ぼくに日本を与えてくれた映画
映画「君よ、憤怒の河を渉れ」は、われわれの世代にとって最も強烈な日本の印象を与えてくれた作品だ。四〇年近く前に、初めて日本にやってきた時、三重大学の近くにある農家の木造住宅に住んでいた。貧しくて、東京へ行くお金もなかった。ボロボロの自転車を買って毎日学校へ通い、広がる田んぼやトラクターで耕作する光景を目にしていた。北京の景色とのギャップに戸惑いを感じていたが、そんな時に、映画「君よ、憤怒の河を渉れ」のことを思い出し、特に真由美が杜丘を救うために深夜の新宿で群れの馬を放つシーン