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思い出は過ごした時間の長さと比例しない


生きものと一緒に暮らすこと。
自分以外のだれかと一緒にいること。

その中で、いつか必ずやってくる別れのとき。
必ずやってくると分かっていても、お別れは悲しい。苦しい。つらい。
何十回、何百回繰り返しても、いつまでも慣れない。



2021年の夏、
真夏の暑い部屋で3日間ひとりっきり。
飲み水もからっぽの中、ギリギリ命を繋いでたきみを見つけて、大慌てで連れて帰ったのを昨日の話みたいに思い出す。

喪服姿のまま、【レオパ 飼育 必要なもの】を検索しながらお店に行って、あれもこれも用意して。
すぐ帰宅して給水をして、「しなないで」と祈りまくった。

そこから、人間ふたりとうさぎ、トカゲの4人暮らしがはじまった。



ごはん食べない
うんちもおしっこも出ない日が続いて、
強制的に食べさせて噛まれたりもした。(夫が)

なんのこっちゃ分からない中、名前と性別が分かり、呼びにくかったのでちょこっと改名させてもらった。ごめんよ。
あれやこれや奮闘してるうちに、よく食べ、よく動き、よく出すように。
めちゃくちゃ安心してめちゃくちゃうれしかったこともずっと覚えてる。

きみには、ほんとに嫌なしんどい思いをさせてしまったし、環境も大きく変わったりでたくさん負担をかけてしまったね。


もっともっとしてあげられることがあったはず。苦しんでた夜、すぐに救急病院まで連れて行けばよかった。朝なんて待たずに。
鳴いて訴えてたのに。助けてって言ってたかもしれないのに。
そうしていれば、
もう少し苦しまずに、つらい思いをさせずに、ひとりっきりで逝かないで済んだのかもしれないのに。
またひとりにさせてしまったのか。

結局、きみのことも助けられなかった。わたしは何もできなかった。
ほんまにほんまにごめんなさい。



いつもの可愛い可愛い姿のまますぎて、「もう何?」っていつものように薄く目を開けるんじゃないかって期待した。
そんな奇跡は起きないことも分かってるんだけども。

夫が「しんでしまったのは誰のせいでも、何のせいでもない。
今まで命を繋いだんやな。
よくここまで頑張ったよ。」と泣きながら言ってて、ハッとした。

そうだった。
一年前の夏、あの日からずっとずっと、生き繋いできてくれたんだよね。
きみなりのペースで、精一杯生きてくれたんだよね。

一緒に暮らした、1年数ヶ月。
短すぎる時間だけど思い出はたくさんあるもので。

ケージをよじ登ろうとしたり、葉っぱの上に乗ろうとして落ちてはまた乗りに行ったり。
シェルターの上に入って隠れて寝てたり、お腹すいたら外に出てきてアピールしてきたり。
お腹すいてないのにごはんが出てきたら、おしりをぷりぷりしながらシェルターの中に帰ったり。

シェルターの上で寝てるの巻


いろんな行動や表情を見せてくれるのが、可愛くておもしろくてかなりミステリアスで。
爬虫類ってこんなに可愛いんだな…ってことを教えてくれた。

今日まで一緒に生きてくれて、本当に本当にありがとう。

ずっとずっとずっと、だいすきだよ。

またね。

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