りゅうちぇる。大好きだから戻ってきてよ。ぺこちゃん。本当にごめんね。
※注:これから私が、「(りゅうちぇる、もしくはぺこちゃんが)言っていた」と書く内容は、私がお二人に直接聞いたりお二人以外のTwitterやインスタグラムで拾ってきた内容ではなく、りゅうちぇるとぺこちゃん本人がYouTubeや雑誌のインタビュー、インスタグラム等で語っていたものです。話し言葉を文字に起こすと伝わりにくいので、内容は変えず、語尾を少し変えています。
ぺこちゃんは言っていた。「私たちの報告(りゅうちぇるの性自認やそれに伴う離婚・新しい形の家族となったという内容の報告)で、皆さんに心配かけてしまって申し訳ない。」と。
そんなことで謝らないでよ。SNS上のあななたちしか知らない私たちが過度に心配してごめんね。心配とだからという理由でりゅうちぇるを非難し、新しい形を受け入れられなかった私たちが申し訳ないよ。ごめん、ごめんなさい。
りゅうちぇるは言っていた。「親として発信しなければいけなかったけれど、色々な角度からの声を心にも入れてしまって、新しい家族の形を皆さんに見せれなかった。そのせいで皆さんに心配をかけてしまって申し訳ない。」と。
申し訳なくなんかない、謝らなくていい。りゅうちぇるがあれだけ「親としての責任を果たす」って何度も伝えていたのに。それを信じずに、SNSにあげていないからっていう理由だけで育児放棄だのなんだの言ってごめんね。本当にごめんね。でも天国のあなたに届いていてほしい。私のように、2人を応援し、信じていた人もたくさんいたよ。SNSにアップしていなくても、一生懸命当たり前のように親としての責任・ぺこちゃんのパートナーとしての責任を果たそうしている姿は、実際に見てはいなくても、りゅうちぇるの純粋でまっすぐな姿勢を通して見えていたんだよ。
2人は「たくさん心配してくれてありがとうございます。」と何度も頭を下げた。
どうしてそうして私たちに頭を下げれるの?心配と言いながら心無い言葉をかけてきた人たちがたくさんいたでしょう?そんな、本当に浅はかで言葉の威力を知らない誰よりも無責任な私たちに対して、どうしてありがとうございますって頭を下げるの?「心配って言いながら心無い言葉をかけないで。」って言ってもいいんだよ。ありがとうございますって言わないでよ。心がギュッと潰れて、涙が出てしまう。
りゅうちぇるは言った。「ただ感謝の気持ちだけではなく、自分が親になった責任はちゃんとしっかり全うしたい・しなきゃいけないと思っていたから、前を向いてしっかりと生きていかないといけないと思えているし、頑張れる環境を与えてくれた周りの人にとにかく感謝している。」と。
りゅうちぇる。人に感謝できるって、一種の才能だと私は思うんだ。感謝って、すぐに忘れてしまうんだよ。親への感謝。パートナーへの感謝。周りの方への感謝。当たり前の存在にこそ感謝しないといけないのに、私みたいな人間はそんな感謝をすぐに忘れて生活してしまうんだよ。りゅうちぇるとぺこちゃんの、お互いの存在に感謝してるっていう姿を見て、私もそうでありたいと思うんだよ。そう頑張れるんだよ。そして頑張れる環境を与えてくれる周りの人は、りゅうちぇるのことが好きだから、魅力があるから。だからそういう環境を与えるんだよ。今のりゅうちぇるの姿が素敵で、大好きだから。そうじゃないとそんな環境準備してくれる人なんていないはずだよ。あなたは本当に素敵で、魅力的で、綺麗で、最高の存在だったんだよ。
ぺこちゃんは言った。「りゅうちぇるは、自分は男性が好きだから、別々に生きていこうということも言おうとすれば言えるのに、当たり前のことだけど、すごいことでもないけど、その選択を取らず息子の親という責任・覚悟・感謝を忘れずこの選択をしてくれたことに感謝している。りゅうちぇるを支えてくれているスタッフさん、心配してくれている皆さんにも感謝してもしきれない。」と。
