いきなり始まる中国生活@NOIZUMI

ガチの中国未経験者が現地へ突撃していくと・・・

いきなり始まる中国生活@NOIZUMI

ガチの中国未経験者が現地へ突撃していくと・・・

最近の記事

6話・大ターンテーブルを囲んだ歓迎晩餐

1・自室のベッドに一人身を投げ出しもの思う本社ビルの構造と、寮の内装を一通り案内されたあと、私はようやく一人になれた。 靴を脱ぎ、ズボンを脱いで、キングサイズのベッドにダイブ。 「18時30分に歓迎会代わりのご飯会やりますから、それまで部屋にいてください」 別れ際に言われたことを、脳内で反芻しながら、首だけ動かして窓の外を見やる。 事前の説明では、確かオーシャンビューの寝室という約束だったが、窓の外は建設中の建物がひしめいていて、全くそんな気配はない。 ここは「開発

    • 5話・はじめての中国大陸

      1・バンに揺られながら初対面の同僚たちと会話会社が手配してくれたバンに乗って、空港の外を走る。 周囲は、一面の農地。 既に収穫したのか、これから何かを植えるのか、よくわからない田畑が広がっている。 時折、レンガ造りの背の低い建物が、風景の一部となって現れては消える。 ふと、おととしスペインの田園地帯を旅したときを思い出した。 同じ大陸系だと、アジアとヨーロッパとは言え、似てくるところもあるのだろう。 迎えに来てくれた、主任と新人2名と、あれこれ話す。 入国審査は

      • 4話・煙台萊山国際空港で中々でてこない荷物

        1・民間兼軍用空港トイレから漂う副流煙という、思わぬ先制攻撃をうけながら、なんとか目的地の煙台萊山国際空港へ到着。もともと、軍用の空港だったが、市場開放の影響で民間機にも供用されるようになった。(2015年に煙台蓬萊国際空港が開港し、現在は再び軍用空港に戻っている) タラップを降りて、バスで空港ビルまで移動。商業空港ではないので、そんなに大きくはない。白いペンキを塗っただけの壁。大理石の床に、鉄の柵を迷路状に突き立てただけの入国審査ゲートに列を作り、番が来たらパスポートを出

        • 3話・今までにない大荷物で海外へ

          1・所持品=全財産 海外移住。 実家暮らしであったり、すでに持ち家がある人なら、大掃除の一つでもして、光熱費等の公共料金の停止手続きを踏んで、荷物をまとめればいいだけの話。(それでも手間ではあるけど) 私のように、東へ西へ行ったり来たりの根無し草にとって、海を越えて生活の拠点を移すとなると、一人で持ち運べる量が自分に許された全財産となる。 自分の筋力と、飛行機の積載量が制限ではあるが、それでも、大型のスーツケースに、ボストンバッグ、あとは機内持ち込みにバックパック(+D

          2話・未知の国中国への渡航準備

          1.まず何から始めてどうするべきか中国での就職が決まってから、最低限やるべきことは3つ。 1:パスポートの有効期限を確認 2:航空券を手配 3:今住んでいる部屋を引き払う 1と2はいつもの旅行のノリでいける。しかし、3が厄介。賃貸契約の解除はいいとして、生活の場を海外に移すので、家具をはじめとする様々な私物は、日本で処分していかなければならない。 結果、学生時代から約11年間使ってきた冷蔵庫と洗濯機は、回収業者にお願いして引き取ってもらった。1万5000円也。業者のおじ

          2話・未知の国中国への渡航準備

          1話・ある日、突然やってきたオファー

          1.ご指名の電話 あれは2012年の旧正月である1月23日から3日前のこと。突然、知人の福建人社長から電話がかかってきた。 「このまえ、仕事を探していると言っていたよね。今は何か?」 「いいえ。ニュースでは氷河期の雪解けなどと吹聴してますけど、なかなか・・・」 「じゃあ、まだ求職中なんだね。よかったら、今度の月曜日にうちに来てよ。いま、山東省にある会社の社長さんが来ていて、誰か日本人を紹介してほしいと言っているんだ」 「わかりました」 断る理由はなかった。 大学を

          1話・ある日、突然やってきたオファー

          筆者について

          筆者:NOIZUMI 就職氷河期世代。日本語しか分からない典型的なモノリンガル。男。独身。 元々、海外を旅するのは好きだったが、中国に関してはまったく興味も関心もなかった。それがどういう風の吹き回しか、一人縁もゆかりもない中国で生活することに。今は、帰国して日本の片隅でひっそりと生息中。 当時の戸惑いや発見などを、思い出しながら書いていけたらと・・・。 ちなみに、トップの画像は、現地のホームセンター的なところで目撃した、庭に置いて気軽に焼き肉が楽しめるテーブル(フルメ