いのちの車窓から2 読了
星野源さんのいのちの車窓から2 読了
どうしても初めて読んだ感想を書かずにはいられない気持ちになったので、今の気持ちを日記のように記しておく。きっと2回目はまた別の気持ちが湧き出るかもしれないけど、日記だから今の気持ちを。
何年かぶりに、書籍の到着が待ち遠しくて
ネットで配送記録を見たり
郵便受けを日に何度も覗きに行ったりした。
こんなことは、ハリーポッターの最終巻以来だと思う。
本の到着を確認するとまず手触りを確かめ
ページをぱらぱらめくった。私のいつもの行動だ。
そして挿絵を見たり、カバーを外して装丁を確認したりする。
新作はどの章かなと、目次を見たりページをめくったりもする。
気になる文章を見つけ数行読んだりして
「いかんいかん!」、
と慌てて閉じた。
一度読み始めたらきっと時間を忘れて読み耽ってしまう。
そんな予感がしていた。
まずは家事を終わらせ、
ひとしきりメールを確認し
トイレも歯磨きも済ませて、
そしてついにページを開いた。
最初の「新年」を読み始めたところで
耳元で蚊が甲高い羽音を立てて飛び回り始める。
イラッとした。
集中できないので本を閉じ
ひとしきり蚊を追いかけ回し
殺虫剤を部屋に振り撒き
改めてもう一度最初からページをめくり・・・・・
気づいたら後書きを読んでいた。
深夜1時を過ぎている。
明日が休みでよかった。
この本ヤバい
とてつもなくヤバい
とにかく最終章の「いのちの車窓から」の文章構成、内容、言葉の選び方が圧巻だった。
1巻の最初の章と比べても
いや、この本の「新年」の章と比べても
読んでいてその文章への、のめり込み方が違った。
源さんが今まで経験したこと、読んだ書籍、出会った人、考えたこと、アップデートしたことが全て反映され、読んでいて脳みそが気持ちが良かった。
そして何か覚悟のようなものを感じた。
この一冊を世に出すために、とてつもなく考え、小さな違和感も見逃さず修正し、文章を紡ぎ出したことが行間からも伝わってくる
私はこの本に収録されている「POP VIRUS」の章が好きで、
それが載っているダヴィンチを、いつも枕元に置き時々読み返していたのだが、改めてこの本で読んでみると、雑誌掲載時の文章が精選されより心の中にすとんと落ちやすくなっていた。
生田斗真さん本当にいい人。
「言葉の排泄」の章は、雑誌掲載時は読んでるうちに心が痛くなり読み返すことができなくなっていたが、今回は苦しくならなかった。源さんの文章が連載当時よりも、少し客観的になったからなのかもしれない。
そして「喜劇」の章では、私が最初に喜劇を聴いた時感じた、
アニメの曲なのになんとも言えない現実感、
夜近所の桜並木を家族と歩いているようなリアルさを感じた意味がわかった。私はあの曲を聴いた後、あの歌詞が頭から離れず、何故か自分の家族や自分の身の回りの風景とリンクして、どうしても1枚の絵を描きたくなったのだが、その答え合わせができた気がした。この話が読めて本当によかった。生活が苦手だった源さんが、生活を楽しめるようになってよかった。あの歌は源さんの歌だけど、いろいろな人の歌です。ますます「喜劇」という曲が好きになった。
私はきっとこの本をこれから先何度も読む
その時々でまた新しい発見をする
そして 「どうありたいのか」 を考える
考えた後、きっと
その時の心の内を書き留めたいという気持ちになるのだ。
源さんの文章は人の心を動かし
その人の創作意欲を沸き立たせ
倒れそうになる背中をそっと支えてくれる。
不思議な力のある文章だ。
それは米澤穂信さんが書いた推薦コメントの
「いのちへのまっすぐさ」
なのかもしれない。
源さん 素敵な本をありがとう。
私の枕元文庫に大切な本が増えました。
この本は、これからずっと私の友達です。
2024.10.1 深夜2時16分