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保護犬をお迎えするまで④

はなちゃんの話

我が家にほど近い公園は、園内に小川が流れていたり、よく手入れがされているバラ園があったり、夏には蛍が飛んでいたりと、とても心落ち着く場所である。

今は紅葉が見頃

公園の散歩中に知り合った推定年齢14,5歳になる柴犬のはなちゃんは、元保護犬だ。
保健所から引き取ったのは10年以上前だという。
最初は迷い犬だったのか警察で保護され、その後保健所に移されてすぐに引き取りに行ったそうだ。引き取ったときは瘦せ細って皮膚病がひどくほとんど毛がなかったため、犬種が分からなかったそうだ。
皮膚病が治り、だんだん健康状態がよくなって毛が生え始めて、やっと柴犬だと分かったのよと、はなちゃんの飼い主さんは笑って言った。

話を聞きながら、はなちゃんの飼い主さんの愛情と優しさに泣きそうになった。猛烈に感動した。
病気を抱えているワンちゃんを引き受けるなんて、なかなかできることではない。
はなちゃんは穏やかな目をした優しい子だ。吠えているところを見たことがない。
子犬の頃はどこにいたのか、ろくにご飯も食べられなかった時もあったのだろうが、今は満たされてとても幸せそうに見える。
ご高齢の飼い主さんと寄り添ってゆっくりゆっくり歩いている姿を見ると、いつもじんと胸が温かくなる。


保健所のこと

はなちゃんのケースとは違って、飼い主の都合で保健所に持ち込まれることがあるらしい。
そんな保健所に持ち込まれた子犬のトイプードルを元飼い主からその場で引き取って連れて帰り、警察犬になるまで訓練したという、犬訓練士の鈴木博房さんの新聞記事を読んだことがある。

気になって調べたら児童書が何冊か出版されていたので、図書館で借りて読んだ。

頑張り屋さんのアンズちゃん。鈴木さんと二人三脚で立派な警察犬に成長していく姿に、読みながら思わず力が入る。
この表紙の凛々しい顔つきを見れば、いかにアンズちゃんが「警察犬」という仕事に誇りを持っているかがよくわかる。

こんな私でも微力ながら、はなちゃんやアンズちゃんのようなワンちゃんを1匹でも救えるならと考え、さっそく近くの保健所に問い合わせてみた。
すると、動物管理愛護法が何度か改正されたおかげで保健所に収容されるワンちゃんが激減しているとのこと。

全国の犬・猫の引取り数の推移(環境省ホームページ「統計資料」より) 

たまたまだったのかもしれないが、残念ながらその時は1匹もいなかった。

日本における犬の殺処分数は年々減少しているという。
まだ目に見えない課題はあるのかもしれないが、ペットは終生大事な家族だという認識が広まってきていることはいいことだと思う。
近い将来、殺処分がゼロになる日がくることを願ってやまない。

保護犬をお迎えしようと決めてもう3ヶ月が過ぎようとしていた。
運命の出会いはこれからである。

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