醜くも美しいインターネット
この醜くも美しい世界、みたいな相反した言葉だったり概念が好きだ。
世界は醜く、争いは絶えず、人類は好き勝手やっているなと思う一方で、やはりそれを含めても美しいものと思ったりするものだ。
インターネットもそれだ。
私が所在するインターネットは、まー醜い。
争いは絶えない。誰かが誰かを疑うし、叩かれている人を見かけたら一緒に叩きにいく。人への配慮はなく、好き勝手にものを言う。
見栄を張り、マウントを取り、イケてる自分を演出するようなこともあるだろう。
醜い、とまでは言わないが、人間だなぁと思う。
そんな人たちが氷山の一角で、世に生きる一般の方々はそもそもツイートとかもしないんだってさ。とか、そんなこともわかっている。
一方で、とても美麗で心が打たれるようなイラストとの出会いだったり、面白くてつい、買ってしまうような漫画や本に出会ったり。
1つの投稿でわざわざ映画を見にいくような生活に影響を与えるようなものに出会えるのはまたインターネットだ。
私の好きな本のシリーズである「キノの旅 -the Beautiful World-」は一般的には「キノの旅」と呼ばれている。実は後ろの「-the Beautiful World-」はあまり意識されない。
私はこの「-the Beautiful World-」がとても好きだ。
「キノの旅」は基本的にはキノら旅人が、毎話、独特の制度や技術、価値観を持つ国家や国民と関わるというストーリーで、そこに寓話の要素をもつ。とのことだそう。wikipediaより
この作品は本当にさまざまな国や価値観に遭遇する話だ。一般日本人にとっていい倫理観といえないような国とも遭遇する。けれども主人公のキノは淡々と3日間をその国で過ごす。
どんな国でも、大きくは動じず、淡々と過ごしている。ように見える。
中学生だかの頃はそれがなんだかかっこ良かったように思えた。
けれど、大人になってからは「-the Beautiful World-」と、世界は美しい、ということが前提の作品で、その上にさまざまな価値観のある国なんだなと思ったりもした。ああ、久々に「キノの旅 -the Beautiful World-」が読みたくなった。本屋さんに探しに行こう。
やっぱり世界は美しいと思った方が楽しい。
醜くくもあるし、ダメダメなこともある。争いも絶えないし、環境は破壊する。
けれどもそんな世界や人間は美しく、その上でダメダメなことがあるのだなぁ、みたいなことも思いながら今日もインターネットを愛するのだ。