ねぇ、本当にごめんね。ぺこちゃんがりゅうちぇるに感謝しているってみんなに伝えるくらいなんだから、りゅうちぇるって親としての責任を果たすっていう当たり前のことをちゃんとしてたんだよね。パートナーのぺこちゃんがそう言うんだもんね。なのに私たちが勝手な妄想でりゅうちぇるを叩いてごめんね。「子供をぺこちゃんに生ますだけ産ませといて自分は育児放棄して自由に生きている。」。そんな作り上げられた事実にわらわらと集まって叩いてごめん、ごめんね。本当にごめんね。
ぺこちゃんは言った。「りゅうちぇるとは夫と妻という関係性ではなくなったけど、大切な存在であり、息子のパパとママであり、家族であるということは変わっていない。」と。
この世界にはまだまだ書類上の夫婦こそ本当の夫婦であるということに囚われすぎている人ばっかりだよね。そういう考えもあるかもしれないけど、でも私たちはまた違った新しい形を探していくっていうことだったよね。私は2人が下したその決断とその新しい形に、とってもワクワクして、幸せな気持ちになって。頑張って欲しいなって、書類上の夫婦だけが夫婦ではない、パートナーではないというのを全世界に、笑顔で、幸せな姿で発信し続けて欲しいって思ってたよ。新しい形を見せてくれてありがとう。とってもワクワクしたよ。応援していたよ。ずっと応援していたかったよ。
ぺこちゃんは言った。「(りゅうちぇるが性自認について)皆さんに発表するのは計り知れない勇気だったと思う。それだけの勇気を振り絞ってしてくれたことを、その勇気を、価値あるものに絶対して欲しいと思う。りゅうちぇるが可愛くガーリーになっていく姿も嬉しい。なりたい自分に進化するりゅうちぇるを見て、良かったなと思う。だから大丈夫だよ、私は。」
ねぇぺこちゃん。私はこの言葉を笑顔で話すあなたの姿を見て、ぺこちゃんがパートナーであるりゅうちぇるのことを心底羨ましいと思ったんだ。もっと2人のことが大好きになったんだ。大好きなぺこちゃんがそう言うんだから、私もりゅうちぇるの勇気が価値あるものになって欲しいって、心から願ってたんだ。応援してた。
でもこうなってしまったら。こんな終わり方してしまったら。まるであの勇気がりゅうちぇるを死に追いやったみたいに思えてしまって。「価値あるものになってほしい」って言ったぺこちゃんを思い出して、もうどんどんどんどん涙が出てくるんだ。みんなでりゅうちぇるの勇気を価値あるものにしたかった。ごめんね。私たちのせいで、私たちが、りゅうちぇるの勇気をりゅうちぇるの死に変えてしまった。ごめんね、ごめんね。
りゅうちぇる。大好きだから。とっても綺麗だから。あなたを見ているとこっちまで嬉しくなるから。だからあっちの言葉を聞かずに、今のこの私の言葉をもっと聞いてよ。この言葉を心に入れてさ。それで戻ってきてよ。お願い。
ぺこちゃんは言った。「私の気持ちとしては、りゅうちぇるがどれだけ進化したとしても、私たちに生まれてきてくれた息子に対する親としての責任と覚悟さえ忘れずしっかり胸に持って過ごしてくれれば、本当にそれ以外望むことはない。」と。
そうだよね。いくら私たちが心配する気持ちを持ったとしても、ぺこちゃんがそれを望んで、それをしっかりりゅうちぇるが叶えてくれているのであればそれでいいよね。2人がそれでいいならそれでいいんだよ。SNSを使って2人の間に心配という理由でこぞって入り込んでごめんなさい。2人がいいなら、それでいい。そんな簡単なことも気づかずににあななたちの世界に入り込んで、汚くて鋭い言葉たちで、あなたたちの家庭をぐちゃぐちゃに壊してしまってごめんなさい。
ぺこちゃんは言った。「私はお仕事は週1回、2週に1回なので、日常は息子とアリソン(保護犬出身のとっても可愛いぺこちゃんの家族)。だけどりゅうちぇるはありがたいことにお仕事をたくさんいただけているので、その分家族の時間は少ない。その分、休憩時間が合いそうな時は息子を迎えに行ってくれたりとか、ちょっとでも息子と遊んでお仕事に行ったりしてくれていて感謝している。」と。
