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マノスベの姿勢がやって来る!ヤァ!ヤァ!ヤァ!(第4話)
太陽がギラギラと蒸し暑く、蝉もミンミンうるさいお盆真っ盛り。
前夜の寝つきの悪さと浅い眠りのせいで、いつもより早めに目が覚めて動き出した。
なぜなら…
俺には!今日から!全力で!やる事がある!からだ!
この日は、主要な道路が朝の通勤ラッシュで渋滞になる前に、近くの大手スーパーで数日分の食糧の備蓄の買い物まで終わらせた。
気合い十分!
「何か」に打ち込めれば、体も心もスッキリとするハズだ!
その「何か」が、ウチにやってくる日だ!
待ちに待っている書籍!
故・大野朝行著
「魂合氣術の神業 - カタカムナで紐解く」
「風帆の歩きと魂合気の術 - 誇るべき日本文化、その諸能の原点を知る」
さあ、練習に打ち込む準備は万端だ!
「ピンポ〜ン」
ついにキター!!
クロネコヤマトさん!
「いつも配達ありがとう!」
届くや否や、Amazon封筒の中の書籍を取り出し、パラパラとめくりはじめた。
ザッと見た感じも、なにやら、古武道っポイ。
キビシイ鍛錬やら修行のやり方のような事が書いてあるようにも見えた。
[良い感じやん!]
[この本に書かれている練習を必死にやれば…疲れて、眠れるハズや〜!]
「よし!やるか!」
やる気十分で本をめくっていく…
[ん!なになに…マノスベの姿勢というのか〜]
マノスベという言葉は、この時始めて目にした。
[マノスベって何だ?あんまりピンと来ないな…]
知識は後で良いから、早く練習のページを見つけないと!
「えっと…マノスベの姿勢をするとアマウツシ…カムウツシが盛んになる???」
何を言っているかサッパリ分からん!
アマウツシとか、カムウツシとかカタカムナの始めて聞く言葉は一切理解出来ないでいた。
とにかく前置きはええんや〜!と、はやる気持ちでページを進めていくと、ようやく実践出来そうなところを見つけだした。
「よし!これやな!」
書いてあることや写真や絵を、見ながら、みよう見真似でやること、2、3時間。
寝転んだり、座ったり、立ったり、足幅、腰、背中、頭の位置などなど、本を片手にいろいろやってみた。
そして、最終的にに辿りついた格好が、手を前にダラリと上げ、後ろ重心でボケーッと立っているだけ!
[手の短い猿がボケーと立っとる姿になっとるやん(涙)]
「何だよこの格好は!」
一人、部屋でオッサンが猿のように出来るだけボケーッと立つ練習って!
何も無い部屋で立つ自分の姿に愕然とした。
[ヤバい…コレでは疲れ無いやん]
コレで正解かどうかも分からないし、確かめようも無い状態…
通信教育ならまだ質問出来るが、書籍となると、どうしようもない。
何かの体感でもあれば良かったが、全く何も感じないまま、ページの絵の姿勢と見比べてみた。
「…やっぱりオレ…手の短い猿みたいやん…(涙)」
[どこか見落としたのかな?]
「もっとキビシイ練習のやり方とか書いてあるハズや!」
もう一度、本のページを探してみる。
目次も見直してみる。
2冊ともそんな箇所は一切ない
「なんや〜期待ハズレやったなぁ…」
キビシイどころか、その逆で
「力まず緩める姿勢」…それこそが、カタカムナのマノスベの姿勢とか…
「こんな、ボケーッと立ってるだけって、いくらやっても疲れて寝られんやろ!」
「古武道みたいやったのに騙されたわ〜!もっとハードな基礎練習とかあるやろ!」
と一人ツッコミを入れながら、期待に胸躍らせた、『疲れる練習』の記載は一切ない事にガックリと肩を落とした。
[でもな〜、決めたからには、やるしか無いよな〜]
[立つ練習をやめたところで、ヤル事いし…]
そんな事を考えながら22時ごろまで練習(ボケーッと立つ)にはげんだ。
この初日の練習は、なんやかんや8、9時間ぐらいに及んだ。
[結構、練習したつもりやけどな。この練習では疲れないよな…]
[やっぱり、立ってるだけじゃ疲れないか〜]
[いやいや、今日は練習時間が短かっただけだ!]
[明日はもっと練習しよう!うん!]
[とにかく、疲れてぐっすり眠るのだ!]
[立っているだけでもだんだん疲れてくるだろう!]
想像とは違ったが、やるしかない!
明日も全力で練習する事だけを決めて、眠りについた。
この後、人生に『コレまでの考え方を180°変えなければならない出来事』が連発して起き始めるとは知らずに…。