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3.11(東日本大震災)の記憶⑦
🔳東日本大震災の後、4月に宮城県海岸沿いの変電所を訪れました。写真を見てもわかるように、津波と地震で大きな被害を受けていました。
見たことのない光景に言葉を失いました。
正直なところ、目の前の状況を見て「元に戻せるのだろうか?」と不安に思いました。
そしてこの辺りは全て停電中です。
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🔳写真に写っているのは、壊れた絶縁装置(電気を通さない部品(碍子(がいし))です。
碍子は陶器のようなもので、割れやすいのですが、金属製の固定部品とはセメントでしっかりとくっついているので、簡単には外れません。
しかし、この写真ではセメントと碍子の表面が剥がれているのがわかります。別の写真に写っている絶縁装置では、碍子とくっついている金属固定部品自体が、強い衝撃で壊れて外れてしまっているのが確認されました。
このようなことは通常は起こりませんが、この写真は、大きな地震の衝撃の大きさを示す貴重な記録だと思います。
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🔳写真に写っているのは、ケーブルの外側を布で覆った移動用のケーブルです。これは、普段使っている電気設備とは別に、修理や点検のために一時的に使うケーブルです。写真では、ケーブルを何かの事情で切っていて中の銅線が出ているのがわかります。これは、ケーブルの絶縁体が縮んでしまったことを示しています。(シュリンクバックと言います。)
このような状態はめったに見られないので、貴重な写真と言えるでしょう。
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🔳地震で壊れた変電所の近くにある電柱は、根元から折れてしまっていました。それでも倒れていないのは、電線を張っている力のおかげです。
電柱が道路側に倒れていたら、電線が切れたときに電柱が道路に倒れて二次災害が起こっていたかもしれません。
幸い、傾斜しているのが道路の反対側だったので、大きな被害には繋がりませんでした。電線がこんなに強い力に耐えられるとは、改めて驚きました。
当時の状況からするとこんなことを冷静に考えている場合ではないのですが…。😅