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晴海フラッグの夏景色

1)晴海フラッグの杜

 各ビレッジの緑地、特に晴海緑道公園と接しているシービレッジの小径。毎日、フィトンチッドを胸一杯に吸い込みながら、ウオーキングができるのは幸せだ。緑道公園は早朝からウオーキングをする人、ランニングをする人、犬の散歩をする人達で賑わっている。みんなこの杜から元気をもらっている。

 さて、春は2月から4月まで色んな種類の桜を楽しめたが、その後は私自身が風邪で体調を崩し、しばらく家にこもっていた時期もあり、少し寂しい季節が続いた。

 しかし、6月になると思いの他、街は華やいできた。梅雨入りにはまだ早い時期だが、一斉に紫陽花が咲き出した。色んな種類があり、見飽きない。ただ、紫陽花は梅雨のイメージが強く、何処か侘しさが漂う。

シービレッジの紫陽花

 その侘しさを打ち消してくれたのが華やかな百合の花だった。

晴海西小中学校に咲く紫陽花と百合

 その他、常緑山法師、フェージョア、ねむの木、そして甘酸っぱい香りを漂わせるクチナシの花など、本当に華やかになった。そしてなぜか皆、懐かしい。その理由はすぐわかった。以前、戸建てに住んでいた時に庭に植えていた植物ばかりだったからだ。ガーデニングに憧れ、土地を購入し、広い庭を作り、家を建てた。25年以上前のことだ。当時は庭付の戸建てに住むことが人生すごろくのゴールと思われていたものだ。懐かしいとは言え、その家を手放し、ガーデニングができなくなった事に後悔の念は全く湧かなかった。戸建ての庭では味わいきれない、これだけの規模の緑に毎日接することができる満足感の方が大きいからだ。

シービレッジには私の好きなフェージョアがあちこちに見られた
クチナシの花の甘酸っぱい匂いが漂う

2)森散策ツアー

 6月の中旬に管理会社主催の森散策ツアーが開催され、多くの住民が参加した。場所はパークビレッジの中庭で行われた。普段は中央の芝生の広場しか目に入らず、森散策とは大げさかなと思ったが、広場以外には様々な種類の樹が植えられており、C棟を過ぎタワー棟の近くに行くと何十年もの樹齢の高木が多くあり、なるほど森と言うのもまんざら大袈裟じゃないと思えた。説明を聞くと単純に樹を集めて来て植えただけでは無い事がわかった。それぞれの樹に謂れがあり、移植された理由があると言うのだ。

 今回のツアーでは特に香りをテーマにクチナシ、ローレル、ローズマリーが紹介されたが、これも戸建ての庭で栽培していたものであり自分は結構、いろんな植物を育てていたんだと思った。こんな近くで好きな植物を楽しめる事に改めて気付いた。特にクチナシの香りには感動した。我が家で育てていたクチナシの木は一本だけで、香りは鼻を近づけないとわからなかった。しかし、群生しているクチナシの花の近くによると体中が甘い香りに包まれるようだ。

3)子供達の遊び場

 7月に入ると急に子供達の歓声で中庭が賑やかになった。池で水遊びが解禁されたからだ。夏になる前は子供達は遊具のある子供プラザや晴海埠頭公園の噴水などで遊んでいたが、一斉に池で遊び出した。新しい夏の風物だ。浅いので、親も安心して水遊びをさせられるようだ。また、室内の子供プラザも相変わらずの人気だ。このように近くに子供たちが安心して遊べる場所があると言うのは親も楽だろう。
 大人は7月20日から解禁になる晴海西小中学校のプールの解禁を楽しみにしよう。

4)晴海埠頭公園の犬友

 晴海埠頭公園には以前より犬を連れて散歩している人が多かった。しかし、夏になって変わった光景がある。それは、犬友(犬の飼い主の仲間)のグループがあちこちでできていることだ。これまでは皆、朝の犬の散歩の時間はまちまちだっただろう。しかし、暑くなると自然と早朝に散歩が集中し、犬同士で遊ぶのが好きな犬たちのグループができる。そして飼い主たちは自然と友達になってゆくのだ。

 私は残念ながら、今は犬を飼っていないが、大の犬好きだ。しかし、まだ友犬は2匹しかいない。早く、もっと多くの犬と友達になりたいと思っている。

5)晴海フラッグの夏

 私は自宅を売却し、晴海に引っ越して来るまでの1年8ヶ月の間、南箱根に短期移住した。海抜530mの地にあり、東京都心と比較して5-6度気温が低かった。真夏でも気温が30度を越えることはあまり無かった。快適な夏を2回過ごし、暑さに耐性が無くなっていた。どうして夏を乗り切るか少し不安を持っていた。特に今年は異常な暑さになると言われていたから。

 しかし、家にいる限りそれほど暑さを感じなかった。晴海フラッグでは海風が心地よい。と言うより強すぎて、雨の日は時には傘が使えず困るほどだ。海に面している我が家は非常に風通しが良く、梅雨に入るまでは窓を開けておけば十分過ぎるほど風が通り、むしろ寒く感じるほどだった。このままクーラーを使わず夏を過ごせるのかと思ったほどだ。しかし、流石に7月に入ると湿度が高過ぎ、除湿が必要になり、また、七夕の時期には東京でも35度を越える気温になり、クーラーを入れる様になった。それでも気温だけ見れば、正式な統計は知らないが、海に面しているために都心の気温よりは2度程度低いのではと感じている。

 外を歩いても、太陽が高い時間を除けば、海風が心地よく、日陰を歩けばそれほどの暑さを感じない。これから本格的な夏の季節になればどのように感じるかはわからない。でも、夏の晴海フラッグは東京都心の中では最も過ごしやすい場所かもしれない。

以上 


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