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プロジェクトマネージメント特性比較 Part7 (プロジェクト属性との相関関係と回帰分析)

今回は、産業別にアジャイル型とウォーターフォール型を比較してみる。前回までと同じように、各目的変数(Productivity (生産性)、Speed of Delivery (開発速度) 、Defect Density (欠陥比率) )がどの程度異なるか分析してみる。

Productivity (生産性)の比較

生産性の平均値で比較すると、アジャイル型を使用した開発では、産業によって 5.58 から58.27 まで差が生じる (BoxPlot 5)。一方で ウォーターフォール型を使用した開発では、6.5から 9.48 と産業による差異が少ない (BoxPlot 6)。また、範囲や中央値で比較を行っても アジャイル型は産業による違いが表れているが、ウォーターフォール型においては表れていない。銀行や政府などは両方の開発手法を使っているが、 ウォーターフォール型の生産性数値は アジャイル型を下回っており、アジャイル型と比較してウォーターフォール型の生産性の方が高いと言える。

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Speed of Delivery (開発速度)

 開発速度の平均値で比較すると、アジャイル型を使用した開発では、産業によって 9.4 から 111.3 まで差が生じる (Table 21 および BoxPlot 7)。一方で ウォーターフォール型を使用した開発では、38.6 (53.6) から 86.95と産業による差異は比較的少ない (Table 22 および BoxPlot 8)。また、範囲や中央値で比較しても アジャイル型は産業による違いが表れているが、ウォーターフォール型においては表れていない。アジャイル型で一番高い平均値となったのは、クレジット、信販などのファイナンスであるが、この産業の開発速度は、ウォーターフォール型よりも早いことが見てとれる。銀行や政府においては、ウォーターフォール型の開発速度が アジャイル型を上回っている。

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Defect Density (欠陥比率)

欠陥比率の平均値で比較すると、アジャイル型を使用した開発では、産業によって 19.8 から48.33 とそれほど大きな差は生じない(BoxPlot 9)。一方で ウォーターフォール型を使用した開発では、0 (14.68)から 66.8 と産業による差異が大きく表れた(BoxPlot 10)。また、中央値での比較を見ると、 アジャイル型でも、 0 (19.8) から 41.7 と産業による違いが 表れている。ウォーターフォール型においても、0 (1.3) から、61.8 と産業による違いが表れている。銀行や政府などでは両方の開発手法が使われているが 銀行では アジャイル型が優れている。(ただし、アジャイル型では、銀行の中でもWeb Site の開発が行われ、ウォーターフォール型の開発では、基幹系の開発が行われており、開発されている内容には違いがある。)一方、政府系の開発ではウォーターフォール型の欠陥比率が アジャイル型を下回った。つまり、政府系の開発では、 ウォーターフォール型が優れている結果が表れた。

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次回は、プロジェクト、プロダクト開発の属性(新規開発・改良開発)を調査する。



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