ここまで説明してもらわないと「SNSが全てではない」という事実に気づかない私たちは、あまりにも未熟で、浅はかで。虚しくなってくるよ。本当にごめんね。こんな優しい言葉と心で、必死に伝えようとしてくれてありがとう。
ぺこちゃんは言った。「何より息子は「ダダ、ダダ、ダダ」ともう(りゅうちぇるのことが)大好きだから。アリソンもりゅうちぇるのことが大好きだから。おしりが取れそうなくらい振ってお出迎えする。我が家の子供だちはりゅうちぇるのことが大好き。」
もう、息子のリンクくんとアリソンには、そんな大好きなダダがいない。大好きなダダは、この世界からいなくなった。
リンクくん、アリソン。あなたたちからダダを奪ってごめんなさい。ダダと一生会えなくさせてしまってごめんなさい。私たちのいらない心配よりも、大好きなダダからの愛情の方が、もう比べ物にならないくらいあなたたちの人生にとって必要な存在だった。そんなことは知りもせず、知ろうともせず、かけがえのない存在とこれから一緒に過ごすであっただろう時間を奪ってしまってごめんなさい。
あなたのダダは、勇敢だった。強かった。優しかった。あなたたちを心から愛していた。私でもわかるんだから、私が言わなくても2人はもっとわかってるよね。どうか、どうか。これから立ちゆく未来が悲しみに暮れず、ダダという存在を誇りに思って、穏やかで温かい毎日が待っていますように。
本当に本当にごめんね、ごめんなさい。
ぺこちゃんは、インスタにこう書いていた。「どうかお願いだから自ら命を絶たないで。自ら命を断つことを選択してしまったお話を耳にすると、わたしははかりしれない悲しさや辛さ、苦しみがたくさん重なったんだろうと、言葉にできないもどかしさが溢れてきてしまうけれど、でもお願いだから、自ら命をたつことだけはどうか選択しないで。」と。(一部を抜粋しています)
こうして自らのSNSで発信していたぺこちゃんの大切なパートナーは、自ら命を絶ってしまった。どうかお願いと伝えたその願いは、りゅうちぇるには届かなかった。それはりゅうちぇるが無責任で自分勝手だから?そんな言葉が飛び交うこの世界を生きていくことに嫌気がさしてくるよ。大切でたまらないぺこちゃんの願いを、あのまっすぐて、優しくて、温かいりゅうちぇるが叶えられなかった、死へと追いやってしまったこのことの重大さにみんな気付いてよ。
ぺこちゃんはインタビューでこう答えていた。「何より私にとってりゅうちぇるは、夫の役割じゃなくても一緒にいたいと思えた人なんです。」
夫と妻という書類上の形式のとらわれすぎていた現代、私たちにりゅうちぇるを奪われてしまったぺこちゃん。新しい家族の形を作ろうとしていたぺこちゃん。このぺこちゃんの言葉が、りゅうちぇるを天国へ送り届ける前に全世界に伝わってほしかった。「りゅうちぇるのことを酷いとか最低と思わなかったのは、りゅうちぇるが本当にたくさんの本物の愛をくれてたからと思う。」。この言葉を応援する私たちが全世界にもっと私たちが発信するべきだった。ただ無言で、見ているだけで、応援しているとだなんて思っていた私が馬鹿馬鹿しくなってくるよ。世界に伝えたらよかったよね。SNSの力って人を死に追いやるくらいすごいんだもんね。私たちが発信していたら、人の命を救えたかもしれないのにね。
りゅうちぇるほど、本物の愛をパートナーへ伝えることができる人がこの世にどれくらいいるだろうか。
27年という短い人生の中で、心から幸せだったという時間は彼にとってどれくらいあるんだろう。幼い頃から抱えていた違和感。その違和感とともにしながらでも、一度は確信を持ってパートナーとなったぺこちゃんとの出会い。だけれども後から再度確信した性自認。
