アレキサンダーマックイーンで闊歩したい
世の中には色々なブランドがあって、全部素敵だなと思えるにはわたしのファッションレベルが足りない気がしたり、これは…正直全部全然わからないな…という世界もあったりする。でもそれでオッケーなんだ。わたしの到底理解できないよう世界があって楽しい。
※今回の記事はセクシャルハラスメントやジェンダーの悩みや私の主観が多く含まれております。
苦手な方は読まれないことをおすすめします。
万が一、個人特定されないために一部事実と違う表現をしております。
とある楽しみなイベントの前日、ある知り合い程度の人から情熱的なメッセージが届いた。
その人には前に「連絡しないでください」とお伝えし、向こうから恨み節の返信がきて終わっている。非通知の無言電話が相次いだがその人かどうかはわからない。でも脳裏によぎるほどには疲弊していた。
なんでこんな楽しいイベントに邪魔してくるんだろう。もちろん向こうはわたしのプライベートなど、知らない。
30をすぎて、結婚をしていないと言えば、なぜかパートナーもいないと判断されることが増えた。
気をつかわれているのかわからないけど、「彼氏」がいないものとして扱いを受ける。
誘いを断っても、「彼氏」というキーワードを出さなければ、嫌も嫌も好きのうち、「駆け引き」だと思われる。「彼氏」がいると知った瞬間、物分かりがよくなり、礼儀正しくなる。
あなたは誰と話をしていますか?わたしの後ろにいるわたしの彼氏と会話をしているのではないですか?と聞きたくなる。
(普段は「彼氏」という言葉よりも「パートナー」と呼び方を統一しているのですが、こちらの記事では「彼氏」を使っております…)
もちろん、世の中には素敵な男性がたくさんいる。強くて脆くて、正義感があって理知的で自分の非を素直に認められる、ただただ優しい男の人がいる。
友人には「彼氏がいる」って言えばリトマス紙になるじゃん!と笑われる。
「彼氏がいる」と言ったところ、「結婚はいつ」「子どもはいつ」「相手は誰」そんな質問ばかり会うたびにされた。体調不良で休んだらつわりだと勘違いされたこともあった。復帰したら職場の方々におめでとうと言われた。何がめでたい。
「結婚を決めたパートナーがいる」といえば、結婚したと噂を流された。方々からおめでとう、いつ結婚したの?水くさいなあと言われまくった。噂を流した本人に問いただしたら、「パートナーがいるって聞いて半年経ったからそろそろ結婚してる頃だと思った。」と言われた。先にご祝儀よこしてから言え。
こんなのは序の口なのだろうか。女性であればこんな目にあうのが普通なのだろうか。
ギリギリのところで自分を保っていたが、心が折れてしまった。悪意のない人たちの、心配と好奇心が伝わってくる。結婚していない女は田舎では目立つ。でも女は男の所有物じゃないだろう。
件の相手から「君の気持ちが変わるまでいつまでも待っている」とメッセージがきた。
もう面倒だから「彼氏いまーす🤘」と返信した。
案の定、すぐに「今までありがとう!」とだけ返信がきた。きっと内心、彼氏がいるなら早く言えよと舌打ちしていることだろう。
愚痴愚痴文句を言うと、友人には、これが最善の結果だった、逆恨みもされなくてよかったねと言われてしまう。
わたしの最善の結果は違う。最初に断った時点で終わることだ。
わたしは、あなた方の知らないところで
元気で幸せで満ち足りた人生を送っているのに。
結婚を聞くなら
妊娠を聞くなら
彼氏を聞くなら、その人のバックグラウンドにどれだけ想いを馳せてから質問しているのだろうか。
あなたと違う人間が、あなたの横で生きてる。
強くなりたいと思って美容院でカットとカラーの予約を入れた。
金髪でも赤髪でも、なんでも。
モヒカンでもスキンヘッドでも、なんでも。
眉毛全部剃ったっていい(やりすぎ)。
でも、やめた。ファッションで心を独立すると決めたから、虎の衣は必要ないのだ。自分の衣でいたい。
前髪パッツンの黒髪ロングにした。自分が人生で一番好きな髪型になった。
決めたことがある。
お世辞を言わない。社交辞令も言わない。
結婚を聞いてきた人には、本音で話をする。
相手が理解できないだろうと思わず、自分の考えを伝える。
一つのバッグに心を奪われた。
アレキサンダーマックイーンのジュエルドサッチェルだ。
こちらは限定色…なのだろうか。
挫けそうなとき、わたしの指にはみえないアレキサンダーマックイーンジュエルドサッチェルのメリケンサックがついていると思いたい。
強くて美しいこのバッグを持ってにこにこしながら、歩いてやるのだ。
これもまた虎の衣なのか、わたしにとって運命の演歌バッグなのか考えていく。
あとがき
この記事を書いている中でも、結婚式挙げたの?と聞かれた。いや、そもそも結婚してないから。
5年来の知り合いで、会うたびに結婚の話をされる。ゴリゴリの家父長制世代(?)だ。
わたしの視界が歪み、鐘が鳴った。
結婚式のではなく、ボクシングの鐘だ。
途中険悪なムードになりつつも、その人が幸せな結婚生活を送っていることがわかった。しかし、最終的に「かぷちさんが幸せならいいんじゃないか」と言ってくれた。
自分らしい髪型にすることで、自分を素直に出せているのかもしれない。
会う人会う人に「前髪パッツンだね!フフ笑笑」と言われる。それが少し嬉しくてくすぐったい。
(なぜか男性には失敗した?と聞かれ、女性にはかわいいね〜!と言われる。)
ヘッダーの画像はメリケン波止場だ。メリケンサックを載せたら物騒だしね。
マックイーンのバッグはいいの。バッグだから!