『経営の協働化・大規模化の推進』 〜介護分野の今後の施策の方向性②〜
「我が国の財政運営の進むべき方向」(財政制度等審議会)
令和6年5月21日付けで財政制度等審議会・財政制度分科会が取りまとめた、「我が国の財政運営の進むべき方向」(建議)の中から、
今後の介護分野の施策の方向性についての情報をご紹介していきます。
この記事は、「我が国の財政運営の進むべき方向」から要点を抽出し、
主に箇条書きで要点を記載したものです。
記事の中で解説は行っていません。
今回のテーマ
今回は、前回に続いて、
建議の「3 介護」の中の「生産性の向上」のための施策の1つ
「経営の協働化・大規模化の推進」について確認していきます。
1 介護給付の適正化に向けての基本方針
(1) 介護給付の適正化に向けての基本方針
中長期的に増大する介護需要に応えられる体制を構築していく
(2) 現状の問題点
85 歳以上人口の増加(1人当たり介護給付費が急増する年代)
現役世代(支え手)の減少
(3) 介護給付の適正化に向けた3つの視点
保険給付の効率的な提供 ← 今回のテーマはこの中の1つ
保険給付範囲の在り方の見直し
高齢化・人口減少下での負担の公平化
2 経営の協働化・大規模化の推進
(1) 介護事業者の収支状況からの提言
「我が国の財政運営の進むべき方向」の参考資料を先に掲載していきます。
1) 介護事業者の収支状況の傾向
在宅・施設とも、規模が大きいほど収支差率が上昇している
営利法人と社会福祉法人の比較では、営利法人の方が良好な収支差率となっている
2) 収支状況を改善させるための方向性
規模の利益を生かす
介護現場の業務の効率化を図る
職場環境の改善を図る
3) 提言① 介護事業者の収支状況からの提言
令和5年度(2023 年度)補正予算で措置した、下記の支援策を活用して
経営の協働化・大規模化を早急に進めるべき
人材の一括採用
事務処理部門の集約
老朽設備の更新等
(2)介護業界や社会福祉法人の現状からの提言
「我が国の財政運営の進むべき方向」の参考資料です。
1) 介護事業者の参入状況
介護事業者の休廃業等の件数は増加している
休廃業以上に新設法人が介護市場に参入している
新規法人の多くは営利法人の事業者である
2) 社会福祉法人の現状
新規設立・解散・合併のいずれも少ない
社会福祉法人の過半は、1法人1拠点又は2拠点となっている
(小規模な法人)小規模な法人の利益率は低調な傾向にある
3) 社会福祉法人の規模による傾向
社会福祉法人の規模が大きくなるほど下のような傾向がある
労働生産性は高まる傾向にある
特別養護老人ホームの職員1人当たりの給与も増える傾向にある
4) 提言② 介護業界や社会福祉法人の現状からの提言
社会福祉法人における
経営の協働化・大規模化を円滑に進める環境整備を更に図るべき
3 事務所主催のセミナーの予定
(1)noteのマガジン
関連記事をマガジンとしてまとめています。
(2)マツオカ会計事務所のセミナー
事務所で顧問先様向けに定期開催しているセミナーでは、
「我が国の財政運営の進むべき方向」の内容をさらに掘り下げて、
解説をしていく予定です。
顧問先様への個別のご案内と、事務所ホームページのお知らせからのご案内を予定しています。