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陰のゴリラは声が怖い


突然電話をかけてくる友人がいる。
着信画面を眺め、収まって30分後くらいに「電話に出られずすまない。どうした?」とLINEすると「いえいえ、また電話します」と来る。そんなことをずっと繰り返している。
先方はLINE電話でかけてくるので用件を文字で送ればいいものを、テキストでは嫌な何かがあるのか。
私は音声が嫌なので永久にすれ違っている。

突然の電話は本当にやめてほしい。特に家でゆっくりしている時に電話に出るのはつらすぎる。
人と関わることでエネルギーを得る陽気なタイプの人にはわからないかもしれないが、人と関わるとエネルギーが減り、一人で過ごすと元気になる陰のタイプの人間がいる。
陰の人間は一人の空間から抜け出して人間と接するまで、気持ちの切り替えのために結構な労力が必要なのだ。

私の場合の社交場にでるまでのステップを解説すると
1.人と関わる元気があるか確認する
2.手持ちの元気がこれから関わる人に耐えられる量か確認する(疲れる人の場合には倍速で元気がなくなる)
3.自分を鼓舞する(元気が出る音楽を聞いたり吠えたりする)
4.社交スイッチを入れる(冬の朝、布団から出るときのような『よいしょ!!!』みたいな気持ちにする)
5.心の曇りを一切見せぬよう最高の笑顔を作る

おわかりいただけるだろうか。
突然電話がかかってくるということは、なんの準備もない状態に突然5を求められることなのだ。
毛布にぬくぬくとくるまっているところへ、外気で冷えた手を急に差し込まれるのと同じ気持ちになる。そりゃ逃げるよ。

仕事の場合は、職場という社交場に出ることが金をもらうことの一部なので元気予算に関係なくがんばれる。
自分のテリトリーに他人が入ることに異常に動揺するのだ。 
小学生の時、家に友達が遊びに来てくれたことに動揺し、力加減がおかしくなり麦茶を飲みながらコップを噛み割ったことがある。
陰のゴリラだ。

クラブハウスが流行っているのを見ると、音声コミュニケーションに抵抗がない人が多いのかもしれないと思う。
職場の人(SMじゃない方)が親切に招待してくれようとしたが丁重にお断りした。家に帰ってまで職場の人と何を話すというのだ。
1週間やれば多分発狂する。

クラブハウスが苦手な人のために、crab houseというアプリがある。
ログインすると部屋にカニが1匹増える。
部屋にカニがいっぱいいると、ログインしてる人がいっぱいいるんだな、とわかる。
ただそれだけ。
カニ同士のコミュニケーションはない。非常に安心できる癒やしアプリだ。

同じ種類の人、部屋にカニを増やそう。
どのカニが自分かもわからないが、「クラブハウス?一応やってますよ」と言えるし。

そして電話に出ない人へは2回目以降から用件を文字で伝えてあげてほしい。
十中八九、陰のゴリラなので人間が怖いのだ。
でも文字は大丈夫なのでよろしくお願いします(ゴリラより

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