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歴史、花、海、ダンス!?「イエール」の盛り沢山な一日
イエール(Hyères)は、地中海に飛び出ている半島があるまちで、「黄金の島々」と呼ばれる3つの島を有しています。
まちに7000本のヤシの木が植わっていることから、イエール=レ=パルミエ(Hyères-les-Palmiers、ヤシの木のイエール)とも呼ばれています。
中世に形成された、要人たちの保養地
イエールの歴史は古く、紀元前からギリシャ人たちが定住していたといいます。
中世には商業や貿易、貴族の影響によってまちが形成され、11世紀には城が築かれています。イエールの公爵がルイ9世やイタリアのメディチス家をもてなしたという記録もあります。
19世紀にはイギリスのヴィクトリア女王をはじめ、多くの要人が保養地としてイエールに滞在しています。
今回は、オフィス・ド・ツーリズムでもらった1時間半のコースを巡りました。
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絵になる鮮やかな街並み
中心部は可愛らしいパステルカラーの建物が並んでいます。レストランやお土産屋、雑貨屋などがあって賑やか。
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「parcours des arts」という看板が出ている通りは、センスのよいギャラリー兼アトリエがたくさんあり、入ると作家本人が作品を説明してくれます。
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ブーゲンビリアをはじめ、さまざまな花が咲いていて、すごく絵になります。イエールは花が豊かな町や村が選ばれる「Villes et Village Fleuris(花いっぱいの町と村)」で、最高ランクです。
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教会へ続く門の前のやぐら付きポーチ。16世紀に建てられ、19世紀に何度も改築・増築されたそう。
近づくと、アーチの内側が星空の柄になっていました。
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建築物が歴史を物語る
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真ん中に写っているのが、サン・ポール・コレギウム教会です。12世紀に建てられたロマネスク様式の建物で、14世紀にはゴシック様式の身廊ができたそう。
イエールは古くから歴史があるまちだけに、中世からの建物が点在していますね。
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「カステル・サント・クレール公園 (Parc du Castel Sainte Claire)」には、フランス人将校であり考古学者のオリビエ・ヴーティエが眠っています。彼の功績は1820年、キクラデス諸島への遠征中に「ミロのヴィーナス」を発見したこと。
生前はこの高台に邸宅をかまえ、家族と控えめな生活を送っていたそう。
モダニズム建築 × アート
「ヴィラ・ノアイユ(Villa Noailles)」は、美術収集家のノアイユ子爵夫婦が、別荘として1923年代に建てたもの。フランスのモダニズム建築の先駆けです。コクトー、ジャコッメッティ、ダリ、マンレイ、ブニュエルなど名だたる芸術家たちが、ここでバカンスを過ごしたとか。
現在はイエール市が所有していて、美術館や展覧会会場として使われています。
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この日は現代美術作品の展示がされていました。インスタレーション的な作品が多くて、当時のモダニズム建築とマッチしていました。空間全体を楽しむ感じ。
「コート・ダ・ジュール」を生んだ海
コースを巡り終わったので、夕暮れ前に海まで足を伸ばしました。
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19世紀後半、ワインの生産地ブルゴーニュから訪れた作家が、このイエールのビーチを訪れたとき、海の青さにたいそう感動しました。作家はイエールの海を、ブルゴーニュにあるぶどう畑の丘を表す言葉「コート・ドール Côte d’Or(黄金の丘)」になぞらえて、「コート・ダジュール Côte d’Azur(紺碧の丘)」と命名しました。
現在、コートダジュールと呼ばれるエリアの中心はニースですが、もとはイエールだったんです。
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ビーチを歩いていたら突然エンジン音がとどろき、スモークの線を引きながら飛行機が登場。アクロバット飛行を披露してビーチにいる人たちを驚かせていました。
夜の旧市街では深夜までダンス!
中心部に戻りレストランで夕食を食べてから、酔い覚ましも兼ねて夜のイエールを散策しました。
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レストランやカフェのテラス席がずらりと並ぶマシヨン広場。奥でライトアップされているのは「Tour des Templiers(テンプル騎士団の塔)」。
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塔の下では人々がDJブースを囲んでめっちゃダンスしてる!
このとき時刻は23時半。夏の南仏の日暮れは21時頃というのもあり、深夜になってもみんな帰りません。それにしても若者から高齢者まで、それぞれのスタイルでとっても楽しそうに踊っています。
しばらく夫と眺めていたら、夫が「俺も踊ってくる」と行ってしまいました。えーっ!
ダンスなんて気恥ずかしくてできない私は、呆気にとられて見ているしかできませんでした。
日付が変わってからホテルに戻りました。建物の入口で立ち止まったら、何かがガサゴソと動いている音がします。脇にある花壇を見ると・・・
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ハリネズミです!南仏では野生のハリネズミが民家の庭などに出没するそうです。
あまりにも盛り沢山なイエールの一日。この日記もいつもより長くなりました。
見どころがたくさんあるので、イエールを訪れるときは1泊することをおすすめします。
できれば深夜のダンスも楽しんでくださいね。
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