もちろん、結婚する前に気づいてたら一番良かったかもしれない。「結婚した後に気づいて離婚するなんて無責任だ」なんて言葉に全く共感しないわけではない。いや、共感はしないけれど、そんな意見が出るのはおかしくはないと思う。そんな意見が出るのは自然なこと。
だけれども、あの2人がそれでいいと。
この新しい形が私たち2人のパートナーとして生きていくための形なんだと。
書類上は夫婦としてはいれなかったとしても、お互いがお互いと一緒にこれからの人生を過ごしていきたいから。愛する息子の両親として責任をまっとうしていきたいから。お互いがお互いの人生をより自分らしく、守るべきものを守るために衝突を繰り返して導き出したこの形を、私たちが鋭い言葉でぶち壊してしまっていいのか。
絶対によくないだろって。
あの2人の幸せを壊したのは、他でもないSNSなんだと。
もちろん性自認自体への苦しみや、治療で受けていたとされている女性ホルモンの注射による精神状態の変化も、彼を死に追いやった原因の一つかもしれない(実際に女性ホルモン注射を受けているかは知らないです。2人が直接発信したものではないから。)。
だけれども、
あの2人が自由な世界で、誰にも介入することなく、「これが私たちの家族」と位置付けたその幸せの形をぶち壊した大きな原因は、SNSの誹謗中傷なんだと私は思う。
そう思うのは自由だよね?
そう発信するのは自由だよね??
世の中にはいろんな人がいて、
私のようにぺこちゃんやりゅうちぇるを応援していた人もいれば、人の心もないような言葉であの2人を傷つけ回った人たちもいるんだから。
自由な世界だけど、自由な選択が許されない。
凝り固まった正解は、人を壊してしまう。
凝り固まった価値観も、人を壊してしまう。
もう、SNSなんて無くなってしまえばいい。
大好きな人たちだけに囲まれた世界の中で、生きていきたい。
だけど。
そう思うんだけど。
りゅうちぇるのこと、ぺこちゃんのこと。
2人のことが大好きで、尊敬していて、応援していたという言葉を発信できていなかったこの後悔を二度としたくはないから。
発信には力があると知ったから。
だから今、発信したい。
誹謗中傷で、
かけがいのない、可愛らしい1人の人が、
この世を去ってしまったということを。
りゅうちぇる。
あなたがこの世を去ったと知って、
自ら命を絶ったと知って、
この世界を生きることが嫌になってしまったよ。
だけど。
全てのド真ん中に、愛があると信じて、
これからも頑張ってみるよ。
今まで伝えれなくてごめんね。
大好きだよ。
ぺこちゃん。
私はあのニュースを聞いた日から本当にもう抜け殻のようになってしまって。ニュースを見たくないのに見てしまう。見てまたさらに抜け殻のようになってしまって。
このニュースと少し距離を置こうと思うんだ。
ふと、りゅうちぇるの27年という短い人生の中に、心から幸せな時間はあったのかな?って思ってしまって。ずっと葛藤と誹謗中傷の中で生きてきたであろうりゅうちぇるにとっての幸せな時間はどこにあったんだろうって。
それで勝手に悲しくなってしまったのだけれど。
ぺこちゃんと出会えたという事実こそ、彼にとって幸せな時間だったって、これを書きながらやっと気付いたよ。ぺこちゃんに認めてもらえたこと、大好きだと言ってもらえたこと、勇気を価値あるものにしたいと願ってもらえたこと。
ぺこちゃんがもたらした全てが、りゅうちぇるにとっては人生で最も幸福なことに一つだったと今は思うよ。
りゅうちぇるに幸せをもたらしてくれてありがとう。
これからぺこちゃんが、りゅうちぇるにもらった本当の愛を糧に、たくさんの優しさに包まれた世界で、ありのままの姿で生きていけますように。
まにょ。
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