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過剰介護ってなんですか
引き算の介護とは
今までの介護というと、要介護者自身が出来ることを行っていく、という感じではないでしょうか。
でも必要以上の介助は、用介助者の自立や身体機能を衰えさせてしまう可能性があるのです。
介護者が介護の手を増していく、これが『足し算の介護』になります。
そしてこの題名になっている『引き算の介護』とは、本来の介護のあり方である要介護者の主体性を受け入れ、出来ないことだけを介助するのです。
自立支援していますか?
先に述べたように何から何まですることが介護ではありません。
まずふと何気ない日常を思い起こすと・・・こんな場面があったりしませんか?
車に乗る時
ベッドから車椅子から移乗する
上着を着たり脱いだりすること
これらの動作を介助をする時に、「つい手を出して」いませんか?
要介護者が出来ることを見守っていることが、本来の介護になります。
今までの介護は要介護者は「手伝ってもらう」、介護者は「何でも手を出してしまう」と言う関係になっていました。
介護保険の本来の目的は、「自立支援」にあります。
介護者が過剰に介助することで、要介護者の残っている機能を低下させたり、主体性を損なわせたり、マイナスになってしまうことも知っておかないと行けません。
出来るだけ介助量を減らす
今は割と「自立支援を」と言う声を聞くことが多いように思います。
私が介護業界に入った頃もそうでしたが、『足し算の介護』でした。
どんな些細なことにも手を出して、手伝う。
本来なら時間がかかっても出来ることなのに、「つい」手が伸びてしまう。
ただし何度か試してみても無理な時は、どうしたらいいのかなと一緒に考えつつ手を動かしてみるのはありだと思っています。
そういうことが「当たり前」にました。
そのことを考えるきっかけがあって、それを先輩に相談してみました。
その際に受けた「答え」が今の私の介護の考えの中心にあります。
だから関わる時は、まず最初に「どこまで出来るか、少し見せてもらってもいい?」と声を掛けています。
出来たら、一緒に喜ぶし、出来なかった時は一緒に考えてみたり。
そんなやりとりを介して、「出来ること」「少し難しいこと」「工夫次第では出来ること」「手伝いがいること」と分けてみていけるようになっていきました・・・。
それだけでも介助量が違いますし、出来ないことを「手伝う」に徹していると、その人の「やる気」や「意欲」に関わってくるような気がします。
本人の能力を低下させないためにも
引き算の介護をすることは、自立支援に繋がっていく言うのが、最初に書いたとおりです。例えばある人が今ある状態が「10」だとした場合、何かしらの介護をする場合、要介護者が「6」介護者が「4」の力関係がベストな状態になります。
しかし現状には訂正な介助量の「10」を越えてしまっている気がします。そう思う部分としては、
よかれと思っていたから
やってあげたい
いつもやっていたから
ここの3つを見ていくと、介護者が「6」要介護者が「5」の力を出すと、「11」になって介護力のオーバーパワーが発生します。
これが過剰介護になります。
これが日常的に行われると、要介護者が今まで出来た「6」という力も「4」しか出せないようになってしまいます。
必要以上の介助力が増えていくのが『足し算の介護』であるなら、『引き算の介護』は
「要介護者の主体を大切にし、出来ないことだけをする」
という感じになります。
メリットとデメリット
この引き算の介護のメリットとしては、
日常的な介護によって残っている機能を維持したり、向上にすることが出来ます。
デメリットとしては、
「いきなり始めることが難しい」です。
介護者が要介護者の身体機能や活動能力を見極める必要があるからです。
もし家族介護している場合、当人に「どこまで出来るのか」を聞いてみるのも方法の1つかと思います。
始めやすいところから始めるのが1番いいと思います。
介護と中庸
中庸とは「偏ることなく、常に変わらないこと」
と言う意味になります。
必要以上に手伝うことはしないけど、だからといって介護が足りないと言うことでもなく。
こういう感じでいいのかなと思いますが、案外どうにかなったりするものです。
このバランス感覚を難しく考えすぎずに「本人がどこまで動けるのかな?」と思ったり、「どこまで自分で出来るか見せてください」と声を掛けてみるといいです。
完璧すぎるのも介護者が疲れ切ってしまいます。
「介助量が足りなければ事故の原因になり、だから介助量の多すぎても機能低下の要因」になります。
上記の関係性を見て介護量のさじを調整してみるといいと思います。
過剰な介護を減らしていき、適正な介護を出来るようにして行きたい物です。
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