発達を戻すと、発達が促進する

Maoris療育セラピストの竹村です。
数年前にダウン症の女の子(1歳11か月)がパパに抱かれてセラピーにやってきました。

お子様だけをお預かりするといった完全分離スタイルのセラピーでは、通常子どもはセラピーに慣れるまでは両親と離れることに対して、悲しくなってしまいます。
しかしこの女の子は、開始間もなくにも関わらず、自らパパの腕から降り、可愛らしい笑顔で、とことことセラピールームに入ってきたのです。まるで「ここは自分が頑張るところ」だとわかっていたように。

今日はその女の子が歩く機能を高めるために私が行った練習方法をご紹介します。

実際のところ、その女の子は歩くといっても足腰はまだまだしっかりしておらず、5m程度歩けばこけてしまうようなとても不安定な「よちよち歩き」の状態でした。
言葉面は「うん、ううん」というYES/NOの意思表示は可能で、「こっちにおいで」といった簡単な指示には理解を示し、なんとなく従えるといった感じでした。

普通であれば、歩けるようになったお子さんには、「もっともっと歩いてください」というのが正論なのかもしれませんが、私がそのご両親に伝えたことは「安定したハイハイの練習をしっかりとさせてください」ということでした。

Maoris療育サークルの中でも、そしてこちらの記事でも以前お伝えしましたが、発達には順序があるのです。中々発達が先に進まないと悩んでいる場合は、身体からの「まだ」というサインなのです。「この先」の練習をするのではなく、一歩戻って「できるようになっていること」をみっちりやってあげることで、身体が先に進めるようになります。

安定したバランスのとれた歩行を目指すには、しっかりした体幹、そしてしっかりとした首、手、足が必要になります。ハイハイは楽しみながら身体を鍛えることができるので、歩行するための身体づくりにはおすすめです。

身体と脳を繋げて整えるのは、やはり運動なのです!

一度立ち上がり、歩くことができるようになった子どもに、飽きさせないでハイハイをさせたコツは今日のMaorisサークルの中でご紹介しています。

今日もMaorisは発達に遅れのあるお子さんとその家族に思いをはせています。ご両親のご自宅での努力は、必ずいつか色々な形で花を咲かせます。

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