かんないんだもん笑
ほら…いいから口開けて…!

〇〇:んぐっ……


勝手に口にお菓子を突っ込まれました……


咲月:あっ……笑

〇〇:ん…?


咲月が見ている方向を見てみると…


先生:授業中に食べるお菓子は美味しいですか〇〇くん…?

〇〇:っ…!!

咲月:ふははっ……笑

〇〇:(最悪だー!!!)

………………………………………………………

お昼になると……


咲月:これちょーだいっ…!

〇〇:あ…ちょっとっ…!


俺の大好きな唐揚げを取られました…


咲月:ねぇ…いいでしょっ…!

〇〇:だってもう箸で掴んじゃってんじゃん…笑

咲月:ふふっ…いただきまーすっ…!!


あぁ…さよなら…俺の唐揚げ


咲月:んー!うまぁ…!

………

咲月:さすがに全部食べるのは悪いから半分は返すね…?はい…どうぞっ…!笑

〇〇:いや…もうそれは咲月食べていいよっ…笑

咲月:ん!いいからっ…!

〇〇:んぐっ…!


またしても口に食べ物を突っ込まれました……

間接キスになっちゃうから遠慮したのに……


咲月:おいしっ…?

〇〇:うん…美味しいよっ…笑

咲月:よかったっ…!笑

〇〇:なんかその言い方だと咲月が作ったみたいじゃん…笑

咲月:別にいいじゃんっ…!笑

〇〇:まぁいいけどさ…笑

……………………………………………………………

咲月:おりゃおりゃおりゃぁ…!


午後からの体育でも男女混合のバスケで大暴れの咲月

同じチームだけど咲月が頑張ってくれるから俺は何もしてない……笑


咲月:っしゃぁっ…!


ちょっとボーっとしてる間にまた咲月がシュートを決めたようで……


咲月:見てた…?!〇〇っ…!!

〇〇:お…おう…!見てたっ…!


ほんとにうるさい幼馴染だけどこういう無邪気なところを見ると純粋で可愛らしいなと思う


その後もひたすら走り回っていた咲月だが……


咲月:痛っ……!


ジャンプして着地した際に足を挫いて転んだ


〇〇:咲月…大丈夫っ…?

咲月:う…うん…大丈夫だよっ…?


明らかに笑顔が引き攣っている咲月


〇〇:そっか…ならいいけど……

咲月:うんっ…ありがとねっ…!


咲月は立ち上がると何事も無かったかのように戻っていった


〇〇:大丈夫かな……

…………………………………………………………

そのままその日の授業は終わり放課後……

俺は咲月と2人で帰っていた


〇〇:今日の咲月すごかったね…笑

咲月:でしょっ…?!めっちゃシュート決まったの…!

〇〇:あんなに得意ならバスケ部入れば良かったのに…笑笑

咲月:うーん…なんか部活でやるのは違うんだよね〜笑 遊びでやるから楽しいっていうか…笑

〇〇:あー…まぁ確かにそれはあるわ…笑

咲月:でも〇〇運動苦手じゃん…!笑

〇〇:うっさいなぁ…笑


そんな会話をしながら歩いていると……


咲月:いっ……!

〇〇:………咲月…?


一瞬咲月の足が止まった


咲月:あ…なんでもないよっ…笑


咲月はまた引き攣った笑顔を見せた


〇〇:咲月…無理しなくていいんだよっ…?

咲月:えっ…?

〇〇:体育の時に痛めたんでしょ…?

咲月:そうだけど…大したことないからっ…笑

〇〇:絶対嘘…ほら…俺が家までおんぶしていくから…


俺は咲月の前で背を向けてしゃがんだ


咲月:いやいいよ大丈夫…!恥ずかしいからっ…!

〇〇:どうせここらへん人通んないし大丈夫だって…ほら…早くっ……

咲月:ん……///


咲月はゆっくり俺の背中に体を預けた


咲月:ね…ねぇ…重く…ない…?///

〇〇:全然…むしろ軽すぎて心配になるくらい…

咲月:そ…そっかっ…///


俺は咲月をおんぶしたまま歩き始めた


咲月:ねぇ…私汗臭くない…?大丈夫っ…?///

〇〇:大丈夫だよっ…笑

咲月:なら…いいんだけどっ…///

咲月:あ…あのさっ…ほんとに重くないっ…?///

〇〇:大丈夫だって…笑

咲月:そっか……///


いつもと様子が違う咲月が気になったがそのまま歩き続ける

しばらくするとまた咲月が話しかけてきた


咲月:〇〇に聞きたいことあるんだけどさ…///

〇〇:んー…?

咲月:〇〇って…す…好きなひ……あ…やっぱりなんでもないっ…///

〇〇:なんだよっ…さっきから咲月らしくないなぁ…笑 聞きたいことあるなら聞いていいよっ…笑

咲月:うんっ…///
あのさ…〇〇って…好きな人とか…いるのっ…?///

〇〇:好きな人かぁ…いるよ…?笑

咲月:いるんだっ…その人って…どんな人っ…?///

〇〇:えっとね…いつもうるさいけど何事にも全力で純粋で笑顔がすごく可愛い子…かなぁ…ほんっとにうるさいんだけどいつも元気貰えるんだよね…笑

咲月:ふーん…そうなんだっ…〇〇にそう思ってもらえるなんてその子は幸せ者だねっ…笑


咲月はちょっと悲しそうにそう呟いた


〇〇:え…もしかして気づいてないっ…?笑

咲月:………なにがっ…?

〇〇:俺…咲月の事言ったんだけど……笑

咲月:…………えぇぇ…?!

〇〇:咲月しか当てはまらないでしょ…笑

咲月:………そっかっ…///
ん…でもうるさいは余計なんだけどっ…///

〇〇:だってうるさいじゃん…でも良い意味でね…?笑

咲月:良い意味でって言えばいいと思ってるでしょっ…///ばかばかっ…///

〇〇:なんか変だよ咲月…笑

咲月:だ…だって変になっちゃうでしょっ…///
自分の好きな人と両想いだったんだからっ…///

〇〇:えっ…?

咲月:私も……〇〇の事…好きなんだもんっ……///


そう言って咲月はぎゅっと腕に力を入れた


咲月:ん〜……恥ずいんだけどぉ…///

〇〇:俺ら…両想いだったんだねっ…///

咲月:……ねっ…///

………

少しの沈黙の後…咲月が口を開く

咲月:ねぇ〇〇っ…なんかずっとくっついてるの恥ずいから下ろして…///

〇〇:だめだよ…足痛めてるんだから…

咲月:ふふっ…ほんと優しいねっ…そういうとこ好きだよっ…?///

〇〇:咲月ってそんなキャラだっけ…?笑

咲月:むぅ……私だって彼氏の前では乙女なんですぅ…///

〇〇:可愛いじゃんっ…///

咲月:んー!やめてっ…///

〇〇:咲月がこんなに甘えてくるとは思わなかった…笑

咲月:あーもうっ…!うるさいっ…///

ちゅっ…♡


〇〇:なっ……///


不意打ちで後ろからほっぺにキスされました……


咲月:こうなったら〇〇が困るくらい甘えてやるぅ…///


この日から咲月は俺と2人きりの時だけ甘えてくる乙女になりました……笑

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